ベランダや屋根で蜂を飼って環境を守ろう ベルリンで広がる都市養蜂

ハチミツはお好きですか?

ドイツでは趣味の養蜂が盛んです。私のドイツ人の義父も長いこと、趣味で養蜂をやっていました。自宅から歩いて10分ほどの広大な野原に小さな土地を借り、そこでミツバチを飼っていました。ですから、我が家ではお店でハチミツを買ったことがなく、食べるのはいつもおじいちゃんの手作りハチミツ。日本の友人知人にもよく食べて頂きましたが、味が濃くて美味しいと評判でした。

養蜂なんて、田舎暮らしでないと無理でしょう、ですって?

いえいえ、そんなことはありません。大都市のど真ん中でも養蜂ができるんですよ。

ドイツの首都、ベルリンでは趣味としての養蜂がじわじわ広がっているようです。わざわざ郊外に土地を借りてやるのではありません。自宅の庭や屋根の上、アパートのベランダなどに巣箱を設置して、手軽にハチミツを作ってしまうのです。このコンセプトは都市型農業、いわゆる「アーバンファーミング」のコンセプトの一部。近年、ハーブなど手軽に栽培できるものを中心に、身近で食べ物を作り、輸送にかかるコストや二酸化炭素の排出を抑えようという動きが高まっていますね。都市での養蜂はこの地産地消のムーブメントを強化するものです。また、ミツバチの数が増えることで都市空間における生物多様性が高まり、私たちの生きる生態系を保護することにも繋がります

このブームに火をつけたのは2014年に立ち上げられたベルリンの非営利組織、Stadtbienen。創始者のJohannes Weber氏は、都会に住む人々にミツバチや生態系について知ってもらい、積極的に養蜂を楽しんでもらおうと、手軽に設置できる巣箱、Binenboxを開発しました。

Satdtbienenが開発した巣箱。最大15kgのハチミツが採れます。エコロジカルな森林で伐採した木材を使い、ベルリンの障害者の工房で作られています。値段は240ユーロ、重さは20kg。

Weber氏によると、ミツバチの世話に必要な時間は年間20時間ほどで、あとはすべてミツバチがやってくれるとのこと。巣箱を自宅の庭やベランダに設置すれば、蜂の世話をしに移動する必要もなく、忙しい人でも養蜂を楽しむことができます。

こんなふうにベランダにも設置できます

私には意外だったのですが、都会で作られたハチミツの質はとても良いそうです。田舎ではモノカルチャーの農地が多いのに比べ、都会では花の種類がむしろ豊富です。また、自宅の庭やベランダで園芸をする場合に農薬を使わない人が多いため、農薬汚染の心配が少ないのだそうです。

以下の動画は、Stadtbienenがクラウドファンディングで資金を集めたときのビデオです。(クラウドファンディングはすでに終了しています)

養蜂をやってみたいけれど飼い方がわからないという人のために、Stadtbienenはドイツ全国で講習会を開いています。また、巣箱だけでなく、養蜂に必要な道具も販売しています。飼い方の動画やわからないことを質問できるフォーラムも用意されており、他の養蜂家達と交流したり、サポートを得ることができます。

ところで、Stadtbienenの巣箱ではありませんが、実際にベルリンのど真ん中の屋根で蜂が飼われているのを発見しましたよ。

ベルリン、ポツダマープラッツのソニーセンターからの眺め。 黄色い屋根はベルリンフィルの屋根です

手前の建物の屋根になにやら木箱が見えます

ズームしてみました。巣箱が並んでいるのが見えます

写真の巣箱は、”Berlin summt”という環境保護プロジェクトにより設置されたものだそうです。

環境を守りながら、美味しいハチミツも食べられる。一石二鳥の趣味ですね。

環境保護に関心があるけれど、でも、自分で蜂を飼うのはやっぱりちょっと怖い、、、、。そういう方は、蜂が蜜を集めるためのお花を栽培することで環境保護に貢献することができます。ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)は、ミツバチの好む花に関する情報を簡単に検索できる無料スマホアプリ、Bienen-Appを提供しています。

参考:

stadtbienen.org

Der Verein Stadtbienen

Bienen dürfen schöner wohnen


Originally published at Sci-Tech-Germany.