体験したことのない概念を教えるということ

最近、子供にルビィのぼうけんやスクラッチの本を買ったら子供が読んでとよくせがまれるようになった。

ルビィのぼうけんはパパが隠した宝石を見つけるために様々な謎を解いていくという、フィンランドのリンダさんが描いた絵本だ。本の後半には、練習問題があり、パズルのような謎で、子供としては楽しく算数のようなパズルを解いていく感覚で取り組んでいる。

例えば、人参、青リンゴ、ピーマン、オレンジなどを、緑グループと果物グループのベン図にそれぞれ配置する、なんて問題は幼稚園の頃には難しかったが、小学生になった今ではさらっと理解できるようになり、子供自身の成長を感じる。

ルビィのぼうけんの訳者のとりいさんはpodcastでも笹田さんと共にインタビューさせていただいたのだけれど、訳語に対してとても丁寧に考えてらっしゃるなというのが読んでても伝わってくる。True/Falseは英語的には簡単な語だけど、真偽という言葉は難しい、などと当たり前だけど大事な子供の目線で言葉選びをきちんとされている。

そんな娘が、最近ルビィのぼうけんの続編とスクラッチの本にハマっている。

コンピュータの国のルビィは、アリスよろしくいなくなったマウスポインタを探すために、コンピュータの中に旅をする。そこで出会うのが、0/1で話すスイッチやCPU,GPUなどのハードウェア達。前作のジャンゴくんやユキヒョウ達よりももっと特徴的な仲間達と出会うのだ。そう、コンピュータの仕組みを説明する絵本なのだ。

読み終わって練習問題がやりたいと言い出す子供と見ていると、付録の紙で自分のオリジナルのコンピュータを作ろうとか楽しい。1週間で家の中のコンピュータを探してみよう!という課題もうんうん唸りながらいろいろ探して来た。うちの子供賢いんじゃないの、とかちょっと親バカなことも頭によぎった。

で、ふと、しめりけセンサー(湿度センサー)とおされる力センサー(圧力センサー)などのセンサーところになると、止まってしまった。これらのセンサーどういうところで活用できるかな?という課題なのだが、そもそも湿度ってなんだっけ?からわからないのである。「湿度とは空気中の水分の含有率で」、なんて話は通じないわけである。さあ困った。雨が降った時はジトジトするよね、とか、晴れた日はカラッとするよね、とか知識の引き出しから様々なものを見つけて来ては説明するが、腹落ちしている様子はない。

同じような話が、スクラッチの本でもあった。ゲームをほぼやったことのない子供に対して、アクションゲームとは、ロールプレイングゲームとは、というのを説明したのだがイマイチピンと来ていない。夫婦で「大昔の人が伝聞から想像した象が支える世界みたいなのイメージしてるんだろうね」と話をしている。結局、自分で見聞きしたもの体験したことのないものを教えるのはすごく難しいという結論に至り、ウノやらなんじゃもんじゃといったボードゲームなんかを買った。(なんじゃもんじゃはカードのキャラに名前を勝手につけて覚えるという3歳児でもまぁ遊べるシンプルルールでおすすめ)

セサミストリートに学ぶ知らない概念を教えるということ

以前どこかでも言及をしたが、セサミストリートでは俳優などに一つの英単語を説明してもらう動画を公開している。

この動画は、ロードオブザリングのガンダルフことイアンマッケランがクッキーモンスターに resist という単語を教えている。最初は欲しいものを我慢することだよ、とか、この宝物である指輪(もちろん例の指輪)が欲しくても手に入れないことだよ、とかいっても通じないわけである。(いとしいしとなのに!)

ところが、「君の大好きなこのとっても美味しいチョコチップクッキー。これ、食べたくて仕方ないよね?でも食べない。これが resist 」と言うと「あああああー!クッキーを食べたい、けど食べない。resistわかった!」と一発で理解するわけである。そう、やはり自分の事として考えられる体験に裏打ちしされて概念を獲得していくのが一番手っ取り早いのである。なので、最近はどういう体験をさせてあげられるかというのを以前より良く考えるようになった。

当たり前の事ではあるんだけれど、抽象的な概念を獲得していく事が多くなってくると、子供の根源的なこの獲得の流れを忘れてしまうなぁと気づいた瞬間だった。

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