猫の嗜好

あんなに好きだった鶏生肉を、いきなり食べなくなった。給餌する側からすれば、えええ何それ、あんなに喜んでたのにこの仕打ちはどうしましょう、でしかない。何せ日持ちしないからファミリーパックで買って、人間用に作り置き半分、喰い切り分以外は1日分量毎にラップで包んで冷凍、してるストックもあるので、気が変わったのか、偶々(猫には分かる程度に)不味いロットに当たっただけなのか、もう一生分の鶏生肉はいただきましたから結構です、ということなのか、見極めが必要ではある。

食いしん坊ではあるが量は行かない。「猫が食べた後みたいにキレイ」な皿には絶対ならない。逆に、どんなに好物の餌であっても一口は残す。乾燥しちまったその食い残しは、再び口に入れることなく「次の出してちょ」と訴えるのが通常。ゲキヤス缶(©大島弓子)なんか鼻も引っ掛けない。グルメな猫の、ってのが果たして日本と同じ製品デザインになってるのかどうか知らないが、そのブランドのでもパテは食うがチャンクになると途端にダメ。魚系の方が好きだが、ツナ缶を解したみたいなのもチャンクに準じる扱いで、だったら肉パテの方が好き、のようではある。ロイヤルカナンの老猫用レトルトは、近所のペット屋にあるのを見る限り全部チャンク状なのでお話にならない。一度張り込んでみて悲しい結論に至った。彼の基準が良く分からない。

友だちの犬を見るに、食欲と連帯感だけが人生なのねえ、という感想が過る。うちの猫でいうと、時折突き動かされる食欲は後期高齢猫にしては相当なものではあるが、満足したら「じゃ」ってなもんで休息に入るし。別の友だちの猫たちはその意味でかなり犬っぽく、ご飯の時間を楽しみに人生が回っている感じであるし、その楽しみを味わい尽くすので皿はとてもキレイ。基本、好き嫌い選り好みナシ、というのも犬のようだ。そういう猫も居るというのに。

選り好みの変化で鶏生肉が却下されたのだろう。まあ、想定してなくもなかった。同じものを続けると、ある日突然口を付けなくなる日がやって来るのは知っていた。

しかし今回は、別の餌を出すと喜んで食べるものの、一回あたりに食い上げる量が更に減り、食い残して乾かして他のを寄越せと言う頻度が上がって来たのである。

給餌する側からしたら打撃は大きい。今までなら、食い残しに新しいのを混ぜるというかコーティングするように加えたら、ほとんど完食に近いところまで行ってたのが、今度は逆。混ぜたらむしろ食べない。一回喰い切り、しかもそれは開封(または缶)してすぐじゃないとね、とでも言いたげな残餌具合には凹む。

就寝前に夜食で追餌し、何とか明け方まで保ってくれ、と思ってても5時台とかに訴えられ、だったのが今や3時台〜4時台にずれ込んでいる。とにかく空腹で胃液を吐かれるのが可哀想でつらいのでやっつけで給餌する。こっちも半睡状態だからよく覚えていないが基本的に食いつきは良い。が再び6時過ぎには大訴えが始まる。何かもう、まさに難詰・叱責されているような音声でやられる。見ると残っている。足すと残される。ああもう。

18歳、もうすぐ19?という年齢が年齢なので、「よしこさんメシゃまだかい?」「おじいちゃんさっき食べたじゃないですか!」という志村けんのコントが描出する状態に突入しているのかなあと思わなくもない。そういえば昨日は久々にまたうんこ星人になってソファの真ん中に見事なのをやってくれていたんだな。これも悩ましくはあるのよなー。

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