希望の種が見えた「うみたいわ」グローバルセッション by 日本のU理論実践者グループ

Abbie Abion
Jul 23, 2022

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Translated in to Japanese from the Original Article in English

核の正義を求める市民レベルのグローバルな対話の場

今日(2022年7月23日)、「うみたいわ」の第11回目セッションに参加しました。「うみたいわ」は、福島原発事故により大量に発生し続けている放射能汚染水を、処理した上で来年海洋に放出するという日本政府の決定に反対する日本のU理論実践者グループの取組みです。第11回目のセッションは、「太平洋に生きる若者の声に耳を傾ける」と題し、プレゼンシング・インスティチュートによる2022年グローバルフォーラムのコミュニティ開催セッションの一部として行われました。

フィジーの大学生で、マーシャル諸島学生協会(MISA)のメンバー4人が、アメリカによる核実験とそれによる被害に関するマーシャル諸島の歴史、彼らの経験、そして抱負について話してくれました。彼らは核の正義のために戦っています。

「1946年から1958年の間に、米国はマーシャル諸島で67回の核実験を行った。アメリカはこのうち23回をビキニ環礁で、44回をエニウェトク環礁付近で行ったが、放射性降下物はマーシャル諸島全域に拡散した。” ( 出典: マーシャル諸島、原子力遺産財団)

深く心を傷つけられた核実験被害者に希望を・・・

学生スピーカーの一人であるウェインは、核実験の被害者にインタビューした際に衝撃を受けたことを話してくれました。彼は、今思えばかなり未熟な気持ちでインタビューに臨んだそうですが、核実験被害者の方々が、辛い体験の中で受けた心の傷の大きさを思い知らされてショックを受けたそうです。私は幸運にも、ブレークアウトルームで彼と一緒になりました。彼は、被害者インタビューの中で、多くの人が戦うことをあきらめかけてしまっているように感じたと言っていました。被害者の人たちは、この70年の間にエネルギーを使い果たしてしまったのです。もともと住んでいた島から別の島に避難した人たちは、70年経っても故郷の島に帰れないでいるのです! ウェインがMISAでこの問題に取組む原動力は、「若い世代がこの問題を受け継いでいきます」いうメッセージを送ることで、あきらめかけている被害者の方々に希望を与えることだそうです。

福島から京都での避難生活を続けている方が感じた喜び

同じブレークアウトルームに、福島出身の日本人の女性も一緒でした。彼女は11年前から500キロ以上離れた京都で避難生活を送っています。彼女は、遠い過去の核実験の直接的な被害者ではない南太平洋の若者たちが行動を起こしていることを知り、心を動かされ、共感したと言います。

彼女が行動を起こしたのは、自分の子どもたちの未来を守るため、というとても個人的な理由からでした。子どもたちのため、そして福島にある自分の家や土地などの財産のためでした。でも、今日うみたいわに参加したことで、海は、そして地球は、すべての生き物にとって共通の恵みであることに気づかされたそうです。そして、個人の財産を守るためではなく、海や地球を守るという大きな視点で行動している人たちがいることを知りました。うみたいわに参加して、いろんな人に出会い、気付き、視野を広げることができたことは、今も続くつらさの中でも、ひとときの喜びが生まれたそうです。

私自身も、福島原発から南へ100kmの海の近くで生まれ、毎日海の幸を食べて育ちました。母や弟、その家族もまだそこに住んでいます。ですから、原子力発電所のからの汚染処理水を海に放出するという問題は、個人的にも非常に大きな関心事です。

国や世代を超えた対話から希望の種が・・・

最後に、主催者から「今日の対話から感じる、未来の最高の可能性は何でしょうか?」という質問がありました。そこで私の心の中に浮かんできたのは、国や世代を超えて共に聴き、対話し、感じ、感じとることによって、私たちの内面に勇気を呼び起こし、心からの行動につながるということでした。簡単な解決方法はないけれど、「うみたいわ」のような場に希望の種を感じました。

うみたいわに参加し、皆さんのお話を聞きながら浮かんできた絵

うみたいわを運営されているチームの皆さんの情熱とコミットメントに深く敬意を表します。

そして、U理論の著者であるOtto Scharmer 博士と プレゼンシング・インスティチュートにも心から感謝しています。Otto Scharmer博士とプレゼンシング・インスティチュートのチームは、このうみたいわのような活動を生み出すインスピレーションを与えてくれるだけでなく、アウェアネスに基づくシステム変革のための方法論、プロセス、そして実践的なツールを提供してくれているのです。

フィリピンを拠点とする GAIA GAYA が主催する”Possible World Game”のセッションは8月5日開催

私は日本出身で、現在フィリピンを拠点に活動しています。フィリピンの同僚と一緒に、2020年にGAIA GAYAというグループを設立しました。私たちは、うみたいわの運営チームと同じく、GAIA(Global Activation of Intention and Action)ジャーニーやプレゼンシング・インスティチュートのその他様々なプログラムからインスピレーションを受けたフィリピンのU理論実践者のグループです。

GAIA GAYAでは、サステナビリティへの認知度を高め、行動を喚起し、コラボレーションを促進することで、サステナビリティを「みんなのビジネス」にするため、「サステナビリティ意識を持ったリーダー (Sustainability Conscious Leaders) 」の育成に取組んでいます。

私たちが使っている重要なツールのひとつに、日本で開発された2030 SDGsゲームとそのオンライン版であるポッシブル・ワールド・ゲームがあります。これは、ファシリテータのもとで「現実世界」を未来へと導くシミュレーションを行うオンライン・マルチプレイヤー・ゲームです。

GAIA GAYAでは、2022年8月5日にプレゼンシング・インスティチュートの2022年グローバルフォーラムのコミュニティ主催セッションの一つとして、ポッシブル・ワールド・ゲーム(オンライン)を開催します。ぜひご参加いただき、リーダーシップと現在の地球が直面しているサステナビリティの課題について世界中からの参加者と一緒に学んでください。参加者は、私たちの世界が相互に関連していること、そして私たち自身の行動がどのように世界に影響を与えるかを全員一緒に(collectiveに)学ぶことができます。

ポッシブル・ワールド・ゲーム(オンライン)開催要綱は下記の通りです。(使用言語は英語、通訳なし)

開催日: 2022年8月5日
時間: 8:00am to 11:30am EDT
2:00pm to 5:30pm CET
9:00pm to 0:30am 日本時間

最低催行人数は10名、最大28名まで募集しています。ご参加いただける方は下記より事前登録をお願いいたします。 https://forms.gle/gVCDXmPiKeEFLfFd9

参加事前準備
当日ゲーム開始前までに、こちらのビデオをご覧になってから参加してください。 https://youtu.be/ubB5-kkAzms (7 分間)

ハードウェアやソフトウェアの環境用件
1. モバイル機器(タブレットや携帯電話)ではなく、コンピュータから参加してください。
2. ゲームにアクセスするにはブラウザを使います。(Chrome, Edge または Safari.)
3. 安定した高速インターネット接続のあるところからご参加ください。
4. ヘッドセット着用をお勧めします。
5. Zoomのバージョンは: 5.3.0 以降
6. 振返りのジャーナリングをしますので、紙やノートと鉛筆/ペンをご用意ください。

その他
1. Zoom: 名前の変更、ミュートのし方、チャットの使い方、ブレークアウトルーム間の移動の仕方などの操作ができること。
2. ブラウザ: ズームイン/ズームアウトの機能によってディスプレーのサイズの調整ができること

GAIA GAYA コアチームメンバー一同、皆さんと一緒にポッシブル・ワールド・ゲームができることを楽しみにしています!

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Abbie Abion

Facilitator, Theory U and Mindfulness Practitioner, Sustainability Advocate (GAIA GAYA)