“Semen Scientiae” — ブロックチェーンの現状と将来

tomo-hata
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Sep 2, 2018 · 5 min read

<ブロックチェーンの現状>
最近、GAFA+BATがブロックチェーンに何らかの形で関与ないし関与しようとする動きが表立って出てきている。
昨年(2017年)は、こうした情報はほぼ皆無で、5月頃にAWSが少し出てきたかな、という程度だった。
けれどもここ数か月くらいで彼らの動きが目立ち始めた。

ブロックチェーン技術は、この1年間だけでもかなり進展したと思う。自分はEthereumを中心に見ているが、机上レベルでしか語られなかったようなオフチェーン・スケーリングやその他のスケーリング方法がかなり具体的な形となって出てきたり、外部データとブロックチェーンとを仲介するOracleも徐々に実現し始めている。
パブリック型(アナーキー型)と呼ばれるBitcoinやEthereum等は、全ての取引情報が公開されている為、匿名性ある取引を求めるもの(特に企業)は、元々、エンタープライズ型(プライベート型)ブロックチェーンに解決策を求めてきた。
その点についても、EthereumがZCashと組み、zk-SNARKSと呼ばれるゼロ知識証明を取り入れたスマートコントラクトを開発しプロトコルレベルで実装したことで、パブリック型での取引匿名化にも目途が立った。
(未だ、大量のgasを使用する為、現実に使用する頻度は少ないが、何れこのgas量もより少なく済むよう改良される予定。)

取引の匿名化は別の課題を生む。つまり、誰が誰に送金したかトランザクションの流れで追うことが出来なくなる為、ダークマーケットやマネロンに利用されやすくなることである。そうなると、規制の対象にもなりかねないので、KYC対応は必須事項となる。
これについても、Ethereumでは実装方法(ERC725,735)が具体化しており、それ以外でもConsensysが絡むuPort等のプロジェクトで、それぞれ管理主体のいない中でのデジタルアイデンティティ実現方法が考案されている。

<企業とブロックチェーン>
こうしたブロックチェーン技術の加速度的な進展を前に企業としてはどう言うスタンスが取り得るのか?

ブロックチェーン技術には懐疑的で検討したとしてもプライベート型がやっと、それも簡単な検証レベル(より進んだとしてニュースに乗る実証検証)で満足するケースが多いようにも思える。

一方、Microsoftのように早い段階でBaaSとして積極的にブロックチェーンをサービスとして取り込み、取り敢えず使ってみてよ、と言う積極性を見せている企業もある。(因みに、Microsoftは先ずはEthereum、ついでR3のCordaもAzure上でサポート。)

個人的にはより注目しているのが、GAFA+BATのブロックチェーン関与の動向。

Microsoftはどちらかと言うとエンタープライズ型を志向しているが、GAFA+BATはBtoCやCtoC(無論、BtoBも行っているが。)向けのソーシャルプラットフォームの向きが強く、特にGoogleやAmazonのようにパブリッククラウド事業も展開していることもあって、元々、ブロックチェーンを導入した場合のメリットが大きいように思える。

例えば、AWSがブロックチェーン基盤を標準実装し、その上でAmazonコインのようなものを発行し、元々取り込んでいるユーザーがそのコインを使用して、ユーザー同士で取引をすることでAmazonという一企業内で独自の経済圏を作ることもできる。
取引履歴はブロックチェーン上に記録されるため、名目上はAmazonが管理主体となるもののユーザー同士の各取引自体は第三者を介さず直接行うことが出来る。
ブロックチェーンの課題の一つにスケーラビリティの垂直問題、つまりデータサイズが永遠に肥大化し続ける点を挙げることが出来るが、AWSのようなデータサイズを拡張できるクラウド基盤を持っている企業であれば、この点も割合簡単にクリアできるのではないかと思う。

<新たな国家の誕生?>
以下、完全に空想めいた話になるが、将来的にはこうした一部の世界規模の企業がそれぞれクロスボーダー(もしくはボーダーレス)な独自の経済圏を築く可能性を考えている。それはGAFA+BATかもしれないし、全く新たに台頭する企業かもしれない。

現在は一応国民国家の時代である、とは言えるが、歴史上、国民国家が存在したのはごく数百年程度であり、過去には様々な形態の国家や共同体が存在していた。
あくまで思考実験的な意味合いは強いが、ブロックチェーンによってどんな社会や経済圏が生み出されるのか、考えてみるのも面白いと思う。

“Another Next World”

Possible? or Impossible? But we want anyway!

今回述べた企業の観点とは別に、個人に立脚した観点でも色々考えている。寧ろ、個人に焦点を当てたほうが本当はもっと楽しいし、自分もそちらの方が本来ブロックチェーンが目指す世界だと思う。

オフチェーン・スケーリングやPlasma、Sharding等、色々なスケーリング方法が考案されているが、それら全て大企業が使用する為のものではない。
個人がそれぞれの力(技術力やマシンパワー含め)を持ち寄って、ネットワーク全体で価値を守る為の活動をする。
なので、Ethereumはそれ自体がエコシステム(生態系)と呼ぶものだし、価値の源泉はそのエコシステムに参加する個人の自律的な行動に依る。
つまり、Ethereumの世界は個人の力が有機的に繋がった集合体で成り立っている。

こうした個人が点と点で結びつくEthereum上で、個人が全く見も知らない別の個人とブロックチェーン上で取引をし仕事の受発注もできる。正にDAO(分散型自律組織)の世界観である。

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