“取締役の心得”を読んで

以下の本。著者は 柳楽 仁史 さん

https://www.amazon.co.jp/dp/4862804144

本を読んだきっかけ

知り合いがこれを読んでて、取締役じゃなくて管理職レイヤーでも、ためになることが書いてあると言う話を聞いたので読んでみた。

ざっくりと感想

取締役として会社を引っ張っていく上で必要なメンバーを率いていくリーダーシップ会社法的に求められていることなどが書いてあった。
印象としては、それぞれについて深く書いてあるというよりは、必要な要素をかいつまんで、並べてある感じ。
法律的なところは知らなかったりしたから、「なるほど。」と思う部分はあったが、リーダーシップなどはまあ、そうだよねという感じの確認といった感じだったが、文章として言語化してあるのは良かった。

気になったところのまとめ

取締役と会社との関係は委任関係

これはよく知った話。その上で、会社法では取締役には 善管注意義務取締役としての忠実義務 がある。

「やらされ感」なく内発的動機を持てるような目標設定をする

目的を提示し、目標に落し込む。

①何をやりたいのか → ②どれくらいの規模でやりたいのか → ③目先ではどんなテーマに取り組むのか → ④どれくらいの数字を目指すのか

のように 長期的なもの→短期的なもの に落とし込んでいく。できれば③、④はメンバーから出てくるようにすると内発的になってよいのだろうと思う。

目標に落とし込めたら、戦略計画評価を明示していく。また、戦略、計画を立てたら、目標達成に向けて、何を努力すべきか、を定め、その達成具合に応じて人事評価をしていく。

仕事のモチベーションは「達成」と「承認」が大きな要素

メンバーが会社の中で、モチベーションを上げる要因は、
1. 達成
2. 承認
3. 仕事そのもの 
4. 責任
5. 昇進
6. 自己成長
と続くと、述べられている。
達成したことを、しっかりと褒める。そしての仕事は、責任のあるもので、自己成長にもつながる。という仕事が、各人がモチベーションを保って高い成果を出せるものなのだろうと感じた。
その仕事は、目標設定が重要で、「頑張ればなんとかなりそうだ」と思えるくらいの目標がちょうどよい。

組織の変革には組織の抵抗がつきまとう

おごり、うぬぼれ、甘え、マンネリは企業破綻の4つの芽である

なのだが、人には安住心理があるため、変化を積極的には望みたがらない。不安・恐怖・必要性の理解不足 などが主たる原因である。

変革は、様子を見ながら適切にギアチェンジしていく必要がある。社長の求めるスピード感で一気にやると組織が壊れる可能性がある。変革を実行するのはあくまでも人である。組織の様子を見ながら、適切にギアチェンジのスピードをコントロールするのは取締役の役割である。

このあたりは、管理職であればどのレイヤーにも通ずるものであるだろう。

善管注意義務を果たす

善管注意義務は4つの要素がある。意思決定者 / 執行者 / 監査役 / 監督係 である。

意思決定者 = 適正なビジネスジャッジメントルールに従って判断する
ビジネスジャッジメントルールとは、事実調査検討・審議の徹底一般に説明できる合理的、に基づいて判断していくという、経営判断の原則のこと。
適切に判断するために、幾つかの思考のフレームワークは利用して考えの助けにすべきである。
* ロジックツリー
* 3C
* PEST(political/economic/social/technological)
* 5Forces
などを有効に活用する。

取締役は訴訟リスクを背負っている

善管注意義務忠実義務 を怠ったら株主代表訴訟。現行の会社法では一律手数料1万3000円で訴訟可能。

リスクから身を守るために
1. 定款に、責任軽減規定責任限定契約の条項を盛り込む
2. 専門の保険 (D&O保険)に加入する
等、いくつか方法がある。

名目上だけの取締役でも、法的責任は変わらず、訴訟リスクを背負っているので、必要が無いなら抜けたほうがいい。訴訟怖い。

ピーターの法則に気をつける

教育学者のローレンス・J・ピーター。

能力主義の階層社会において、いずれの社員も能力の限界まで出世する。
その結果、かつてはやる気があった社員も、「もう十分だ」と上昇志向がなくなり、無能な管理職となっていく。その結果、各階層が無能な社員で埋め尽くされる。

組織の仕事は、まだ出世の余地のある「上昇志向のある社員」によって遂行されるという理論。

そういう人は新しいことにチャレンジしなくなる、組織の足を引っ張る。以下の様なことを行ってないか自己を定期的に振り返る。
* 管理だけしたがっていないか
* 伝書鳩のように伝えるだけになっていないか
* 部下の手柄を横取りしていないか
* 政治調整だけをしていないか
* ただの形だけ決済だけする人になっていないか

業績が良いときこそ地盤を整えるように動くべき

いい状態を経験した会社は往々にしてその時の成功体験や意識を引きずり伸び悩むことが多い。成長している過程の成功が起こったとしても、それは必ずしも事業基盤が整った上での成功とはいえない。
不安定な地盤の上にビルだけ拡大していっているようなもの。
成功のした時の 幹部の意識バブル が現場に伝搬し、今の仕事だけやっていれば良い、という空気を引き起こす。

事業の拡大に合わせて、それを持続可能にしていく組織の基盤も整えていくべきである。
ex. 人事制度の整備、社内制度の整備、システムの見直し、等

バランス・スコアカード を用いて、「どれだけ儲かったか?」だけではない、プロセスや人の成長などの成果を測っていくことが大切。

トップに対して提案をするときは空気を読む

ここは空気を読むというか、相手の関心事を知り、理解と配慮を示して、からがスタート。自由に意見が言えるということは大切だが、思いやりがない、を履き違えてはいけない。

歴史書や「論語」などを読むべし

人間の普遍の真理に触れられている。事象の根底にある原理原則を知るためにも得ておくべきこと。

人脈は量ではなく鮮度

自分に関わりそうな人、自分にない情報を持っている人など、重要そうな人には連絡を欠かさないでおく。

最後に

本自体も読みやすいボリュームではあった。もうちょっと論語とかも読もうかなと思った。

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