カオスグルーヴ
4 min readFeb 5, 2016

VJを始めるにあたっての諸情報1 / chaosgroove

・はじめに

(諸先輩方からの異論反論を恐れずに言うならば)

VJは音楽に合わせて、映像を扱った視覚的な演出行為をすることだと言える。

そして極論を言えば、「何らかの形で映像を表示できれば(とりあえず)VJとして成立」する。

コンピュータを使ったVJが主流になる以前は、ビデオデッキとビデオテープ、DVDプレイヤーとDVDを使ってVJをしていたし、OHP(透明フィルムに書かれた文字や絵をスクリーンに投影する装置)を使うVJもいた。この応用で絵の具を使ってその場で描いている絵をカメラで撮ってリアルタイムで表示するという表現方法もあるし、小物を動かしながらその様子をカメラで撮って表示させる方法もある。

コンピュータを使ったVJは、(ある程度の知識があれば)誰でも簡単に始められる、安価に実施できる、それなりに形になる、という利点がある。

一方その反面、他のVJと差別化を図りにくいという競争の困難さを生み出している。

(このあたりは次回「表現方法の模索」の項で触れる)

まぁ、なんだかんだで便利なので、以降はコンピュータを使った基本的なやり方を取り上げる。

・コンピュータを使ったVJのアプローチ

大きく分けて、すでに動画として書き出されたデータを使うアプローチとプログラムでリアルタイムに動画を生成するアプローチがある。

前者を「プリレンダ系VJ」、後者を「ジェネ系VJ」と呼ぶことにする。

プリレンダ系VJは、表現もカメラで撮影して加工したものから、次回取り上げるCGソフトを使って書き出されたものまである。

ジェネ系VJはプログラムを書く知識やスキルが必要となるが、リアルタイムで音やカメラからの映像に反応する映像を出力できる。

高解像度や複雑な表現をリアルタイムで動かすにはそれなりのマシンスペックが必要とされる。(が、最近ではゲーム用のエンジンを用いたUnityなどもある)

どちらのアプローチも、差別化や権利の視点から自分でデータを作成することが望ましい。

文化としてかなりグレーなのでここでは軽くしか触れないが、プリレンダ系VJをする人の中には著作権侵害などのリスクを犯して動画サイトから違法にダウンロードした映像を使うもいる。

ジェネ系VJでも同様で、他の人が書いたプログラム(コード)を使う時には、その使用範囲に準拠しないと法に触れる場合がある。

最初はフリーの動画素材を使ってVJを始めるのが簡単と思われるので、以降の項でもプリレンダ系VJを始める基本的な知識を挙げていく。

・素材収集

前項でちょっと怖いことを書いたので「クリーンなVJなんてできない・・」と思われるかもしれないが、とりあえず思いつくのがbeepleさんが公開しているフリーのクリップ。

http://www.beeple-crap.com/vjclips.php

CreativeCommonsで商用利用も可能。このクリエイターはCinema4D(動画制作アプリケーション)用のデータも公開していて、ダウンロードして他の人がアレンジしていいよ、と言っている方。

・VJソフト

OSに依存するのでそれぞれ代表的なものをピックアップする。

-Mac

Kraken http://www.techlife.sg/Kraken/index_jp.html

二つの素材をフェーダーでミックスするタイプ。

三浦さん(TechLife)が開発。

一番最初に使うのはこれがベスト。映像がどうミックスされるかが直感的にわかること、エフェクトが充実していること、バンクのキーアサインもできるのでコントローラーがなくてもガシガシ使えるのが良いところ。

COGE http://imimot.com/cogevj/

カオグルがメインで使っているモジュール型のアプリケーション。

自分の好きなように機能を組み替えられる。

手頃なお値段。

-Win

Resolume https://resolume.com/

カオグルがサブで使っているモジュール型のアプリケーション。

Mac/Win版両方ある(はず)。

・おまけ:先日上げた目の手描きアニメーション

iPad用のアプリケーション”Loop”を使用。

http://wired.jp/2013/08/28/a-1-app-that-lets-you-draw-animations-with-ease/

Loopは手書きのアニメーションを作れるアプリで、

GIF形式で書き出し可能。

VJのアプリケーションによってはGIFを読み込めないものがあるので注意。

・最後に

人間はその身体の機構上、瞼を閉じることはできるが、耳を塞ぐことはできない。

その場にいる人に見てもらって心地よいなと思ってもらうには

結局のところ、音や雰囲気に合わせた映像を選ぶことが大切。

次回:実践、素材制作、表現方法の模索、他