Japan Product Manager Conference 2016「Product Manager という仕事」のメモと感想

というか、楽天の齊藤満氏 による 「Product Manager という仕事」という発表が非常に示唆深かったのでメモと感想を。

発表メモ

  • プロダクトマネージャーはコミュニケーションの中心。
  • プロダクトマネージャーの役割は、プロダクトデザインやサービスを規定して、顧客を喜ばせ、企業にとっての戦略的価値をもたらす。
  • プロダクトマネージャーはロジカルシンキングを持って、取り組むべき課題の本質を探り抜いて、本質的な解決策を考えること。
  • プロダクトマネージャーには質の高いドキュメンテーション作成能力が必要。
  • ドキュメンテーションを通じて、仮想的に様々な試行錯誤を繰り返すことで、開発の手戻りを減らせる。
  • 課題解決とは表層的な問題を解決するのではなく本質を見極める必要がる。
  • プロダクトは日本に閉じて作っているといずれ世界を意識したプロダクトに食われる。世界を狙え。初めから多言語対応(少なくとも英語)は意識して作る。
  • 日本のプロダクトマネージャー的な人はプロダクトの理想形の仕様を描ききる前に、妥協案を作りがち。でも、それではダメ。
  • マイクロソフト社でそれをやったら「エンジニアを舐めるな!」と言われた。
  • 日本では細かいバグを気にしすぎ。ユーザーに対してのネガティブな影響がないならそれはバグと言うべきか?
  • アメリカのプロダクトマネージャーはバットを長く持って打席に立つが、日本ではみんなバントばかり狙っているように思える。
  • 「戦うプログラマ」でお馴染みデイビッド・カトラー氏曰く「ソフトウェアに不可能はない、ただ資源の制約があるだけ」
  • プロダクトマネージャーは開発者が熱狂するビジョンを描け。
  • この話は、多かれ少なかれ、どんな規模のプロダクト開発でも共通して考えるべきこと。組織の規模が大きければ、ドキュメンテーションから開発の間に多くのレビューを入れるが、スタートアップ系ではレビューがない(ないしは少ない)だけ。

感想

理想形でなくいきなり妥協案から入ってませんか?とかとってもギクリとさせられるところでした。

また、ドキュメント中心な点や、プロダクトマネージャーによるトップダウン的アプローチは、ドキュメントよりも動くソフトウェアを大事にするアジャイルなプロセスや、コラボレーティブなUX設計が重視するリーンUXの考えを取り入れているチームで働いている人たちからすると違和感があったのではないかな、という気がします。(が如何でしょうか)

かく言う自分も少しそのように感じました。ただ、本当に大切なのはプロセスよりも、プロダクトマネージャーがいかにプロダクトに向かい合うのかと言う姿勢の話なのではないかと感じました。そうすると以下のようなことが言えるのではないか、と思いました。

  • プロダクトマネージャーの仕事は、魅力的なビジョンを想像し、理想形を可能な限り具体的に描くこと。だったらドキュメント化できるよね?と言う話。
  • プロダクトマネージャーの仕事は、課題の本質を見抜いて、矛盾のないよくねれた解決策を提示すること。だったらドキュメント化できるよね?って話。

個人的には、これ自体は先にあげたリーンやアジャイルのプロセスと矛盾するものではない気がしている。例えば、理想や仕様を伝え、実現するために、インセプションデッキやインクリメンタルなプロセスを採用しても良いし、課題の本質を見極めるために、ユーザーフィードバックをもらえば良いと思う(この辺は以前一緒に勉強会をやらせていただいたRollcake社の INO Noriteru さんの資料がお気に入り)。大切なのは、どれだけ深くプロダクトのことを考え抜いて形にするか、なのではないかな、と感じました。

最後に齊藤氏の発表で一番グッときたのは以下のようなお話でした。

プロダクトマネージャーの仕事の95%は最低だが、5%に(その最低を吹き飛ばす)最高がある