車椅子利用者は積極的にジャパンタクシーに乗れぃ!
2018年5月25日
初めてジャパンタクシーにわざと2回乗って、ドライバーさんからメチャクチャ興味深い話を聞けたんで書きやす!!
ジャパンタクシーって何?
2017年から都内では特によく見るこれこれ~。リッチな黒光り〜、ほかのタクシーよりも存在感があり!
2020年東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーであるトヨタが発表したワゴン型のタクシー。2013年に東京モーターショーにて初お披露目。2017年からジャパンタクシーとして公式発表し郊外での運行を開始。そして、国土交通省が定める「ユニバーサルデザインタクシー」の設定要件を満たした車種。またコンフォード型(タクシーといえばこれ!!って思い出すあれ)は販売終了が決まっていることから、2020年までに4台に1台はジャパンタクシーになる予定だそうです。(ネット調べ)
前から「車椅子も乗れるタクシー」という情報で知ってたんですが!!乗ったことがなかったので、わざとジャパンタクシーを目当てに待ち伏せてみたけど、まぁ~~~捕まらない、代官山。普段このタクシーをよく見るのに、いざとなったらパワーを発揮しない自分の運の悪さを痛感しつつ、粘って粘って流石に諦めて電車に乗ろうとした時、僕の真後ろを通過しようとしているジャパンタクシーを発見。ドライバーをガン見して周りが引くくらいアピールしたら断りにくかったのか乗せてくれました。
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まずは1回目。車椅子から降りて普通に乗車
(スロープを作るスペースを確保できなかった為、あとで説明)
めちゃくちゃ快適!!
最新の車ということもあり、めちゃくちゃ快適です。
・ワゴン型で広く窮屈感がない。
・高級なシートで座り心地最高。
・電子マネーなど最新設備が整っている。
この条件だけで、一般の方でも「同じ金額払うならこっち乗りてぇ~~」って思うはず。実際海外からの観光客に大人気のようで、恰幅のいい方や背の高い方に好まれてるし、電子マネーが必ず付いているからこれ狙いの方もいるそうです。
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次に2回目に乗車。車椅子のまま乗車
ここからなんですが、ジャパンタクシーの特徴である「車椅子のまま乗れる」という点。車椅子当事者として言わなきゃいけない!
何にも調べずに乗ったんで知らなかったんですが、ワゴン型だからてっきり介護用タクシーと同じシステムだと思ってました。
車の後ろからスロープもしくはリフトが出てきて、車椅子のまま乗れる。
(事例)http://www.fukutaxi-sakura.com
実際ジャパンタクシーに乗ってみると全然違くて
感想を先に言うと
「めちゃくちゃややこしくてドライバーさん大変っすね。。。」
まずは車のサイドから乗せる為スロープを設置できる広いスペースを確保、助手席と後部座席をたたんで移動させ車椅子が入れるスペースを空ける、そうすると後部座席の下に隠されてたスロープと車椅子ストッパー器具を出し、それぞれの器具を確認しながら、、、
ってもうここに書いているだけでもめんどくさい!!技術が進化しているから、介護の経験のないドライバーでも簡単にワンタッチくらいの感覚でリフトが出て乗れるものだと勝手に思ってました。
説明しないのもアレなんで写真でほい!
「この作業めんどくさいすね!」
との切り口から色々ドライバーさんに根掘り葉掘り伺うと、
「研修を受けないとジャパンタクシーには乗れない。ちょっと面倒だけど今後増えてくだろうし早めに研修を受けジャパンタクシーに乗り始めた。みんな必要性は分かっているけど、ドライバー界隈で研修受けてでもジャパンタクシーに乗るかどうかで意見が分かれてる。だけど私は海外からの観光客に実際好評だし、いいと思っている。」
だそうです。研修に1日時間を割かれたそうなのですが説明はそれだけ。車椅子を乗せるための説明書などは一切用意されていないそうです。(研修をメモしたら復習はできるけど、最初から説明書がないのはちょっと。。。)
しかも
「休日返上して研修で覚えた作業も実践する機会が滅多にない」
らしく、(これはちょっとかわいそう)実際、僕が利用した1台目のドライバーさんはジャパンタクシー歴3ヶ月、2台目のドライバーさんは歴5ヶ月と半年近く経ってるのに、初めて車椅子を乗せたそうです。
「研修以降使ってなかったからいい経験になりました。ありがとうございます。」と逆にドライバーさんから感謝されました。(笑)
そりゃそうなりますよね。使う機会がないと覚えれないからその気持ちはめちゃくちゃ共感できます!
また会社内で話題になってることがあり、
「車椅子をご利用者様がジャパンタクシーを呼んだところ、迎えたドライバーは対応に慣れていなかったそうで、タクシーに車椅子を乗せるための準備に15分で済むところを1時間かかった事例がある」
らしいです。そこで、
「実は今日こちらのドライバーさんに出会うまで目の前をジャパンタクシーが10台くらい通ったのに全然捕まんなくてなんやそれ!!って思ってたんですよねー」
ってドライバーさんに話すと、
「研修を受けたドライバーの中には、設置や準備に自信がなくて見えてないフリをしてる人もいるんじゃないかな。」(あくまで個人の見解)
あ~、なるほどと理解。無論、ユニバーサルデザインタクシーだからそんなことあってはならないけど、慣れてないとそう思ってしまう心情はわかる気がする。
現状
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・ジャパンタクシーを見つけてもドライバーにムラがある。
・研修を受けても実際に乗せたことがないから不安に思っている方もいる。
・準備が複雑、かつ体力もいるから年配のドライバーには一苦労(特に腰を悪くしているドライバーにはむずい)
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人のため、便利のために造られた車でも、乗る側も乗せる側も”ちょい面倒”という1枚レイヤーが入っている印象を受けて、なんか本来の役割とは違う方向に向かってるんじゃないかなと思いました。それはトヨタを含め、現在日本が理想としている排除しないとか、多様性を受け入れる世界を目指すために技術に投資し、モノを提供しているけど、現状まだ人間が追いついてなくて、理想と現実にギャップがあるんじゃないかと感じます。
車椅子ごと乗れる「ユニバーサルデザインタクシー」という謳い文句が機能しないまま、一般からの需要はあるし、2020年のメンツもあるし増えていきそうな気がします。オリンピック・パラリンピックは各国民が集まる最大の競技大会で、この期間に選手、観光客を含め世界一車椅子利用者が集まるといっても過言ではないし、その時に今と同じ状況で、ジャパンタクシーは増えるのに対応に慣れてないドライバーで溢れていて、アタフタしている姿を想像するとカッコ悪いかなと思います。
結論
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ジャパンタクシーは『コンパクトなのに中は広々!』よくあるCMフレーズ的な技術は優れてるけど、車椅子専用に変更するときの利便性にはちょっと疑問でした。
理想と現実のギャップを穴埋めをするためには乗る側も乗せる側も慣れてもらうしかない。
なので
車椅子利用者は積極的にジャパンタクシーを使用せよ!慣れれば今回の僕みたいに大シカトされる経験少なくなるはずです。
タクシー券の存在
ただし、タクシーを使うにもお金がかかります。そこまでして乗るかと言われれば難しい状況です。ここで東京都内に在住していると配布されるタクシー券の存在です。
お住いの区、市によって内容は異なりますが、僕が住んでいる練馬区はこちらです。http://u0u0.net/KTkd
都内のタクシー券のまとめサイト的なページが存在しなかったので
「タクシー券 ◯◯区・市」と検索すると情報が出てきます。全てを調べきれていないので細かな情報はわかりかねますが
・都内なら概ね対応可能です。(日個連タクシーも入っていたので可能)
・1名独身で35,000円前後。
僕はタクシー券を毎年使用していますが使えませんと断られた経験はありません。
全ての車椅子使用者が乗れるわけではない
車椅子利用者は慣れないドライバーに当たったとしても最低でも準備に15分はかかる。
最後に今回乗せて頂き、なおかつ色々な質問にも丁寧に答えてくれたドライバーのお二人に感謝いたします。とてもいい経験でした。ありがとうございました。
以上
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しかし・・・
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と締めたい処ですがよく調べたらYouTubeに設置の動画上がってる!!乗せなかったドライバーよ!言い訳の前にこれ見てください。
車椅子利用者の皆様、慣れてなくてアタフタしてるドライバーに当たったらこれ見せつけたらいいよ!!ドライバーの気持ちを汲み取って長々と書いたのに損したわい。
徳永啓太
脳性麻痺によりヤマハ電動アシスト車椅子を使用