一歩踏み出すことと自信を持って続けることと感謝すること
機会があって、過去に書いたブログを読み返した。約2年半前のものと、約1年前のものだ。冒頭から蛇足ではあるけれど、子供の頃から日記を書くと良いと大人に云われてきたけれど、こうして読み返してみると、毎日の生活の中では気付きにくいような大きな変化を知る事ができて非常に有益だ。
通常、独立して創業するという事は本当に大変な事なのだと思う。まして、周りの人を巻き込んでいく事はより大きな責任を伴う。だから、最後は自分で決めなければならない。
思い返してみると、僕が独立を決めたとき、また、渡米を決めたとき近しい人にしか相談していないにもかかわらず9割以上の人が反対をした。こういうとき、僕は、彼らが僕の事を大事に思ってくれているのだと感謝して、目標への原動力にしてきた。
僕にとって、創業することに限った事ではないと思うけれど、何かをする際に大事な事は3つあるのではないかと思う。
まず、最初の重たい一歩を踏み出す勇気が大事だ。僕の場合は、周りの人がいろいろな理由で、僕の「奇行」を思いとどまらせようとしてくれた。でも、最後は、僕自身の気持ち次第だった。
新しい挑戦を選んでも、そうでなくても、どちらを選んでも、楽では無かったのだと思う。この経験自体は、海外から見ても日本人には珍しいと映ったらしく、「日本人らしからぬ型破りな考え方で米国でのシリコンバレーで起業」と英国のBBCでも報じられた。
リスクをチャンスと捉えて、実際に行動できる人はほとんどいない。リスクもチャンスも、ただ不確実であると言うことへの認識を、ネガティブに、あるいは、ポジティブに表現したことばにすぎない。
ここで大切になるのは、不確実性の中で何を根拠に意思決定をしていくのかということだ。先に述べるなら、2つ目の大事な事は、自信を持って続けるということだ。
僕は、意思決定の目的として、正しい道を見つけようとすると失敗しやすいのではないかと思っている。正しい道を探そうとした瞬間に、一歩踏み出した自分の中にあるわずかな「自信」の定義が「結果の保証」になってしまうからだ。そして、失敗を恐れた瞬間に、勇気が削がれてしまう。
僕は、「結果を作りだすために精進を止めないと自分を信じること」、つまり、「続ける勇気そのもの」が自信の本当の意味なのだと考えている。僕の尊敬する人の一人である住谷さんも、「あきらめなければ、負けない。負けるときはあきらめたとき。であれば、やり続ければいい」と語ってくれたことがある。
続ける勇気がなくなりそうになったとき、自分がよく見えなくなったとき、あるいは、不安で自分を信じきれなくなったときは、僕は周りにいる大事な友人の顔を見るようにしている。その友人の存在自体が奇跡みたいなものなので、感謝して、続けることができる。これが3つ目だ。
決して楽ではない長い道のりだからこそ、新しい仲間を得てた今、そして、少しずつではあるけれど成長のチャンスを貰えてきた事に本当に感謝している。
これまでを振り返ってみると、勇気を持って踏み出して、自信をもって続けてこれたのは、直接的にも間接的にも支えてきてくれた沢山の人達のお陰なのだと思う。
これが、2年半前に大きな不安の中で書いた記事だ。
そして、これが、その1年半後の去年に書いた記事だ。
こんな事を考えていた折、いつも、思いの沢山こもった素敵な本を、僕がまさに求めているタイミングでアメリカまでわざわざ送って下さる高畠さんより『Creative Confidence』の日本語版(『クリエイティブ・マインドセット』)が届いた。IDEOの共同創業者であるデビッドとトムが書いた、多くの人に勇気を与えてくれる素晴らしい著書だ。この書籍については、また別の機会に触れたいと思うけれど、トムとデイビッドはこのCreative Confidence(創造力に対する自信)を「自分には周囲の世界を変える力があるという信念であり、自分の創造力を信じる事こそイノベーションの核心」と述べていて、僕のこれまでの信念と重なるところがあり、深く共感した。ちなみに、この書籍に関連して伝説の逸話がある。日本語版の出版記念パーティの招待講演で、UIやUXについての経験を話した僕の友人の石山こうちゃんが、来日していたトムから「お前は日本のジェームズ・ボンドだな」と云われたとの事だ。世界中の男たちがこう評されるのを夢見ている最高の褒め言葉だ。
偉そうに語っていると感じた方がいたらごめんなさい。今回の記事は、基本的には僕自身のために書いています。僕は上記のように信じて、ずっと生きて来た(正しくは、生かされて来た)ので、気が合いそうであれば是非一緒に走りましょう!