Salesforce.comがシステム管理者を重要視する理由

Akiko Bannai
5 min readDec 12, 2018

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本投稿は、Trailblazer Advent Calendar 2018 の第12日目の投稿です。また、当投稿は個人のものであり、所属団体を代表するものではありません

システム管理者と聞くと、多くの方は「利用ユーザの管理、システムメンテナンス」を思い浮かべるかもしれません。Salesforceにおいてのシステム管理者は「システムとビジネスをつなげ、業務改善、イノベーションを起こす方」を指します。ここではSalesforce.comがシステム管理者をなぜ重要視しているのかご紹介いたします。

Salesforce.com社では、Trailblazer Marketingというユニークな戦略を持っています。“Trailblazer”とは、先駆者を意味する単語で、同社において「Salesforceを活用して、企業や業界に革新をもたらす人々」を指します。

このTrailblazerとは、広い意味で企業全体や経営者も含まれますが、多くは現場メンバー、つまりSalesforceのシステム管理者、開発者、プロジェクト推進者、業務ユーザを指しています。

ここで特徴的なことは”現場のメンバーにフォーカスし、重要性を訴求する”ことですが、その中でもシステム管理者は元々のTrailblazerのコンセプトを作り出したとも言える、象徴的な存在と言えます。

なぜそもそもTrailblazerというコンセプトが生まれたか、私なりの考えをここに記します。

Salesforce.comは19年前、初めてのエンタープライズでのサブルクリプションモデルでCRMサービスを提供しました。それがSalesforceです。Salesforceは従来とは異なり、開発経験のない方でもマウス操作でシステムを構築できる画期的なサービスでした。

CRMのシステムはERPなど基幹システムとは違い、ビジネスに合わせてシステムを柔軟に、頻繁に修正、改善していく必要があります。なぜなら営業やマーケティング、サポート戦略が毎年同じという企業はほとんど存在しないからです。

つまり、CRMのシステムの効果を上げるには、ビジネス戦略とSalesforceの設計を密に連携させることが必要不可欠になります。

その中で生まれたのが、いわゆる「新しい開発ヒーロー」と言われているSalesforceのシステム管理者です。前述の通り、Salesforceはノンコーディングでスピーディーに開発できる範囲が広いので、従来の開発者とは属性の異なる方々、つまり業務ユーザでもシステムを構築できます。

このビジネスとCRMのシステムを素早くつなげ、Salesforceを改修していくシステム管理者こそが、Salesforceの活用だけでなく、ビジネスを改善していくために非常に重要となります。

しかし、システム管理者の方々は社内でも孤独な存在で、エンドユーザから新しいシステムやプロセスに反発されることも多々あります。この中で、Salesforceの価値を利用者に伝え続け、トレーニングを行い、テストしながらエンドユーザとコミュニケーションを継続的に行う、といった地道な活動をされています。

この活動はCRM定着化、活用において非常に重要なのですが、システム管理者がフォーカスされるという場は実際にはそれほど多くはありません。先に記した経営者、パートナー企業様、さらに開発者の方々と比べても、Salesforceと携わることで社内外含めてシステム管理者という役割を大々的に賞賛されるケースはほとんどありません。

そこで、Salesforce.comではこのシステム管理者の重要性を訴えるために”Trailblazer”というキーワードを掲げ、Salesforceを活用して困難を乗り越え、革新を遂げている方々をフォーカスする、いわゆるTrailblazer Marketingを開始しました。

このTrailblazer Marketingでは個人にフォーカスを当て、様々な媒体で紹介したり、アワードプログラムであるMVPとして賞賛していくことで現場メンバーの重要性を訴えています。

これによりSalesforceの活用をより進めていただくという背景もありますが、Trailblazerの方々の活躍はSalesforce経済圏(Salesforceによる新規雇用やGDPへのインパクト)を拡大する大きな要素となります。開発経験のない方、キャリアを伸ばしたい方がSalesforceのスキルをつけていただくことで、雇用を促し、個人の成功にもつなげていただくということにも繋がるからです。

Salesforce.comにおいてシステム管理者は、同社サービスの活用、継続を進めていただく上で非常に重要であるだけでなく、このSalesforce経済圏の拡大にも大きなインパクトをもたらす存在なのです。

最後に、現在Salesforceのシステム管理者の方、今後Salesforceのスキルを伸ばしたい方はぜひTrailblazerによるコミュニティイベントに参加してみてください。同じ悩みを持つ方、MVPの方々と交流でき、自社のビジネスだけでなくご自身の成功につながるお話が聞けるかもしれません。

Salesforce Trailblazerコミュニティサイト Trailblazers.jp

Welcome to Trailblazer Community!!

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Akiko Bannai

VP of CS @Treasure Data. ex-Salesforce Japan, Head of Customer Marketing & Enablement, Customer Success Group. All contents/opinions are my own.