初の欧州シチズンサイエンス・ポータル、Doing It Together Scienceがオープンしました

当ブログではこれまでに欧州におけるシチズンサイエンスの高まりについて、ドイツを中心にレポートしています。

欧州では、科学への市民参加は科学の発展を後押しするだけでなく、エビデンスに基づいた社会づくりをする上で重要だという認識が高まっています。インターネットの発達した現在、市民が多くの有用な情報に容易にアクセスできるようになったことは大きな社会変革をもたらしていますが、同時に偽情報(フェイクニュース)の蔓延という大きな問題も露呈しています。そうした偽情報が政治的に利用される危険を市民は十分に意識しなければならないでしょう。

しかし、何が正しい情報で何が偽情報なのか、基礎的な科学の知識がなければわかりにくいものです。公開科学イベントやプロジェクトに参加することで、科学の発展とより良い社会づくりのためのエビデンスの蓄積に貢献することができます。

私もこれまでに、以下のようないくつかのシチズンサイエンスプロジェクトに参加しています。

プランクトン当てゲームで遊びながら環境を守ろう PLANKTON IDのリザリア識別ゲーム

シチズンサイエンス・プロジェクト、EVOLUTION MEGALABに参加してみました

科学はみんなのもの シチズンサイエンス・イベント、「Science & People」に参加しました

シチズンサイエンスのプロジェクトは各国それぞれにおいて広がりつつありますが、今回は新しく開設された欧州全域を対象としたシチズンサイエンスポータル、Doing It Together Scienceをご紹介します。

このポータルは欧州における画期的なシチズンサイエンスイベントの情報を提供するためのもので、これまでに欧州内の9カ国で開催された約500のワークショップや展示会を紹介しています。ポータルの柱は「バイオデザイン」と「持続可能性」。一般市民だけでなく、政策決定者や科学研究プロジェクトへの出資者が一緒に参加し、異なる立場からの交流・意見交換を通して科学のプロセスを実行できる場を創出することを目的に、欧州のシチズンサイエンスネットワーク(European Citizen Science Association)、 企業 (Tekiu; eutema)、大学 (UCL; Universite Paris Descartes; University of Geneva)、サイエンスギャラリー、博物館や芸術機関 (Kapelica Gallery / Kersnikova; Medialab-Prado; Royal Belgian Institute of Natural Sciences) そしてNGO (Meritum Association; Waag Society)が共同で立ち上げました。

近々開催されるイベントプログラムのいくつかをご紹介すると、、、、

25–04–2017 ジュネーブ(スイス) Bionight at the Bioscope

生物多様性について、どんな研究がなされているの?シミュレーションを通して森林保護について考え、ディスカッションしよう。

02–05–2017 アムステルダム(オランダ)Personal medications — high or hysteria?

オーダーメイド医療って何?タブーに踏み込み、医療倫理について考えよう。

30–05–2017 アムステルダム(オランダ)Modification — magic or crime?

遺伝子組み換えって何?モンサント社ってどうなの?遺伝子組換えはメリットをもたらすの?それとも危険?自分の意見を持とう。

シチズンサイエンスは大学やその他の研究機関による研究を市民が「手伝う」ことにとどまらず、市民自らが研究プロジェクトをデザインし、実行する動きも広まっています。特にバイオテクノロジー分野では、研究者と市民の間の垣根のない「バイオテクノロジーを使った問題解決に関心のある人々による研究活動」、バイオハッキング・ムーブメントはドイツでは政府も注目するほどの勢いをつけています。

科学研究とイノベーションにおけるバイオハッキングの役割 ドイツ議会の公開ディスカッション

ポータル、Doing It Together Scienceは開設して間もないので、今後どんどん充実して行くことと思います。Facebookページはこちら


Originally published at Sci-Tech-Germany.