すもも
5 min readAug 20, 2016

「有効求人倍率」のウソ

愚痴です。ハイ。

有効求人倍率、5月1.36倍に上昇 24年7カ月ぶり高水準 :日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL30HK3_Q6A630C1000000/

こういう記事書かれると困るんですよねー。
転職市場についてよく知らん人、平たく言うとバブル期入社で転職活動したことない部長クラスの人に
「この倍率ならすぐ決まるじゃん?なんで長引いてよっぽどのクズなの?」
と思われてしまう訳です。

「バブル期なみの売り手市場!」とか言われてますが
「は?どこの国の話だよ?」というのが実感です。
実は有効求人倍率にはカラクリがあるのです。

そもそも有効求人倍率とはなんでしょうか?ggって出てきた結果がこちら。

SMBC日興証券
http://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/yu/J0617.html

有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標のひとつです。景気とほぼ一致して動くので、景気動向指数の一致指数となっています。
厚生労働省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出し、「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」で毎月発表しています。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示します。

企業の求人数 ÷ 求職者数= 有効求人倍率(※ただしハロワに限る)

です。わかりやすいですね。

ちなみにこれ、あくまで統計対象ハロワなので

・ハロワに登録せずに職や人を探している個人や企業は有効求人倍率に入ってません。

例えば
「ハロワを経由せず民間求人会社のみで募集している求人」や
「ハロワに登録せず転職活動をしている人」は
入ってません。

問題点その1

ハロワを使わない傾向が強い中、ハロワのみの統計は実態を反映しているとは言い難い。

例外はありますが

民間求人には上層
ハロワには下層

がそれぞれ集まりやすい傾向にあります。
求人募集掲載に民間はお金がかかりますがハロワは無料です。
必然的に求人に金をかけたくない、かけられない企業がハロワに集まってくる訳です。
ハロワで仕事を探すのは人生の無駄遣いです。
ハロワでの活動は失業給付の受給要件を満たす為と割り切って実績を作りましょう。

これは数年前転職活動をした時の話ですが一言でいうと、

ハロワは地雷原です。

一面地雷が埋設された野原でマシっぽいところに足をおろし、そして爆死する。
そんな感じです。

具体的には

・ 求人票の記載と実際の雇用条件が異なる
求人票では正社員採用だったのに面接に行ったらアルバイト採用でした。
半年の試用期間後正社員採用になるのかと確認したら「そのうちに」。
そのうちっていつだよふざけんなで辞退。面接の交通費返せ。

この問題は厚労省も把握しており、罰則を検討しているようです。

虚偽の職安求人に罰則 厚労省検討会報告書 ブラック企業対策、懲役刑も — 産経ニュース
http://www.sankei.com/life/news/160604/lif1606040015-n1.html

・反社会的求人の掲載
保険金詐欺の弾募集、”出し子”募集、オレオレ詐欺の手駒募集が平然と載ってます。
流石にそのまんま書いてはいませんが読めばわかります。
最近は暴走族が減ってヤクザも若手のリクルートに苦労しているという都市伝説を聞いたことありますが、その影響なんでしょうか。
詐欺事件の親玉捕まえるなら聞き込みするよりハロワで検索した方が早いですよ多分。
ハロワで紹介して警察が捕まえる一種のマッチポンプですね。

こんなのがゴロゴロしてます。他にも、
回転寿司求人(雇用条件が悪すぎて誰も手をださないまま回り続ける求人。)
空求人
(企業が役所との付き合いで出している求人。実際には採らない。)
スーパーマン求人
(空求人の亜種。一目で採る気が無いとわかる求人。)
等で求人数が大幅に水増しされている状態です。

求人数を増やして求職者数を減らせば見かけ上の有効求人倍率は改善するため野放しです。

逆に求職者数は水際作戦が行われています。
失業保険受給の手続きに行った際、職員の方から
・出産ですか?
・結婚ですか?
・家の手伝いをしていますか?
以上三点の確認を受けました。
どれか一つでも「はい」と答えてしまったら給付を受けられないのは容易に想像がつきます。男性失業者も結婚確認されるんでしょうか?

というわけで

問題点その2

算出の基となるデータが操作されたものであり、統計結果が実態とかけ離れている。

このように算出された有効求人倍率を根拠に

「売り手市場なのになかなか仕事が決まらないクズ」

扱いされるという理不尽極まりない状況を改善するためハロワ(厚労省)に対し次の三点を求めたいです。

・掲載開始から半年経過して充足しなければ次の半年間掲載不可

・虚偽記載クレームが3回を超過したらその時点で掲載を中止しその後半年間掲載不可

・掲載料の設定

これをやるだけでも虚偽記載や空求人は減って実態に近づくのではないでしょうか。
他にもマッチングの問題はあるのですが長くなったので気が向いたらまた今度書きます。

すもも

旅行好き。特に温泉大好き。自転車/電車/バイクの話題多め。フォローリムーブご自由に。