「お金×コミュニティ」ミートアップでちょっと先の未来を感じる: ALISの国の不思議

Cosmos
11 min readApr 13, 2018

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「お金×コミュニティ」という、面白そうだけど関係がよくわからなさそうなイベントに参加してきました。ALIS CEO 安さんも登壇されるので!

これがなかなか面白いイベントでしたので、印象記を書かせていただきます。
公式な記事はこちら。産経ニュースや時事通信にも載っていました。

お金とコミュニティとの関係は、昨今流行りのトークンエコノミーに近い話だと思います。でも、そもそもトークンエコノミーって何なの?という疑問がありますよね。

今回のイベントは、その実例として動いているプロジェクトの代表の方々が登壇されました。
百聞は一見にしかずですから、トークンエコノミーの抽象的な話を聞くより、実際の例、ユースケースを見せていただくと実感として腑に落ちるところがあります。いずれもネット上のサービスですから、PCやスマホで体験することもできます。

詳しい内容はログミーに講演書き起こしが公開されるとのことなので、そちらをお読みください(本記事執筆時には未公開)。https://logmi.jp/

イベント会場はbillage OSAKA。
大阪・本町にある、オープンしたてのワーキングスペースです。
中を一通り見せていただきましたが、結構広くて、もちろん新しくて、交通の便もよく、ここで仕事をしたくなるような場所でした。

さて、この「お金×コミュニティ meetup」はbillage OSAKAのオープニングイベントして開催されました。

お金とコミュニティに関連するプロジェクトをされている、5人の方が登壇されました。その後、5人でトークセッションです。
それぞれ簡単に、内容と感想を書かせていただきます。

(この記事の写真については主催スタッフの許可を得て撮影しています。)

SPOTSALE 鶴岡 英明氏 https://spotsale.jp/

SPOTSALEはお店の会員権の取引所です。
お店が会員権を発行します。その会員権を買うと優待を受けられるだけでなく、会員権の売買もできることがユニークな仕組みかと思います。

具体的には、このイベントの会場であるbillage OSAKAを利用できる会員権や、仮想通貨好きで有名なお笑い芸人のたむらけんじさんが経営する焼肉店の会員権等があるとのことです。
たむけんさんの焼肉店の会員権価格はなんと200万円で、毎日食べ放題飲み放題とのことでした。さすが芸人さん、話題づくりが上手い!

ALIS 安 昌浩氏 https://alismedia.jp/ja/

めっちゃいい笑顔ですね!
今回のお話は、トークンエコノミーにおけるコミュニティの大切さについて。
ブロックチェーンのメリットはトークンエコノミーによるコミュニティとのサービス共創。それは今までありそうでなかったと。
株式会社のゴールは株主の利益だが、トークンエコノミーのゴールはコミュニティの価値であり、価値主義時代。
これから大切になってくるのは社会関係資本という、人のつながりの最大化だろう。
ICOはユーザーや投資家を巻き込んだ、新しい事業開発の方法と海外では認識されている。ユーザーと資金の両方を獲得できるメリットがある。

など、まとめきれないくらいの多岐にわたるお話でした。今はまだ概念的なトークンエコノミーの未来が具体的に見えておられるような印象で、その未来にワクワクしました。

salomee LIVE 清水 篤彦氏 http://salomee.jp/

salomee LIVEは、美容サロンのスタッフがライブ配信をして、その場で美容グッズを買うことができるサービスとのことです。ジャパネットたかたのオンライン(美容)版と言われていました(笑。

YouTuberやShowroomなど、この手の配信サービスは流行りですね。
ファンの共感など、これからは内面的な形がお金に変わる時代と言われていて、新しい価値観を示されているように思いました。
salomee LIVEで作られる人気のサロンスタッフとファンとの関係は、新しいコミュニティの形かもしれません。

HB Wallet 奥田 雄馬氏 http://bacoor.co/hb/

HB Walletはイーサリアム、イーサリアムトークンのウォレットです。
そして財布にとどまらず、ウォレットを土台にしてアーティストの応援のためにトークンを送るなどのトークンエコノミーを作ってゆきたいとのことでした。

たしかに、ウォレットは単にお金の置き場所だけではなく、それをプラットフォームにして様々なサービスが展開できるなあと、違った視点からの気づきがありました。

fever 今田 孝哉氏 https://fe-ver.jp/lp

feverはコミュニティやチームの価値を売買できる取引所とのこと。
個人的にはVALUのチーム版というイメージを持っています。Beta版がオープンしましたね。

コミュニティはコミュニケーションのみは飽きてしまうので、経済(お金)の循環もできることが大切と言われていました。
そんな小さな経済圏を作りたいし、その後は経済圏同士が国を越えてコミュニティが出来てくるだろうとのこと。
そうなれば、どのコミュニティに所属するかによってその人が評価されるようになるだろうとのお話でした。

まさに、お金とコミュニティとの関係について説明されていました。
これからの社会がそんなふうに意識が変わってゆくのか、とても楽しみです。

個別のセッションが終了して、次は登壇者全員とbillage OSAKAの柿木原氏でのトークセッションです。
これがまた面白かったです。
書ききれないので、全容はログミーをご参照くださいね。

ここでは個人的に印象に残った点を挙げます。自分はALISにもっとも興味があるので、どうしても安さんの発言を多く取り上げています、すみません。
もっとも、客観的にも安さんの発言が一番多かったんですけどね。

  • プロジェクト立ち上げに苦労した点
    安さんの発言が心に響きました。
    「日本の文化に苦労した。海外では(ALISを)前向きに評価されたが、日本ではICO時に詐欺が来たぞと言われた。批判は大切だけど、いきなり批判的なのは辛い。」
    ちょっとショックですね。いきなり否定的というのは新しい芽を潰してしまいます。
    もちろんICOの世界では詐欺が蔓延しているので警戒するのは理解できますが、警戒という範囲を超えてFUD(侮蔑中傷)のような発言がちょくちょくあったように覚えていますので、それはどうかと。
    これが日本の文化の一つの側面であるなら、とても残念なことです。
  • これからの課題は?
    グローバルにどうトークンエコノミーを発展させるか。
    日本が取り残されそうだが、そうならないようにする突破口が見つからないとのこと。
    前項と合わせて、日本に関しては少し厳しい見方をされている印象です。うーん、と唸ってしまいます。
    あと、トークンの投機性と実用性のバランスを保つのが大切だろうというは話もされていました。
  • トークンエコノミーについて ビジネスより音楽に近い
    安さんは「海外でミートアップをやってみて、トークンエコノミーはビジネスより音楽に近いと思った」と言われていました。
    例えば、オランダではサトシ論文で盛り上がったりしたとのこと。これは国境を超えて同じ音楽に興味がある人で盛り上がるのに近いのではないか、ということです。
    仮想通貨は国境を超えるので、コミュニティも国境を超えてつながってゆくのかも知れません。これがトークンエコノミー、トークンコミュニティなら、とてもダイナミックなことです。
  • 仮想通貨コミュニティ同士のいがみ合い
    上の話の流れで、コミュニティ同士のいがみ合いの話も出ました。
    トークンは宗教的なところがあるのではと。なので、暗号通貨のコミュニティ同士が敵対しないか?コミュニティが国家のように対立しないか?という心配を話されていました。
    今の各通貨コミュニティをみていると、そんな懸念はありますね。
  • 分散化について
    HB wallet奥田さんは「暗号通貨は本来自分が管理するもの。大手取引所の(コイン盗難)事件もあったので、これから分散化が見直されるだろう。それにはHB wallet」と、宣伝を交えて話されていました。
    安さんは「ALISは長期的にはDAO化したい。ただし今はある程度誰かが引っ張ることが大切。日本はプレーヤーが少ない。今の大企業は分散化する必要はないので積極的にいかないので、ベンチャーからいかないと」とのこと。やっぱり日本の現状を危惧しておられるようです。

自分の印象かも知れませんが、このトークセッションではトークンエコノミーの明るい未来だけではなく不安点も話されていて、興味深かったです。
特に日本の現状については正直意気消沈するところもありましたが、良い方向に向かってゆくことに期待したいものです。

最後は、ネットワーキング。会場のこれらの椅子を取っ払っての懇親会です。
ALISコミュニティの方も数人来られていたので、ALISに興味があるけれどコミュニティに入っていないという方も交えて、ミニALISミートアップのような感じで楽しくお話させていただきました。ありがとうございました。
懇親会ではALIS関係で話すこと聴くことが多くて、他のプロジェクト関連の方とほとんどお話できなかったのが反省点です。
最後に安さんにちょっとお願いごとをして快諾いただき、帰路につきました。

このイベントは、まだまだ黎明期でよくわからないトークンエコノミー、お金とコミュニティの関係について実感として分かってくるような、とても有意義なミートアップだったように思います。
安さんもこんな面白いイベントは東京でもなかなか無いと言われていました。これは自分と個人的に話をしていた時のご発言ですので、まんざらお世辞でもないと思います。

仮想通貨はまだまだ投機の対象でうさん臭いものとして特に日本では認識されているようにも思いますし、最近は各種通貨の価格も低迷しているので冷めたようになっている部分もあると思いますが、その先にはこんな世界が待っているのかも知れないと感じさせてくれるイベントでした。

このような、素晴らしいイベントを行っていただいた主催者様、登壇者様、ありがとうございました。第二弾を期待しています。

注)本記事は個人的な見解を書いたもので、ALIS公式とは関係がありません。また、本記事は投資を勧誘するものではありません。

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Cosmos

Kyoto and Osaka, Japan 京都大阪で暮らし働いています。ALIS認定アンバサダー。ブロックチェーンソーシャルメディアALISについて「ALISの国の不思議」を書いています。Since October 28, 2013.