Akio Yoshihashi
Mar 6, 2018 · 8 min read

デザイナー向けビジネスモデルの入門書

今回のブックリストはビジネスモデルの入門書です。ビジネスモデルに関する本はたくさんありますが、そもそもビジネスモデルってなに?というひとが読んでもわかるものから中級編くらいまでの本を選びました。
私自身、大学院で経営学を学ぶ以前には「ビジネスモデル」が何なのかあまりよくわかっておらず、単に価格を決めたり儲ける話だと誤解していたこともあります(苦笑)。そして、自社だけが儲かって栄えれば良いということではなく、様々なステークホルダーを含めたエコシステムを考えることだということが理解できたのは、ビジネスモデルデザインのワークショップを受けてからです。

当然ですが、ビジネスモデルを知ればそれでビジネスができるわけではありませんし、ビジネスモデルだけでその事業の全てを理解できるわけでもありません。新しいビジネスモデルによる事業やサービスを生み出すためには、理解するのとはまた別の能力と実行力が必要です。自社やクライアントのビジネス、世の中で話題の新しいサービスなどを理解するための「ひとつの枠組み」「ものの見方(視点)」として扱うのがよいかと思います。

ブックリスト後半には、ビジネスモデルと関連の深いプラットフォームや経営戦略の本、そもそもとして経営学の入門書も並べてありますので、興味のある方は手に取ってみてください。ちなみに、私は経営の経験はありませんし事業を起こしたこともありません。事業計画や企業会計など具体的な数字を伴うものは(本を読むだけでも)苦手です。以下のブックリストは、そういう人が作ったリストだということをご理解いただいて、温かい目でご覧いただければと思います。

▼ビジネスモデル

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書(Kindle版)
http://amzn.to/2tjZZPu
1冊目にはこの本を紹介せざるを得ません。有名な「ビジネスモデルキャンバス(BMC)」を解説しています。とても良い本ですが、いざBMCを描こうとすると、本を読んだだけでは初学者にはちょっと難しいかもしれません。

マジビジプロ 図解 カール教授と学ぶ 成功企業 31 社のビジネスモデル超入門!(Kindle版)
http://amzn.to/2taFkNu
2012年の本ですので最新の事例は入っていませんが、アップル、アマゾン、スターバックスなど有名な会社のビジネスモデルがわかります。

事例とケースでわかる ビジネスモデルの基本
http://amzn.to/2FV26Mg
様々な事例を挙げながら、儲ける仕組みを理解していく構成です。

カール教授のビジネス集中講義(2) ビジネスモデル(Kindle版)
http://amzn.to/2CXGITB
ビジネスモデルを考えるための発想法、構築7ステップ、ビジネスプラン・事業計画などを解説しています。

ビジネスモデル・ナビゲーター(Kindle版)
http://amzn.to/2FSroe2
ビジネスモデルを55のパターンに整理しています。アドオン、アフェリエイト、ライセンシング、フリーミアムなど、よく知られたビジネスモデルをひな形として特徴を理解し、組み合わせることでイノベーションにつなげる手法を解説しています。

ビジネスモデル・ナビゲーター 55パターンカード
http://amzn.to/2I8KHjE
55のビジネスモデルをパターンとして、55枚のカードにまとめたものです。ワークショップで使うとかなり便利なのですが、個人で買うには躊躇する価格かもしれません(16,200円)。(書籍とのセット販売もあります)

ビジネスモデルの教科書―経営戦略を見る目と考える力を養う(Kindle版)
http://amzn.to/2FRUiuJ
ビジネスモデルを31のパターンに分け、具体的な企業名を挙げながら特徴や類似のモデル、戦略などを解説しています。

ビジネスモデルの教科書【上級編】―競争優位の仕組みを見抜く&構築する(Kindle版)
http://amzn.to/2I3nteR
上記の本の[上級編]です。

ビジネスモデル全史(Kindle版)
http://amzn.to/2FSPV2r
ビジネス書アワード等で話題になったのでご存知の方も多いと思います。14世紀イタリア・メディチ家から2010年代のスタートアップまで。約70余りのビジネスモデルを一気に。

▼プラットフォーム
いろいろありますので、はじめはわかりやすそうなもの、相性のよさそうなものをどうぞ。

ザ・プラットフォーム IT企業はなぜ世界を変えるのか? (NHK出版新書)
http://amzn.to/2FPeqgV
こちらも話題になった本です。新書なので初めてでも読みやすいと思います。

プラットフォーム戦略―21世紀の競争を支配する「場をつくる」技術(Kindle版)
http://amzn.to/2tgDhYf
アマゾン、アップル、グーグルなど、「場」を制するための「プラットフォーム戦略」について知ることができます。

プラットフォームの教科書 超速成長ネットワーク効果の基本と応用(Kindle版)
http://amzn.to/2FShoRU
急速に成長する、ひとり勝ち、ひとり勝ちが突然覆るというプラットフォームの特徴を踏まえて、広がりと戦略を考えていきます。

プラットフォーム革命―経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか(Kindle版)
http://amzn.to/2Fje18P
2018年2月刊。デジタルエコノミーの未来。入門書ではありませんが興味ある方はぜひ。

▼経営戦略
難しい専門書は山ほどありますが、全史をざっと俯瞰で見てみるのはどうでしょう。マンガ版もあります。

経営戦略全史 50 Giants of Strategy(Kindle版)
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約100年間の90余りの戦略コンセプトを一気に。

マンガ経営戦略全史 確立篇(Kindle版)
http://amzn.to/2H5n0b0
マンガ版は確立編と革新編の2冊です。

マンガ経営戦略全史 革新篇(Kindle版)
http://amzn.to/2FTyAqk
マンガ版、こちらは革新編。

▼経営学入門
最後は経営学のかんたんな入門書を2冊紹介します。

大学4年間の経営学見るだけノート
http://amzn.to/2oE7RGL
経営学全般をざっと眺めるのによい本です。企業、経営戦略、マーケティング、ビジネスモデル、生産管理、組織、金融・ファイナンスなど。イラストが多いので読みやすいかと思います。

1からの経営 第2版
http://amzn.to/2I0ADJA
大学の教科書を想定して書かれています。14の章で経営学の領域を概観していきます。

経営に関する本やビジネス書は膨大な数があって、初めて学ぶデザイナーにとっては、いったい何から手にして良いかわからないことも多いと思いますが、相性の良い入門書を1冊読んで用語や概念が理解できると、2冊目からは読みやすくなるかと思います。
もちろん、本を読むだけがビジネスモデルを学ぶ方法ではありませんので、ビジネスの現場で肌感覚で知る、経営の師匠に弟子入りする、「図解」して理解するなど、学ぶ方法もひとそれぞれですね。

Akio Yoshihashi

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吉橋昭夫:多摩美術大学情報デザインコース 准教授。サービスデザインの教育・研究に取り組んでいる。経営学とデザインの接続に興味あり。千葉大学工業意匠学科卒,芸術学修士(多摩美術大学),経営情報学修士(多摩大学)。 https://www.facebook.com/tamabi.yoshihashi.Lab/