TDW 2015 “インターネット上でブランドがお友達をつくる”ということ

TOKYO DESIGNERS WEEK 2015、初日に参加してきました。昨年に引き続き2回目。

今年は展示をほとんど回る暇がなかったのだけれど、たとえば昨年は、オキュラスリフトを使った倖田來未のVRミュージックビデオや、TWOTONEさんの”Fragment of now”はすごくエキサイティングだったので、今年の展示もゆっくり見てまわりたかった。もう一度行こうかな。

と!思ったら、イノマタアキさんのちょっと神秘的なプロジェクトの展示もあるようです。これは一度見てみたかったので、やっぱりまた行かないと…!

今回は「ソクラテスカフェ」で株式会社コルクの佐渡島さんとWEB編集者塩谷さんのお話を聞いてきました。長年、紙媒体でコミックの編集をされていた佐渡島さんとWEB編集者の塩谷さんによるおふたりの編集論…ではなく、ゆるくデジタル上の人格づくりについて話すといった感じでした。

広告畑の私は、佐渡島さんや塩谷さんにとっての「作品」「ネット上人格」をどう自分の担当ブランドに落とし込むか、考えながら聞いていました。

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❌ブランドづくり

○お友達づくり

のっけから、「ブランドづくり」ではなく「お友達づくり」が重要だと話す塩谷さん。

うすうすわかってはいる…!でもたとえば会議で、ある日私が「デジタルではお友達づくりだと思ってコミュニケーションすることが大事だと思います!」と言ったところで、長年ブランド論を元にコミュニケーションを作っている先輩方はきっと「この子お花畑だな…」と思うだろうな…と想像してしまいます。。

どう、説得するか。

たぶん、説得するための資料づくりより、具体的にどういうアウトプットになるかを作って持って行った方がよい。

どんなものにしようか考えながら聞いていると、塩谷さん、佐渡島さんそれぞれ、とても参考になる例を紹介してくださいました。

1:佐渡島さんが「楽天No.1のお店に学んだこと」

商品のルーツ、提供までの苦労をメルマガで共有し、お客さんとインタラクションすることでブームを生む。

同じお店が載っているかはわかりませんが、楽天市場のトップ店舗のみなさんは、みんな人情味あふれるコミュニケーションをしていることが、この本を読むとよくわかります。

2:塩谷さんが「奈良美智さんのツイートで体験したこと」

アーティストの奈良美智さんは、深夜に制作風景をたくさんツイートしてくれていた。ずっとそれを見守っていたので、個展で奈良さんの作品を見たときに、「あれが!!」とまるで一緒に作ったような感動を味わった、という体験談。

3:佐渡島さん「深夜ラジオのような、1対多だけれどおしゃべりしているような感覚」

デジタルを「友達づくり」として展開するからこそ、こういったCo-Creationと「商品を売る」のではなく「プレゼントにメッセージをそえる感覚」が重要になってくるのでしょう。


もうひとつ印象的だったのが、佐渡島さんがスタッフに話したという「感情のメモリが雑だとダメ」という言葉。

これは自分にも思い当たることがあり、日々鍛錬するしかないな…と思いながら聞いてました。

まずは自分の感情をたんねんに思い出して、書きつけていく努力から。


「隠居系男子」鳥井さんのこの記事を元にはじまった「リニア」「ノンリニア」に関する議論も興味深かった。

メディア側がユーザーの体験の時間軸をコントロールできるのが「リニア」で、

できないのが「ノンリニア」。映画がリニアの最たるものならば、デジタルはもっとも「ノンリニア」なもの。

この考え方は、マーケティングやコミュニケーションの世界で言う、「エコシステム」や「ジャーニー」とすごく近い考え方。

佐渡島さんの「ブログやメディアに囲い込むのは古い」という言葉は、自分がふだんどんな行動をしているかをていねいに思い出せば、すぐ腑に落ちる。これがどこの記事かどうかよりも、面白そうな見出しかどうかで判断する。

塩谷さんが話していたように、「なんとなくネットにいつもいる」接触の仕方が、一番オーディエンスにとって心地よいのかもしれない。

ただもちろん、ビジネスである以上どこかに計測できる目的地を設定することは、周りを説得してお金をもってくるという意味でもすごく重要。

ノンリニアなインターネットの世界で、どこをコンバージョンとするかについては、「ニコニコがうまくコントロールできていると思う」 by佐渡島さん ということなので、要チェックです。


SXSWでグロースハッカーのセッションに参加したところでも感じたのだけれど、

やっぱりインターネットやSNSを通じたブランディングって、属人的なスキルや個人の感覚に頼りがち。

”「とりあえず(塩谷さんのような)インターネット上に漂っている人に任せればうまくいくんじゃないか」と思ったという大手企業の人”の気持ちはよーくわかる。。)

チームとしてどういった方法でやれば実現できるのか、

まわりへの説得の仕方も課題なので、

今度機会があれば、その辺もぜひディスカッションしてみたいです。