Special Thanks to Korean

『BCD TOFU HOUSE』の無料前菜たち

エンパイアステートビルの裏手にあるコリアンタウンに、今流行りのお豆腐専門店『BCD TOFU HOUSE』がある。韓国式の無料の小皿料理と熱々のスンドゥプチゲ(豆腐チゲスープ)を頬張りながら、ふと思った。アメリカに移り住んで1年半、韓国人移民に私の胃袋はどれだけお世話になったかなぁ、と。

特に去年のシカゴで、買い物難民になりかけた私を救ってくれたのは韓国系スーパーマーケットだった。家から歩いていける距離に、アメリカ系のスーパーマーケットは三つもあった。でも、安かろう悪かろうだったり、オーガニックって札がついただけで不当に高かったり(一度なんて、どうしてもお好み焼きが食べたくってキャベツ一玉に6ドル払ったこともある!)、とにかく新鮮な食材を空気のように当たり前に思っていた私にとって、人生で初めて夕食の買い物に出るのが苦痛になった。海外生活も一年を過ぎたところで、お出汁の味も恋しくなっていた。

そんな中教えてもらった韓国系のスーパーマーケット。アメリカに来てから、食欲というものがどこかに行ってしまった私の胃袋を正常に戻してくれたのは、このスーパーマーケットだったと思う。心が小躍りするほどのラインナップ。アジア野菜(シソだってもやしだってある!)に鮮魚(シャケはもちろん秋刀魚だって鯛だって)、練り物(おでんの具材)、乾物(出汁昆布だって削り節だって)、豚肉を中心とした精肉(アメリカのスーパーでは売っていない、薄切り肉や切り落としだってある!)、もちろん調味料(とくに味噌、醤油などの発酵食品!!)だってしっかり揃っている。

この日から月に2回、このスーパーマーケットに買い出しに行くようになり、好きな時に和食や韓国料理が作れるようになった。この安心感が、逆に他の国の料理も作ってみたいという好奇心をまた復活させてくれた。食文化の近い韓国、日本の食材も置いてある韓国のスーパーマーケットに「ありがとう」。実は、最初は日本食材目当てで通っていたのに、ハングルで書かれた馴染みのありそうな、でもちょっと遠い食材に囲まれるうち、最後の方は週に半分以上、韓国料理作っていることもあるほど、コリアンにがっちり胃袋を掴まれた私。冷蔵庫の中にはコチュジャンと味噌が同じくらいえらい顔してご鎮座してる。

モダン韓国ビビンバ

そして今、ニューヨークに来てから、特に外食のコリアンが熱い。韓国人街に行くと、ところ狭しと並ぶ数々のレストラン。昔ながらのコリアンバーベキュー。おしゃれなモダンコリアン。ビールの最高のお供、コリアンフライドチキン。日本のパン屋さんを彷彿とさせるベーカリー&ケーキ屋さん。コリアンママンの味、お財布に優しい定食屋さんまで。とくに最後の定食屋さんには心底感謝。日本にいるときは、疲れた日は簡単な外食とか出来合いのもので済ますっていうことが気軽にできた。うどんに、カレー、お刺身だって、ちょっとしたお弁当だってあった。でも、ここではそれがハンバーガーであり、メキシカンのブリトーであり、冷凍ピザだったりする。歳のせいもあってか、疲れているとき食べたいものじゃないんだ。だから、韓国の定食屋さんはすごくありがたい存在。野菜炒めと海鮮のお出汁の効いた豆腐スープとミニキムチで胃も心も温まる。

だから、special thanks to Korean。

コリアンタウンにある定食屋さん
One clap, two clap, three clap, forty?

By clapping more or less, you can signal to us which stories really stand out.