【唯一の日本人】グローバルなカンファレンスで英語の登壇をしてみた話:前編【Voice Global 2020】

Aimi Nakajima
9 min readAug 4, 2020

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日本人唯一のスピーカーとなった経緯、どのくらいの英語レベルで無謀なチャレンジを受けたか…etc

突然舞い込んだ英語での登壇依頼

東京での緊急事態宣言解除が待ち遠しかった2020年5月末、突然アメリカ人の知り合いからこんなメッセージが届きました。

Hi Aimi. Are you speaking at VOICE Global? We have room in our Japan timezone — let me know. Thank you!

送り主は、Modev社FounderのPete氏。昨夏に参加したVOICE Summitの主催者の方で、イベントでお会いして以来繋がっています。

ん?room??
ちょっと考えてから、登壇枠って意味だと理解。

えぇぇ、ちょっと待って。VOICE Globalに登壇のお誘い!?
心臓がバクバクしてきました。

VOICE Globalとは

世界最大級のVoiceテクノロジー業界カンファレンス VOICE Summit (※)の派生で、今年6月に初めて開催された24hのオンライン配信イベント。
公式サイトによると世界各地から10,000人以上が参加したようです。

VOICE Global 2020

このメッセージをもらった5月末時点ではもちろん参加者登録はしていて、仕事の予定を空けて楽しみにしていました。
ちなみにこのイベントはコロナ前からオンラインでの開催と決まっていたので、数々のオフラインイベントが中止や急遽オンラインに切り替えたような影響はなかったようです。

(※VOICE Summit 2019のレポートは筆者の日経クロストレンドの連載に詳しく書いてるので、よかったらご覧ください。)

無謀な登壇依頼、受ける?受けない?

VUI(Voice User Interface)の仕事をするようになってから、主催やオファー、ビジネスもコミュニティ活動も含め「登壇」「講演」という機会を多数いただき、ある意味登壇慣れしている自分もいました。VUIに関しては話したいこと、話せることがいっぱいあるので、ネタもそんなに困らないです。

ええ、日本語なら。。

しかし今回は焦りました。色々とプレッシャーの種が。

  • オーディエンスが世界各地の人々
  • もちろん資料も喋りも英語
  • オファーから本番まで1週間くらい!?

昨夏VOICE Summit 2019に参加して、2年後くらいに登壇できるような人に(VUI/UXデザイナーとしても、英語のレベル的にも)なりたいなー。と緩く目標を立てていたのですが、思ったより早くその機会が舞い込んできたのです。

VOICE Summitで体験したような素晴らしいプレゼンが、自分にもできるのか。全く想像できませんでした。

5%くらい「これを受けるのは無謀だからやめたほうがいい」と思う自分と、登壇者ラインナップを見てもアジア人自体少ないし、日本人では私1人だけのようだったので「こんな機会ないから絶対やるべき」という直感を信じる自分と。95%の直感を信じて、やってみることに決意。

結果として、とてもいい経験ができたので記事にしてシェアしたいと思います。

この記事を読んでほしい人

  • 英語を上達させたいと思ってる社会人
  • 海外のカンファレンス登壇に興味がある人
  • Voice UI/UX業界の人

登壇が自分を成長させてくれる

みなさんはラーニングピラミッドという考え方をご存知でしょうか?
様々な学習方法を比較し、下に行くほどアクティブで学習定着率が高いというものです。私はこの図に100%共感して、なにかを学ぶときの指針にしています。

引用元:https://career-ed-lab.mynavi.jp/career-column/707/

たしかに、一方的に聴く・読む講義や読書は勉強した気にはさせてくれますが、学んだことをアウトプットしないとすぐ忘れてしまうとかいう経験、ありますよね。

他人に教えるという機会は最も難易度が高くパワーもかかりますが、自分の頭の中に雑多に置かれた情報や考えを体系的に整理できて、自分も相手も得をする手段です。この考え方のもと、Voice業界で登壇することで自分のスキルを向上させていくということを、まだ経験の浅い頃からやってきました。

どのくらいの英語レベルで臨んだか

で、あなたはどのくらい英語できるの?できないの?と気になる方もいると思います。

もともと典型的な学校や受験勉強で時間を費やしたのに全然話せない日本人だった私。
海外旅行が好きなので、旅行で不自由なく話せるくらいになりたいな〜と緩いことしか考えていなかった時代が長いのですが、3年半くらい前に心を入れ替えて本気の勉強を始め、昔を知ってる人からは驚かれるほど英語のコミュニケーション力は成長しました。

客観的かつ謙遜もせず現在の自分のレベルを表現してみると、結構話せるほうだけど、まだ上級者ではない といった具合です。

  • 留学・駐在経験なし
  • ある程度なら海外のクライアントと仕事はできる(できた)
  • 伝えたいことは自分の言葉で言えるが、ボキャブラリー不足により言い回しが1〜2パターン
  • ネイティブに囲まれると耳と口が追いつかない
  • 話すのが最も得意、書くのが最も苦手、要は口語しかできない

TOEICでは直近受けた1年数ヶ月前で865点、2年前に受けたアルクのスピーキングテストでレベル6。これを高いと見るか低いと見るかは人それぞれ。

個人的にはTOEICの点数が上がっても英語が使える能力は上がらない思っているので、テスト用の勉強はしてきませんでした。

ちなみにこのレベルだと映画を字幕なしで見るとかは到底厳しいです。ディズニー映画とか子ども向けならOKですが、それでも所々聞き取れないことがあるし、大人向けハリウッド映画とかドラマはある程度ストーリーを知ってないと全然楽しめません。

この記事が的を得ていて超納得なんですが、中級者の丘から上級者の谷に入り込めずにステイしているのがここ2年ほどの悩みです。

日本人の英語学習者がたどる道
https://cardim.org/blog/path-for-english-learner/

英語でのプレゼン経験

人前でプレゼンをするというのは何度かやってます。しかしどれも社内、内輪なので不特定多数に配信するのとはハードルが段違い。

  • 会社の英会話クラスや、短期で通った英会話学校でのプレゼン練習
  • 前職の社内研修の外国人向けロジカルシンキングで「わかりやすいプレゼン資料の作り方」を英語で教える
  • 前職の社内外研修の「VUI ワークショップ」でファシリテーター
    こちらのブログで詳しく見られます。
    英語で学ぼう!Voice User Interface
英語で学ぼう!Voice User Interface (Colorkrewブログ)

几帳面な日本人・アバウトなアメリカン

さて、そんなこんなで無謀なチャレンジをしてみることに。

世界各国のVoice業界著名人たちと並んでる自分がランディングページに公開されて、テンション上がってきた頃です。

VOICE Global 2020

登壇依頼を受けたものの、運営側とのやり取りが超ラフで、テーマも期日も提出方法も特に詳細な連絡がなし。問い合わせても、担当から連絡するよ、と言われてしばらく音沙汰なし。しかも準備してる最中に突然カンファレンスの日程が翌週に変更。登壇者向けの連絡はなく、オフィシャルのニュースレターで知るというw

彼らのやり方を見ると、なんでもきっちり段取りしてやる日本人との違いを痛感します。私たちは日々の仕事で丁寧すぎて不要なことを沢山やってるかもしれない。こんなもんで世の中回るんだ、と勇気づけられます。

長くなってきたので、プレゼンの内容や準備の話は次の記事で。
最終的なプレゼン動画は後編の最後で公開してます。

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