AWAKENS, Inc. 創業のご報告(と創業期メンバー募集のお知らせ)

(2017/8/22 記事内容の一部を更新しました)

はじめまして、AWAKENS, Inc. コファウンダーの高野です。2017年1月に米国シリコンバレーにてAWAKENS, Inc.(以下、AWAKENS)を創業いたしました。私たちは生命のデジタルデータである「ゲノム(ヒト遺伝情報)」を活用したサービス開発を行うスタートアップです。今回は、AWAKENS, Inc.について簡単にご紹介をさせていただけますと幸いです。

AWAKENSの目指す世界

Photo by Markus Spiske licensed under Creative Commons Zero

Digitalize a Life, and Connect to the Better Life.

私たちはゲノムの持つ可能性を最大限に活用し、人々の生き方(Life)をより豊かなものにしていきたいと考えています。ゲノムとは生命の設計図データです。この設計図を読み解く技術をゲノム解析(シーケンス)技術と呼びます。ゲノム解析によって、そのヒトの体質や病気のなりやすさ、自分にあった運動方法や食事&栄養、病気予防や治療方法などが分かると期待されています。また医療やヘルスケア分野での応用の他、性格や能力なども遺伝的な要因が多く関与していると言われます。

“Cost per Genome” National Human Genome Research Institute

ゲノム解析は90年代のインターネットに例えられる技術です。私達の他にも、多くの企業やスタートアップがゲノム分野に注目している背景にあるのは全ゲノム解析コストの劇的な低下です。15年前まで、ヒト1人の全ゲノム解析には3,000億円の費用がかかっていました。それが現在10万円に、数年後には1万円を切ると言われています。また、これまでは唾液を送って専用の機械を設置した研究所で解析するというのが一般的でしたが、今後はスマートフォンサイズまで小型化が進み、どこでも簡単にデータ採取ができるようになります。誰もが自身のゲノムデータにアクセスできるようになる世界が、もう目の前に来ています。

Photo by Luca Baggio licensed under Creative Commons Zero

私たちは、ゲノムには宇宙のようなワクワク感があり、また人々の生活に大きな影響を与える可能性があると信じています。現在、「遺伝子検査」と呼ばれるサービスが日本でも広がりつつありますが、これらは今後起きる大転換の序章に過ぎません。インターネットに例えるなら、メールが送受信できるようになった時期です。今後は、より多くのことが分かり、またユーザーがより簡単にゲノム情報にアクセスできるようになっていきます。そんな時に求められるものは、徹底的にユーザー目線でデザインされ、深い倫理的な思想を持つサービスです。従来、医療や研究に携わった人たちだけでなく、より広範な分野でサービス開発に携わる人達にとっても新たな地平が広がろうとしています。


現在開発中のプロダクト&サービス

現在AWAKENSでは、1. ユーザーが自分自身のゲノムデータを自分の手で探索できるビジュアライゼーションツール&データベース「GENOMIC EXPLORER™」と、2. 誰もが信頼性の高いゲノム統合型サービスを開発できるクラウドソフトウェア「GENOME LINK™」を開発しています。

前述の通り、数年以内には、誰もが自身のゲノムデータを持ち、身の回りのサービスの個別化に活用するという時代がやってきます。その時、ユーザーが信頼できる情報とサービスにアクセスできる、かつ、サービス開発事業者が適切なプロセスで信頼性の高いサービス実装ができるためのツールを用意したいと考えています。既存の遺伝子検査サービスの枠に留まらない、グローバルに通用する新規サービスを展開していきたいと考えています。

現在、第一弾のプロダクトであるGENOMIC EXPLORER™を米国にて先行リリース中です。まず私たちは遺伝子検査が持つ「ブラックボックス感」を打破していきたいと考えています。多くの一般ユーザーにとって、世の中にある遺伝子検査でどのようなデータをどんなロジックで解析しているのかは見えづらくなっています。例えば、現状では複数の遺伝子検査サービスを受けると結果が異なってしまうという課題等が指摘されています。「ゲノムから分かること」を見える化し、ユーザーがゲノムを適切に理解し選択肢を増やしていくためのツールがGENOMIC EXPLORER™です。これはゲノム版のGoogle Mapのように一般のユーザーがいつでも参照できる、無料のオンライン教育ツールとして公開予定です。主にゲノムデータのビジュアライゼーションをするマップ機能と、ゲノムから分かることを網羅的に報告するレポート機能を用意しています。


また、AWAKENSが持つ強みをフル活用した、遺伝子検査 / ゲノム統合型サービス開発のためのクラウドソフトウェア「GENOME LINK™」も近日リリース予定です。フィットネスや栄養等、誰でも簡単のゲノム統合型サービスが実装できるゲノム版のTwilio/Stripeのようなサービスです。すでに複数の企業で導入/連携に向けた協議が進んでいます。

こうした誰もがゲノムデータを持ち、様々なサービスに接続していく世界観を共有し、またムーブメントとして広げていくために、AWAKENSではG-Supernovaというハッカソン/アイデアソンイベントを開催しています。次回は9月にサンフランシスコで開催予定です。


AWAKENSチームのご紹介

左から工藤、松田、高野、沼倉(Tシャツは初代ロゴ)

AWAKENSはゲノムやバイオインフォマティクス(生物情報学)の持つワクワク感に魅了され、これまでゲノム関連の事業や研究に携わったメンバー4名で立ち上げた会社です。私自身(高野)は元々、エムスリーという医療ベンチャーのゲノム事業G-TACに参画していました。その前はインドの農村でどうやったらビジネスを作り、コミュニティ開発に貢献できるかという研究をしたり、Impact HUB Tokyoと呼ばれる社会的なミッションを持った事業を志す起業家が集まるコミュニティ型コワーキングスペースの立上げ等に携わっていました。まだ誰も見たことのない世界、そこに生まれるサービスやビジネス作りに挑戦することにパッションを持っていたのだと思います。そんな中で出会ったのがゲノムでした。ワクワク感に加えて、私自身の祖父がALS(筋萎縮性側索硬化症)だったこと、母が介護福祉士であったこともあり、医療や介護への応用が可能なゲノムを新たな挑戦の舞台として選びました。

もう一人のコファウンダーが松田です。松田は学生時代から遺伝関連の研究に打ち込み、その後DeNAにてMyCodeという遺伝子検査サービスのゼロからの立上げに携わっていました。サイエンスマネージャーとしてPh.D.の研究者チームをまとめ、検査サービスの裏側のロジックを構築していました。元々松田の奥さんが私のクラスメートで、私がゲノムの事業に携わる際に紹介をしてもらっていました。松田はゲノムの持つ可能性を誰よりも信じ、目を輝かせて話します。AWAKENSの起源となるアイデアが生まれた時「ゲノムで新しいことをやるならこいつしかいない!」と最初に相談したのが松田でした。私たちは意気投合し、週末プロジェクトとしてAWAKENSの前身である「Project AWAKENS」を開始しました。

その後、3人目のコファウンダーとして沼倉が参加します。沼倉は日本最大級のゲノムコホート研究が行われている東北大学でバイオインフォマティシャン(ゲノム等の生物情報を扱うプログラマー)として活躍し、その後エムスリーグループのP5, Inc.に参加しました。沼倉のすごいところは、バイオインフォマティクスにおける知見とマニアックさです。東北大学大学院時代には、23andMe(米国で著名な遺伝子検査サービス)のオリジナル版を自らの手で作り上げ、研究発表していたそうです。今ではAWAKENSのTech Leadとして、バイオインフォマティクス領域の知見とソフトウェア開発の知見を組み合わせた、オリジナルのゲノムソフトウェアの開発を率いています。

もう一人の創業メンバーが工藤です。工藤は現在スタンフォード大学のChemical and System Biology Labに所属する博士課程の研究者です。松田の奥さんと同じく、高野の大学のクラスメートかつスタンフォード大学にいるということで巻き込まれたのが始まりでした。今ではAWAKENSのバイオインフォマティクス分野での戦略策定に参加する大事なメンバーになっています。

この4人が今のAWAKENSです。皆それぞれがゲノム領域に事業や研究の側面から携わってきたこと、そして何よりゲノムや生命情報が持つ可能性にワクワクしていることがチームの特徴だと思います。それぞれがゲノム事業に携わる中で見えてきた具体的な課題、それらを解決していくことで、この分野がより一層成長し、人々の生活を変えていくものなっていく、そこに挑戦&貢献していきたいと考えています。


シリコンバレーでの半年間

さて、そんなAWAKENSですが、2017年7月より米国サンフランシスコのMission Bayにあるインキュベーションオフィスに入居予定です。(詳細は事情ありまだ非公開です)住所はUber本社予定地の隣の建物、Mark & Chan ZuckerbergのBio Hubと同じ階にあります。いわゆるシリコンバレーと呼ばれるエリアですが、中心からは少し北に離れ、サンフランシスコの市街地から近い立地です。このエリアでは今後バイオテック企業を中心とした生態系を作っていく地域として開発計画が組まれているそうです。

ザ・サンフランシスコな感じの風景ですが、オフィスも市街地からすぐのエリアにあります
インキュベーションオフィスの外観、Chan Zuckerberg Biohubの隣です
オフィスのスペースの風景、隣にラボが併設してあり、バイオテック系のスタートアップが入居します
建物の中のカフェテラスではサンフランシスコの海を横目にバーベキューができる(らしいです)
インキュベーションオフィスのメンバーと野外でビールを飲んだり

ゲノム分野において米国は一歩先、いや十歩程先を行く市場です。日本とは比べ物にならない金額の投資がスタートアップに流れ、産学連携で大きなうねりを生み出しています。一方で、日本同様、まだ何がゲノム分野のGoogleやFacebookになるのか明確な答えが出ていない、未成熟の市場でもあります。私たちは米国を拠点とし、日米に限らない、様々な国と地域で活用してもらえるグローバルなプロダクトを開発していきたいと考えています。


10年後のゲノム社会で誰もが使っているプロダクトをつくる、創業期メンバーを募集しています!

そんな現在サービス開発真っ只中のAWAKENSですが、現在創業期メンバーを募集しております。初期のプロトタイピングフェーズから、サービスのグロースと継続的な改善、さらに新しい企画の仕込み等、ここから一気にスピードを上げていく予定です。

ゲノムと聞くと研究者やお医者さんが扱う領域と思われる方も多いかもしれませんが、私たちはゲノムこそ、これまでゲノムに携わってこなかった人たちが参加し、市場構造を変革し、よりユーザーにとって価値あるものを追求していくべき領域であると考えています。例えば、米国のゲノムスタートアップ等には医療のバックグラウンドを持つメンバーとTwitterのようなITベンチャーのエンジニア達が出会い立ち上げた会社が多くあります。彼らはゲノム領域における知見と、インターネット技術を組み合わせ、市場をどんどん変革しています。

AWAKENSはゲノムの専門家集団であり、かつゲノムを活用したより価値あるサービス開発のスペシャリストチームになりたいと考えています。そのためには今の自分達の力だけでは足りません。新しい仲間を迎え、10年後のゲノム社会で誰もが使っているプロダクトをつくっていきたいと考えています。現在募集中の職種は以下です;

募集中の職種(2017年8月現在)

・事業開発 / プロジェクトマネジャー 
・フロントエンジニア
・UI/UXデザイナー
・バイオインフォマティシャン
・インターン(社会人も可)

現在はメインの拠点をサンフランシスコに移していますが、リモートでの参加も可能です。どういった形での働き方がよいかは個別に相談をさせていただきます。


日本からグローバルに挑戦するゲノムスタートアップ

ここまでチームAWAKENSの内情を赤裸々に公開させていただきました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。ゲノムの持つ魅力と可能性が少しでも伝わりましたら嬉しいです。

ゲノムは世界でもまだ答えがない領域、だからこそ、日本から世界に通用するサービスを今からでも生み出すチャンスがあると考えています。日本からグローバルに挑戦したい、インターネットに注ぐ未知の技術を活用して人々の生活を変えていきたい、そんな私達の船出に参加してくださる方がいらっしゃいましたら、ウェブサイトよりお問い合わせください。

今後とも、AWAKENSを何卒よろしくお願いいたします。

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