魚篇

わたしは夢を見ています。寝ても覚めても冷めぬ夢。夢に踊り、夢に疲れ、また寝ては夢に魘される。世迷言を呻きながら寝ていたのか、気は確かかと訊ねられ、やっと目覚められるかと思えばまだ夢の中。

夢はわかっていても抜け出せないもの。現実ではないのにそれとは認められないもの。明確な脱出方法がわからないもの。覚めざらましを、と願えたならどんなにいいことか。

怖い夢を見たときに母の布団に潜り込む。楽しいことを考えなさいと諭されて魚が泳ぐ姿を浮かべた。

幼い頃のやり方を今に試してみたが運の尽き。大人には大人のやり方があるだろうに、と。また子供に戻るわたしに檄を飛ばす。


つい桜吹雪の鰯の美しさを思い出して、しまった。と思う。

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