日産リーフ試乗(続き:良いところ)

前回のエントリに続き、日産リーフの試乗メモである。

京都市と大津市の間をつなぐ山道である途中越ルートと山中越ルートを、Bレンジによるワンペダルドライビングで走ってきた。きょうはエコモードもDレンジも使わず、ほぼこれだけ。

Bレンジというのは、通常のDレンジよりもアクセルオフ時の回生ブレーキが強力に働くモードで、フットブレーキを軽く踏んだくらいの減速が得られる。これを使うと、上り坂でも下り坂でもアクセルペダルだけで速度コントロールができ、フットブレーキをほとんど使わずにすむ。トランスミッションの変速動作も当然不要であるから、ステアリングホイールとアクセルペダルの操作だけに集中できる。低重心のため車体の傾きが少ないままカーブを曲がれる。楽しい。だんだんと湧いてきた快さに浸りながら、無心にいくつもカーブをクリアしていく。

ふと、子どもの頃に遊園地でゴーカートにのって遊んだときの楽しさを思い出した。運転操作(特にリーフの場合はアクセルペダルの動き)にダイレクトに反応するさまが、まだ免許も取れないころに憧れた、自分のわずかな手足の動きだけで動かすことができる、自転車とは全く異なる乗り物を操ったときの驚きと喜びを思い出させてくれた。

絶対的なスピードが速いわけではない。リーフは背の高い普通の大柄なハッチバックに過ぎないし、狭い山道で対向車もあるからもちろんそれなりのスピードしか出せない。タイヤもエコピアだ。でもやっぱり楽しい。おそらく、それくらい、モーター動力による雑味のない走り味が、自分にとって新しい体験だったのだろう。

高速道路も少しだけ試してみた。合流時の瞬発力と加速力はさすがのもので、難なく本線に進入することができる。これだけで充分合格である。

ちなみにリーフには定速のクルーズコントロールが付いていて、1km/h単位で設定速度を変えることができる。ただしこのクルコン、設定を変えてからその速度に達するまでに少しタイムラグがあったり、道路勾配の影響を受けて速度が少し上下したりするなど、少し「人間的」なところがあった。

沢村慎太朗さんは、モータージャーナルのトークライブで「EVは飽きる。力の出方が平坦で、内燃機関のような盛り上がりや欠点込みのツンデレ要素がない」という趣旨のことをおっしゃっていた。確かにそれもわかる。しばらくEVに乗っていると、その雑味のなさに身体が慣れてしまい、だんだんそれが平凡なことのように思えてくるのだ。もとより飽きっぽい性格の自分なら、今は感激してこんなことを書いていても、早晩飽きてしまっても不思議ではない。

でもやっぱり、EVは楽しいぞ!ということを書き残しておきたい。

賃貸の集合住宅住まいの自分がEVを所有することは非現実的だ。いくら近所に充電スポットがあっても、急速充電ばかりではバッテリーにも良くないだろうし(イメージ)、バッテリー満タン状態を常に保つには、自宅で普通充電できるに越したことはない。だから今まで、EVを持ちたいと思ったことは全くなかった。

以前、三菱の1泊2日キャンペーンでアウトランダーPHEVを借りたときも、確かにモーター動力の魅力は伝わってきたが、高速域などでエンジン動力が混ざるのと、大きなSUV車体の重さが効いたのか、リーフほどには加速時や山道での切れ味は感じなかった。(むろん、オールシーズン道を選ばない4輪駆動で、長時間の外部給電も可能なPHEV車としての総合的な利便性の高さが素晴らしいのは言うまでもない。)

日産がなぜリーフのモニターキャンペーンをやっているのか、今ならよくわかる。EVは乗ってみないとわからないのだ。特に、乗ったことのない人にとっては。「だってうち充電できないから関係ないし…」で切り捨てられてしまう存在。こんなに面白い乗り物なのに勿体ない。ならばとにかく、試してもらう以外にない。そういう結論になったのだろう。

そして今や日産は、ガソリンで走る充電不要のEVとして、ノートe-POWERという新たな武器を得た。リーフで引き寄せておいてノートe-POWERで釣る。リーフを返却した直後にノートe-POWERの試乗をさせてもらって、僕はこのコンボにやられた。というか、結果的にはノートe-POWERのほうに更なる可能性を見て一層の感銘を受けることとなった。こちらについては別のエントリに書く。

とはいえ、EVとしての絶対的な性能と純度の高さでいえばやはりリーフである。今なら日産リーフ モニターキャンペーンで無料で借りることができる。週末を利用して2~3日程度借りるくらいであれば、充電環境がなくても大丈夫。運転することが好きな方なら、良し悪し好き嫌いはともかく、新しいクルマ体験ができるだろう。ぜひお試しあれ。