ビットコインキャッシュ実験の完全解明

Cryptarmigan
40 min readDec 5, 2018

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(This article is a Japanese translation of “The resolution of the Bitcoin Cash experiment” by _unwriter https://medium.com/@_unwriter/the-resolution-of-the-bitcoin-cash-experiment-52b86d8cd187

『離脱・発言・忠誠 ー企業・組織・国家における衰退への反応』アルバート・ハーシュマン

免責事項:本文に入る前に、お伝えしておきたい。もしあなたが、私がこれからここで批判しようとしているグループや組織のどれかにたまたま所属するビットコインアプリケーション開発者だとしても、私は個人的に一切あなたに敵対する意思は無い。あなたの心が正しい場所にある事はわかっている。悪いのはあなたの所属するグループであってあなた個人ではない。思い出してほしい、あなたは選ぶことができる。そこを出ることができる。私は実際あなたに、この記事を読んで、一歩引いて落ち着いて、なぜ自分がそこにいるのかを考えて欲しいと思っている。私はあなたと同じチームで一緒に働きたいと思う。私たちがこれまでビットコインキャッシュとともに作ってきたものは、投げ捨てるにはあまりにも惜しいものだ。だから私はここで話す。

11月の15日から26日にかけて、ビットコインキャッシュのネットワークは、ビットコインそのものが始まって以来最も重要な実験を経験した。

いわゆる「ビットコイン・ハッシュウォー」は2週間にわたって続き、多くの人が予想しなかった方向に動いた。多くの人がビットコインSVが積極的にre-org攻撃を仕掛けると予想したが、それは一度も起こらなかった。しかし反対側の陣営から起こった出来事が、問題であった。それをこの投稿で論じたいと思う。

ビットコインABCは、SVから受けうる想像上の攻撃をあまりに怖れたために、彼らが何のためにそこに存在しているのかが理解不能になるほど、永久コードの更新を矢継ぎ早に発表し、あらゆる種類の間違いを犯した。

そして重要なのは、ABCがブロックチェーン上に永久に残り続けるであろう傷跡を自分自身に負わせたために、そのブロックチェーンは私がもはやこれ以上その上に何かを構築することができないような代物になってしまった。

私は普段書くことは好きではなく、それよりもプログラムを構築することに時間を費やしたり行動によって示すことが好きだ。しかし今回は、ビットコインキャッシュ・エコシステムにおいて、政治的にバイアスがかからないように意識的に気をつけてきた唯一の開発者であるという希有な立場に自分がいるということに気づいたので、ここに書くことで次の局面へ貢献することを決心した。

_unwriterとは誰か?

最初にいくつか背景を紹介する。私はこんな人間である:

私はビットコインキャッシュ・エコシステムにおいて2つの有用なインフラストラクチャーのプロジェクトに参加して働いている。

  1. BitDB: ビットコインのための非中央集権的データベース https://bitdb.network
  2. BitSocket: ビットコインのためのリアルタイム・メッセージ・バス https://bitsocket.org

これらのプロジェクトはcraft.cash, oyo.cash, trends.cash, matter, simple ledger protocol, memopay.xyz ほか、もしあなたがビットコインキャッシュのユーザーなら一度は耳にしたことがある筈のたくさんのビットコイン・アプリケーションを助けている。

次に、私のアイデンティティについて。私は間違い無く完全にモラル・ハザードとは無縁であることを誇りにしている。利益相反も間違い無く完全に無い。私はビットコインキャッシュ・エコシステムのどんな関係者とも公式につながりは無い。私のことを個人的に知っている人は間違い無く誰もいない。比喩的な意味にせよ文字通りの意味にせよ、ビットコインキャッシュ・エコシステムにいる誰も私に会ったことはないし、誰も私の声を知らないし、誰も私に資金援助していないし、誰からも寄付を受け取ったことはないし、誰からも借金をしていない。

私はただビットコインが必要とする物を作ってきただけだし、これからもそうするつもりだ。とてもエキサイティングなプロジェクトにいくつか取り組んでいる最中で、もうすぐ公開できる予定だ。BitDBとBitquery、 Bitsocketは私が実際に構築しようとしているものの序章に過ぎないことをあなたは知るだろう。

最後に、私はここで自分のことを誰かに従うフォロワーではなく、自分で選択するチューザーであると言おう。私は自分が選ぶブロックチェーンを、“選択”している。私は最も優れたブロックチェーンを選択するだけだ。なぜなら私のプロジェクトはより高い価値に見合うものだから。

以上申し述べたことで、あなたが私のことを信用するのに十分だろうか?それとも私のことを誰かの回し者だと決めつけて、このページを閉じるだろうか?もしあなたが理性的な人であれば、少なくとも最後まで読もうとするだろう。なぜなら私の望むことの全ては、戦うことではなく、あなた達全てと協力して正しい方向に進むことだからだ。そしてあなたのおかれた状況がどんなものであれ、遅すぎるということはない。決めるのはあなた自身なのだ。

ビットコインにおける資本家の重要性

先週私はビットコイン・アプリケーションの開発者達にむけて公開メッセージを投稿した。

みんな、秘密を共有させてくれ。君たちの多くは物事を完全に逆にとらえている。開発者である君たちこそが、ビットコインの皇帝なのだ。ビットコインをひとつの国として考えてみれば、君たちはビットコイン国の富を築く資本家たちだ。労働から資本を生み出してビットコイン国の富を増やす君たちがいなければ、ビットコインには何の価値もないのだ。なぜなら、国としてのビットコインの富は、君たちが構築することで生まれる実用性によってもたらされるものだからだ。それは決して投機からもたらされるものではない。フォロワーのように考えるのをやめて、リーダーのように考えはじめるべきだ。その他大勢みたいなやり方はやめるべきだ。君たちは独立した人間なんだ。どのチェーンを“フォロー”するかの問題じゃなくて、どのチェーンを“選択”するかが問題なんだ。これは全く違うことだ。ブロックチェーンは売り手で、君たちが買い手だ。君たちこそが、“選択する”全ての力を持っているんだ。フォローする力じゃない。このことをできる限り心に留めてほしい。

「bitdbやbitsocket、bitqueryはどのチェーンを選びますか?」というよくある質問に答えよう:https://bitdb.network/21にあるように、4つあるノードの全てがサポートされる。それらのどれひとつとして廃止する理由は無く、それら全てを運用し続けるとても良い理由がある。それは、私が君たち開発者に理性的な選択をする機会を与えるためだ。私が君たちに代わって選択をするのではない。選択するのは君たちだ。君が皇帝なのだ。自分で選択をしてほしい。そして人生において決定する必要のある他の重要な事柄すべてと同じように、理性的な決定を下すためには、決心をする前にできる限り多くの情報を集めなければいけないしそれには時間と労力が必要だ。時間を作って自分で調べるべきだ。人に聞いて回るのもいいだろう。これはコードをいくつか書くよりも重要なことだ。最後に、もし自分の迷いの一部が感情と理性のせめぎ合いからくるものであれば、理性に従ってほしい。

覚えておいて欲しい、買い手は君たちなのであり、ブロックチェーンは売り手だ。プロジェクトを構築する場所としてブロックチェーンを探しに買い物に来ているのは君たちなのだ。君たちに選ぶ権利がある。君たち自身がいかに重要な存在か、みんなに気づいてくれることを願う。自分自身のことを無駄にしないで欲しい。

bitdb.network/21 Century Motor Company/There is No Company. 12:37PM

アプリケーション開発者は、ビットコインが国だとすれば資本家だ。国の富を決定するのは彼らだ。懸命な資本家は大衆に従うことはない。彼らは機会をとらえ、それに基づいて行動する。

私は最初からずっと言い続けてきた。ビットコインはアプリケーション開発者を引きつける必要があり、そうするための唯一の方法は新しい特色を付け加えることではなく、スケーラビリティ・安定性・万人への開放性に貢献していることをわかってもらえるように知らせることだと。下に引用するのは今年7月に受けたインタビューだ。

BC:もし次のハードフォークであなたが何か特別に付け加えたいものがあるとすればそれは何ですか?

Unwriter:成功するためには、現段階においてビットコインはビットコインそのものの成長よりもアプリケーション・エコシステムの成長に焦点を置く必要があります。なぜかというと、指数関数的な成長は個人営業の商人たちへのアドプションの結果起こるのではなくて、起業家や開発者がビットコインの上に有用なものを構築することによって起こると私は信じているからです。彼らは線形な入力から指数関数的な出力を(訳注:一般的な事柄から目覚ましい結果を)生み出すことに長けているので、もしビットコインが最も効率的に成長したいと思うなら彼らの信頼を獲得すべきだからです。なので、慎みながら言えば、プロトコル変更における一番の優先事項は、自営業者や個人ユーザーではなくて起業家や開発者の信頼を得たり興味を惹くという面で、より良くなるような特色を持つべきです。個人ユーザーや自営業者は、ビットコインでできる有用なことが増えたときについてくるでしょう。それまでは、たとえどんなにたくさんの人気を惹く言葉で飾り立てた特色を追加しても、個人ユーザーにとってはビットコインは投機アセットでしかないでしょう。

そして起業家や開発者の信頼を勝ち得るためには、ビットコインはそれがスケール可能で、安定的であり、パーミッションレス(訳注:何かをする時に誰かの許可を必要としないこと)であることを知らせる必要があります。もしスケール可能でなければ、彼らを惹き付けることはできません。なぜなら、その場合彼らは指数関数的な利益を得られる他のプラットフォームの上で物事を構築することを選ぶだろうからです。そしてもし、ビットコインにおいてはパーミッションレスに技術革新していくことが可能であることやビットコインの安定性を知らなければ、賢明な開発者はエネルギーを浪費してまでその上に何かを構築しようなどとは思わないでしょう。なぜなら、ある朝起きたとき、一晩のあいだにゲームのルールが変えられてしまっていて、そのために自分達のそれまでの努力が全て水の泡になってしまった事に気づくなんてことは、賢明な開発者は望まないからです。

https://news.bitcoin.com/a-discussion-with-the-prolific-bitcoin-developer-unwriter/

引用の最後の文を気に留めてほしい:

…ある朝起きたとき、一晩のあいだにゲームのルールが変えられてしまっていて、そのために自分達のそれまでの努力が全て水の泡になってしまった事に気づくなんてことは、賢明な開発者は望まない…

そして実際、ビットコインキャッシュにおいては、ゲームのルールは変わってしまった。それはもはや、私が関わったビットコインとは別のものだ。

ビットコインキャッシュは本物のビットコインか?

ビットコインキャッシュABCとその“コミュニティ”では今、何かとても間違ったことが起きている。巷にはあまりに多くの偽情報に満ちあふれていて、人々は「コミュニティで尊敬されている」と彼らがみなすインフルエンサーの仲間から来る情報なら何でもあまりに簡単に信じようとしすぎるように思える。そもそもそのインフルエンサーがなぜ「コミュニティで尊敬されている」のか、よくわかっていないような時でさえ。

この記事で私は、自らを変えてしまい二度と元に戻れなくなってしまったABCの今のありさまについて説明しよう。

  1. 検閲可能である
  2. 中央集権的である
  3. 安定性が欠如している
  4. パーミッションレスな(誰の許可も必要とせずに)技術革新がもはやできない
  5. 反・ビットコインマキシマリストである

私の視点が、これからどうしたら良いかわからずいまだに混乱している巷の多くのアプリケーション開発者の助けになれば、幸いだ。

社会的な義務や圧力から自分自身を解放してほしい。もしあなたの考えがあなたの雇い主や、社会的な派閥や、自分自身の過去の行いに影響されているなら、そのことに気づけるように努力して、それから独立して考えて欲しい。あなたには選ぶ権利がある。あなたがビットコインの世界に参入した当初に自分が貢献すると約束したものと、あなたの雇い主が支持しているものが違っていることにもし気づいたなら、その仕事をやめて別の新しい仕事に移ることだってできるのだ。

そもそも“何故”自分がここにいるのかをただ考えてみてほしい。

それでは、ビットコインABCの何が一体おかしくなってしまっているのだろうか?

1. 検閲可能である

多くのABC支持者が認知的不協和からあえて、又は間違った情報のために無視しているように思われるのがこの深刻な問題である。

ビットコインキャッシュABCは事実上検閲可能になってしまった。そう、ビットコインが目指し実現して来た『検閲耐性のあるお金』、まさにその価値ある性質がABCチェーンにはもはや無い。まだあなたが気づいてないだけだ。

中央集権的なチェックポイントが“戦争”のあいだに施行された時のそのやり方は、ビットコインABCの上に何かを構築しようと考えている全ての開発者にとって深刻な危険であるはずだ。

中央集権的なチェックポイントを施行するという全体の計画は、閉ざされた扉の向こう側にある暗号通貨取引所カルテルによって助けられた。これは(“ビットコイン的な道義”という意味で)道義にもとるだけでなく、潜在的に違法であり、かつ、そのコインを実際の世界における文脈においてさえ“脆弱”にする。道義は主観的なものだが、危険は現実のものだ。

ここに録画されたライブストリーミングの動画がある。この動画の中で、この「(BCH)ティッカーシンボル獲得作戦」が、(Proof-of-Workを通じてでなく)ABCの開発者と暗号通貨取引所のカルテルによっていかに達成されたかが順を追って説明されている。

この中央集権的なチェックポイントに関して興味深いのは、力を持った敵がいつかBCHネットワークを破壊する合理性とそのための手段の両方がそれによって提供されるという事実だ。すでに合意形成が済んだチェーンに対して彼らが望む改ざんをするために、彼らはただ単に中央集権的なチェックポイントを最大限に利用してABCの仲間のカルテルを攻撃するだけでよい。そしてユーザーであるあなたにはその時何が起きたのかさえ気づくことはないだろう。

もちろん私は、「回し者は黙ってろ、そんなの全部ただの理論上のことで、実際には起こるわけないさ!」と多くの人が言っているのは知っている。しかし、もしあなたが暗号通貨とかセキュリティとかについて少しでも何かを知っているなら、いつも、あとで後悔するより疑心暗鬼になるべきだというのが経験上の規則のはずだ。なぜなら暗号通貨は永久にその過去の履歴を残し続けているから。ブロックチェーンは永久に残る。一度生み出された脆弱性がどこかへ消え去ってしまうということは決して無い。

もう一つの規則は、脆弱性のある所には必ずつけこむ者がいるという事だ。これは避けようがなく、問題はただ「それがいつ起こるのか」である。もしあなたが私の言うことを信じないのなら、イーサリアムに訊ねてみれば良い。DAOのハッキングに対する脆弱性は悪名高く、しばらく皆に知られていたが、どんな理由にせよそれが実際に起こるなどとは誰も思っていなかった。

それが実際に起こるまでは。

思いだしてほしい。起こる可能性があることは、起こる。特にそれがお金とかセキュリティに関することであれば。

DAOは2016年4月30日から28日間の資金調達窓口を開設した。

どのような理由であれ、The DAOは5月15日までに1億ドル以上の資金を調達し、人気を博した。そして資金調達期間の終わりには1万1千人以上の熱心な投資家から1億5千万ドル以上を調達し、クラウドファンディング史上で最大の成功を収めた。DAOは、クリエイターの想像よりもはるかに多くの資金を調達した。

クラウドファンディングセール期間中に、コードが攻撃に対して脆弱であるという懸念が表明されていたので、(訳注:悪材料があるにもかかわらずファンディングが成功したという事は)マーケティングの出来は実際のプロジェクトの内容よりも優れていたと言えるだろう。

クラウドファンディングセールが終了した後、資金提供の提案を開始する前に脆弱性に対処するための話し合いが初めて行われた。特に、DAOのクリエイターの1人であるStephan Tualは6月12日、ソフトウェアに「作業の呼び戻しバグ(recursive call bug)」を発見したがDAOの資金は危険にさらされていない、と発表した。

イーサリアムのDAOハッキング事件から私たちが学ぶことのできるもう一つの教訓は、事件後にイーサリアムの運営チームがそれを処理したやり方だ。

経済に干渉する事なく続けるかわりに、コア・イーサリアム・チームとそのインサイダー達はハッキングの犠牲者を“救済”し、それによってイーサリアム・コミュニティの“重要な初期メンバー”の幾人かを助けることを決めた。

これがETHとETC(イーサリアム・クラシック)が二つに分裂した理由である。ETCは原理原則の重要性を信じる人達に支持され、ETHは妥協することを選んだ人達によって支持された。この出来事によって、中央集権的なプロトコル開発チームがどのようにしてケインズの役を演じ、お互いにたくらみをめぐらす強力な独裁者たちを通じてどのようにして台帳を巻き戻すことが可能であるか、実際に明らかになった。

そしてこのために、初期のイーサリアム投資家の多くがこのプロジェクトへの信頼を失ったのである。

@VitalikButerin 5/ 現在起きていることを理解するには、過去に起きたことを理解しなければ。イーサランドのすべてはあの悪名高いDAOハッキング事件からおかしくなった。

@_Kevin_Pham

それは縁故資本主義に陥ってしまった。下の引用でもそれがわかる。

転ぶには大きすぎる

リーマンブラザーズ事件のわずか一ヶ月後、他の複数の銀行が特別扱いを受けた。そしてそれが良い考えなのかどうか、あなたは自分で判断できる筈だ。これはすぐそこにある状況と極めて似ている・・・The DAOは孤島ではない。

イーサリアムのエコシステムの観点から、それは「転ぶには大きすぎる」と判断された。イーサリアム財団のなかに、DAOトークンを保有しかつDAOプロジェクトのなかで発言権を持つ人がいたことは、記憶に留めて然るべきだ。イーサリアムの最初の出資者の一人であるギャビン・ウッドでさえ、自身のブログでこのフォークに賛成した。

このように見ると、何か他の大きなプロジェクトを救う必要が出てきたり、イーサリアム基金が、自分で作った前例のように、もう一度マイナーに履歴を書き換えるように要求する可能性もあるだろう。

銀行のベイルアウトとの類比は注目に値する: 銀行は大きなリターンを期待して大きなリスクをとることができた。そしてそのトレードがうまくいかなくなったとき、税金で救済された(哀れなリーマンブラザーズを除いては)。リスクの非対称性は、市場の参加者を動機付けるにはよくない方法だと一般に考えられている。

https://www.coindesk.com/understanding-dao-hack-journalists

今やこれらの類似点がわかってきた人もいるだろう。

そして、何が起きているのか私には気づくことさえできないうちによく知らない敵の門番たちの慰みものにされてしまうかもしれないものの上に、自分が誇りを持っているインフラストラクチャーの全体を構築して気分よくいるということが、これらの事があった後明らかに私にはできなくなった。

今日はないかもしれないし明日もないかもしれない、しかしそれが起こる可能性があるなら、たとえそれが何十年も後だったとしてもそれは起こるのだ。それはただ時間の問題なのだ。それは正貨とは言えない。それは安全性の欠如したお金だ。

考えてみてほしい: いつかそんなふうに操作されたりダメになってしまったりするかもしれないものの上に何かを構築したいだなどと、どうしたら思えるだろうか?私は永遠に続くものを構築しているのだ。だから私の目にはこれはすでにゲーム・オーバーなのだ。

2. 中央集権的である

中央集権にはいろいろな形があるが、ここではABCがこの戦争を通じて最終的に達成した“プロトコル開発中央集権”についてのみ論じたいと思う。

過去に、反ビットコインキャッシュの人達が「ビットコインキャッシュの開発陣は中央集権的だ」と批判しているのを聞いたことがあるかもしれない。明らかにこれは事実ではなかった。少なくともこのハッシュウォーの起こる前までは。同じビットコインキャッシュのプロトコルの上で様々な機能の実装にビットコインABC、ビットコイン・アンリミテッド、ビットコインXT、Bitprim、Floweeなどのたくさんの開発者が携わっていた。

確かにこれらのたくさんの実装はいまだに生きているしうまく機能しているように見えるけれども、しかし今ではそれらは過去の残像として存在しているに過ぎない。

今日に関していえば、ビットコインキャッシュにおいて究極の権力を持っている唯一のクライアントはビットコインABCであるという現実を否定できる人は誰もいない。他のすべてが、“フォロワー・クライアント”として機能するだけのところまで追いやられてしまった。ABCは他のチームと何かを議論する必要すらない。彼らは「パーミッションレス」なやり方で、新しい実装を勝手につけ加え、発表することが簡単にできる。

ABCが他のどの開発チームとも相談さえせずに可変チェックポイントシステム(デフォルト設定は10ブロック)を実装した最近のいくつかのリリースのなかにありありとその様子を見ることができる。ビットコイン・アンリミテッド・フォーラムで憤慨が巻き起こる様子をあなたは見ることができる。

ここでは、あまりに深くABCとかかわりすぎていて問題が見えなくなっている人と、その問題を告発する人のあいだで内部抗争が繰り広げられている。 しかしこの新しいABCの操り人形的統治体制のもとではこれらの人々には何の影響力もないので、このことは何の効果ももたらさないだろうと私には思われる。

3. 安定性の欠如

ビットコインABCはもはや「正貨」ではない。問題はいろいろあるが、ここではいくつかに絞ってABCの何を裏切りだと私が思ったかリストアップしよう。

はじめに、ビットコインSVからの存在したかどうかも怪しい想像上の攻撃から防御するためにビットコインキャッシュの憲法に書き込まれた“修正”、状況に反応した結果であるこれらの様々な“修正”は、大きな危険信号である。この戦争は先週、バージョン0.18.1の時に始まった。しかしたったの一週間後の今やもう 0.18.5である。彼らの開発レポジトリによれば、彼らはすでに 0.18.6を完成させている。だからまたすぐ新しい発表が多分あるだろう。

次に、これらの修正は必要のない技術的な汚点と深刻なセキュリティ上の脆弱性を付け加えた。そのために彼らは次から次へとパッチを発表して前のパッチで生まれたバグを修理しなければならなかったほどだ。無謀なほど矢継ぎ早の発表の結果、ネットワークはそれぞれ異なるバージョンのルールを持つたくさんのノードの間で分裂してしまった。今私はここでABCクライアントのみの話をしている。ゲームに参加し続けるためにこれらのパッチに毎日対応し続けるビットコイン・アンリミテッドのような他のクライアントにとってこれがどういう意味を持つか想像してほしい。そして私が知る限り、ビットコイン・アンリミテッドはABCから続く発表をフォローすると自ら意図さえした唯一のクライアントだった。

これらのビットコイン・アンリミテッドのような「従属的ノード」の開発者にはこの権力の力学がどうにかして将来変わるだろうという浅はかな希望を持っている人もいるだろうが、今回それは間違いだ。中央集権的なチェックポイントを実装して彼らの目指す目的のために外部関係者と共謀することをABCに許した瞬間に、あなたはすでに負けたのだ。あなたが権力を渡した相手はABCではなく、中央集権的な外部関係者であった。

最後に、いまやビットコインSVが去ってしまい、チェックしたりバランスをとる者がいないので、彼らは喜々としてあらゆる種類のベルや口笛をビットコインに追加し続けている。たとえば、ここで彼らのmaster branch上にあるアヴァランシェのためのコードを見てほしい。これは悪名高い「プレ・コンセンサス」としても知られている。

mempoolの同期のためだけに使われるだけなのでこれはそれほど大した問題ではないと多くのABC支持者が言うだろうことはわかっている。しかし彼らは、このことがどういう種類の経済的意味を持つかということは全くわかっていない。経済は精妙なので、古典的オーストリア学派の経済学者はいつも「迷ったら、市場に任せよう」と言う。それに対しこれはいわゆる「ケインズ学派的」であり、ABCはこの状態を達成するために懸命に努力している。

ブロックサイズの変更と違って、アヴァランシェのようなものはmempoolとブロックチェーンの間の力学を完全に変えてしまう。そしてそれは採掘業者(マイナー)のインセンティブに直結している。これが経済的にどのような結果になるか正確に知っていると言う人はみな嘘をついているだろう。

欧州人が初めて彼らの外国の植民地から金(ゴールド)を持ち帰った時、それがインフレを招きかねないということは彼らにはわからなかった。彼らは自分が裕福になれるだろうと考えただけだった。当たり前だ、あなたが余計に金を持ったら、裕福になるだろう、違うか?そして少なくとも短期的に見れば彼らは実際に「裕福」になった。しかしその後インフレは起こった。そして何が起こっているのか誰も知らなかった。

ビットコインにも同じことが言える。ただmempoolをより速くしただけで、あなたが成功したことにはならない。もしmempoolの同期を千倍速くしたとしても、そのことはビットコインの経済を完全にめちゃくちゃにしてしまい、事実上使えない台帳にしてしまうだろう。おめでとう、今や君は、その使えなさを千倍の速さで体験することができる。

そして忘れてはいけない。これはあなたが文句を言えばどこかへ行ってくれるような代物ではない。この(プレ・コンセンサスとしても知られる)アヴァランシェの実装はこのハッシュウォー全体が起こされた主要な理由だった。

ABCはこの実装を諦めることができなかった。なぜならもしやめたら、彼らが自分で何をしたのかわかっていなかったと認めたことになるからだ。そしてそれは彼らがすべてを失って何も得られないということも意味する。だから彼らはこれを手にして進んでいくだろう可能性が非常に高い。そしてそうなったとき、次の二つのシナリオのうちのいずれかが現実となる。:

  1. ちょうどBTC陣営の全体がすべての危険信号を無視してライトニングに賭けているのと同じように、“コミュニティ”は波風を立てないようおとなしく従う。
  2. 誰かが絶対的にこの変化を嫌い、もう一度フォークして分裂することを選ぶ。(ビットコイン・アンリミテッドのフォーラムにその初期の徴候が見られる。 https://bitco.in/forum/threads/gold-collapsing-bitcoin-up.16/page-1301 )しかし時すでに遅し、ABCはあらゆる種類の荷物をすでに付け加えてしまったし、分裂することが必要だとあなたたちが気づくころにはもっと付け加えてしまっているだろう。

まあ幸運を、あなたたちのコインとともにすべてがうまくいきますように。しかしどちらの道をとってもそのコインは安定性に欠けすぎている。それはビットコインではない。

そして私が構築するのは、ビットコインの上にだけだ。

4. パーミッションレスな技術革新がもはやできない

ビットコインABCが主張して来た論点の一つに「パーミッションレスな技術革新」があった。しかし皮肉にも、ビットコインABCはもはや「パーミッションレスな技術革新」ができる場所ではない。

自分達の取引所カルテルのおかげでBCHティッカーを奪取し、まだ始まってもいない戦争の集結を誇らしげに宣言してABCチームの皆が良い気分になっているように見える一方で彼らが気づいていないことは、ビットコインABCによるすべての実際的なアプリケーション開発者に対する裏切りはまさにこの点だということだ。

彼らは事実上自分達を縁故資本主義的なブロックチェーンに変えてしまったのだ。

この「ティッカー奪取」作戦をやってのけることでABCは、いかにプロトコル開発者が取引所カルテルや中央集権的採掘業者などの外部関係者と共謀して中央集権的な政策を施行することができるかという教科書的な例を実際にやってみせた。それをあまりに効果的にやったために非中央集権的なハッシュパワーによる競争が成立しなくなるほどだった。チェックする者もバランスを取る者も存在せず、ただその幻影だけが存在した。

このことについて考えるのはとても恐ろしい。私は多くの人が中央集権化を懸念していることは知っているが、これは中央集権化よりもたちが悪い。なぜなら、それは公には非中央集権の幻影を見せながら実は誰も知らないところで中央集権的だからだ。

存在する他の中央集権的なプラットフォームのなかでは少なくとも彼らは自分達の中央集権性について透明性を保っている。しかし縁故資本主義は外の世界には普通の資本主義に見えるし、縁故中央集権は外の世界には非中央集権に見える。

これの意味することは、いまやあなたは政治的に振る舞い、取引所や、その関係者に影響力を持つBitcoin.com、Bitmain、Bitcoin ABCなどの企業とうまく付き合わなければならないということだ。彼らは事実上コンセンサス・メーカー、合意を形成する存在である。

これはまさに私たちが今日暮らすこの腐敗にまみれた世界と同じである。そしてビットコインはそれを正常な状態に戻すことを期待されてきたのに、である。

私は自分の「パーミッションレスな技術革新」をいつでも簡単に台無しにされかねないプラットフォームの上で働くことに自分の時間や資源を投資したくない。たとえば、あなたがたまたま何かワームホールと競合するものを構築することになったとき、ABCのプロトコル更新によって打ちのめされるまでは気づきもしないようなさまざまな微妙なやり方でそれの実装を妨げられることが予想できる。

アプリケーション開発者としてあなたが構築するどんなものもこの得体の知れないカルテルに無効にされかねない。まるでちょうどTwitterがいつも彼らの「オープンAPI」を操作して彼らの潜在的な競争相手をまさにTwitter上でのこの用語と同じ意味でブロックすることができるように。(MeerkatとPeriscopeの間で起きたことを見てみればよい。)

そしてさらに悪いことに、あなたが死んだとしてもユーザーは気にとめもしない。彼らはわざわざ議論を巻き起こしてそのコインの値段を下げるようなことはしたくないので、あなたを悪者として排除しようとするだろうし、黙らせようとさえするだろう。彼らは、ただ戦争に勝ってつつがなく世間とうまくやっていく門番達のほうをむしろ好むのだ。Redditのr/btcですでにそのことをかいま見る事ができる。

私がビットコインキャッシュに携わるようになったのは、それが私の考えに合致する唯一の開かれたプラットフォームだったからである。それは私のような偽名の人間が、オフ会とハッカソンに参加し「仲間を作り」、前に進むためには政治的に振る舞わなければならないということを抜きにして、ただ世界のために何かを構築し、そしてその構築したものによってのみ判断されるということが可能な唯一の本当に開かれたプラットフォームであったからだ。

しかし今この新しいABC体制の現実のなかで私が働くためには、私はbitcoin.comとbitmain、そして事実上チェーンを所有しているいくつかの取引所と良好な関係を築く必要がある。たとえ私が政治的に振る舞い、彼らに媚びへつらって影響力を確保したとしても、これらの門番がいつでも彼らにとって意味あるときには思い通りにプロトコルを変えることができる権力を全て握っている存在である限り、これらすべては幻影にすぎないのだ。

このようなことこそまさにこの地球上から消えて然るべきことであり、ビットコインはそれに対する解決として期待されたのだ。

もしあなたがビットコインのアプリケーション開発者だったとしたら、いままでにどんな立場をとったかにかかわらず、一歩引いて冷静にこのことを少しだけ考えてみて欲しい:あなたは「前に進む」ために、ABCチーム、 Bitmain、bitcoin.comとうまくやっていく必要を感じるだろうか?それが成功の道だと思ってすでにそうしているだろうか?もし答えが「イエス」なら、あなたは間違っている。それが意味するのは、すでにそれは「パーミッションレスな技術革新」ではない、ということだ。あなたはパーミッション(訳注:許可を得る必要)を想定している。

Googleはティム・バーナーズ=リー(訳注:wwwの考案者)と友達になる必要はなかったし、Facebookもそうだ。彼らはただ単に価値あるものを構築しただけだ。そして人々がついて来た。ABCと一緒ではそのようなことはもう不可能だ。

5. 反・ビットコインマキシマリストである

私はビットコインマキシマリストだ。偽善者の束みたいにお互いにニコニコ楽しくやって結局どこへもたどり着けないような数百万種類の小さくてハッピーなコインが存在するような世界のために私は開発しているのではない。

もし私がこのようなものをビットコインだと信じていたとしたら、私はBitDBとBitsocketのようなインフラストラクチャを構築するために時間を無駄にしなかっただろう。私には人生でやるべきもっと良いことがある。

ビットコインABC陣営で私が一番問題だと思うのは、ビットコインが世界の究極かつ唯一の通貨になる未来に彼らが全く興味が無いことだ。私がこれまでに気づいた事をここに挙げよう:

  1. 彼らはビットコインマキシマリズムを間抜けのクソだと思っている
  2. 彼らはProof of Workはスケーリングできないと思っている
https://bitco.in/forum/threads/gold-collapsing-bitcoin-up.16/page-1310#post-84951

これは、その通貨が成功するためにコアプロトコル開発者に賭けている全ての投資家に対するマインドセットとして、とてつもなく無責任なものである。

「私は他の数百万種類の草コインと私のコインが仲良く幸せに今後もずっと共存してほしい」なんてことをいう投資家はいない。

親愛なる投資家の皆さん、あなたたちは本当に、それが全世界を席巻する唯一のコインになるということを開発者が信じていないどころかそんなふうに考える事を間抜けのクソだと思っているようなコインに、本当に投資したいだろうか?

王は一人しかいない。そしてそれはビットコインだ。

私はビットコインキャッシュにおいて二つの重要なインフラストラクチャーの構築に携わって来た。

  1. Bitdb: ビットコインのためのNoSQL データベース
  2. Bitsocket: ビットコインのためのリアルタイム・メッセージ・バス

そしてこれらのプロジェクトが根本的に想定しているのは、

  1. 台帳は将来にわたりずっとひとつだけであること
  2. Proof of Workが機能すること
  3. ビットコインが無限にスケーリングすること

私がこのことを明確にさせたBitDBの文書「どのチェーンをBitDBはサポートするか?」からここに引用したいと思う。

Proof of Workによって担保される安全性を損なわずにオン・チェーンで無限にスケーリングする潜在能力が基本レイヤーにある、ということが、BitDBの主要な想定である。このことを気に留めておくことが重要だ。

https://docs.bitdb.network/docs/chain#3-infinite-scaling-ledger

ビットコインは資本主義である

ビットコインは資本主義の21世紀の形である。アメリカ合衆国は資本主義を実施することで新興の経済大国がいかにして生まれるかを実証した。そしてそれに追従した他の多くの国々も、市場の見えざる手を信じることでいかにしてその国の富を増すことができるかを実証した。

「ホワイトペーパーのこれが、ホワイトペーパーのあれが」とか「ホワイトペーパーは10年も昔のもので何の意味もない」とか言い続けている人達は完全に論点を捉えそこねている。

ビットコインの発明者はアダム・スミスだ。

ビットコインのホワイトペーパーは、もし資本主義がアルゴリズムとして実装されたらどのような形になるかを示している。それは洞察だ。残りは詳細でありそれが機能するように微調整される。次の問いを自らに問うて欲しい:もしビットコインがひとつの国家で、その富を増すためにあなたが一つその経済システムを選ぶとしたら、どれだろう?

  1. 社会主義
  2. 縁故資本主義
  3. 無政府主義
  4. 自由市場資本主義

どの経済システムに、ビットコインが究極の支配的通貨になるチャンスが一番あるとあなたは思うだろうか?

Proof of Workはただのアルゴリズムではない。それは生き方だ。

“Proof of Work”のコンセプトはただ単純に、最初にアダム・スミスによって考案された自由市場資本主義を形にするアルゴリズムである。

どんな会社や採掘業者とも仲良くする必要はない。私のしなければならないのは構築することだけで、そして人々がそれを使う。あなたが何か有用なものを構築する限り、あなたは自分が構築したものによって判断される。あなたが個人的に知っている者によってではなく。

実際、nChainとcoingeekの上の人達はいまだに私が誰なのかを知らない。(ABC、Bitmain、Bitcoin.comの側の人達も同様に知らない。)しかし私はただ構築することができ、人々はそれを使うことができる。会う必要はないし、私のことを知る必要もない。なぜならブロックチェーンがすべてを目撃しており、すべては透明性が保たれているからだ。それがビットコインの核心なのだ。

「ビットコインでは、君が犬でも誰も気にしないよ」

あなたは、あなたが知っている人ではなく、あなたがすることによって判断される。それこそがビットコインの美しさであり、ビットコインの理想郷を私たちにもたらしてくれるものだ。

そこには中央集権的なカルテルは存在しない。ビットコインSVの側にあなたが見た「敵」はただ単に一生懸命働いた結果ネットワークを安全に保つだけの正直な採掘業者だ。彼らは私が自分の仕事を構築してきた場所であるプロトコルをめちゃめちゃにしたりはしない。プロトコルに首を突っ込んで干渉するようなことから遠ざかろうという意思を彼らは明らかに見せている。これこそまさに私がインフラストラクチャー開発者として望むことであり、あなたがアプリケーション開発者として望むべきことである。カルテルの癒着に自ら参加して「前に進む」ことやインサイダーになって公正でない利益を得ることがあなたの計画であったなら話は別だが。

怖れない

もしビットコインSVに関するあなたの一番の気がかりが、Nchainが恐ろしいということだとしたら、あなたは理性的な確信に基づいてではなく、恐怖にかられて物事を選択していることになる。

世界には二種類の人間がいる。怖れる人間と、怖れない人間だ。

私は怖れない。自分が構築したいものに対する明確なビジョンが見えていて、それを実行する能力があり、環境が公正なものなら、怖れがあろう筈がない。そして世界は怖れない人々によって形作られるのだ。

しかしあなたは「Nchainとその特許に関してはどうなんだ?」と言うかもしれない。私の答えはこうだ。私は間違いなく特許のゲームがどのように行われるか知っている。そしてそれがどのように行われるか知っているからこそ、私は怖れない。特許を怖れる人達のほとんどは今まで特許を取得したことのない人達だ。または数々の特許の下に守られた企業に対して勝利できる何かを構築したこともない人達だ。これらの事柄は物事を動かす力を持った人にとっては問題ではない。

(特許は20年後に切れるということも私は言及しただろうか?あなたが別のチェーン上にいたとしてもこの特許が適用されるということも?特許問題は100%無関係だ。あなたが好むと好まざるとに関わらず、それによって何も変わることはないからだ。)

あなたが優れたプロジェクトを構築できている限り、公正な世界で働くことができる限り、そして顧客を惹き付けることができる限り、怖れるべきことは何も無い。もしあなたが有能な開発者なら、同じように感じるはずだ。そうでなければただ単にあなたが自分のことを負け犬とみなしているということにすぎない。

あなたは何者だろうか?あなたは怖れる者だろうか?それとも自分は世界を変えることができると思うほどにクレイジーだろうか?

ビットコインSVが本物のビットコインだ

「ビットコイン」という言葉が何を意味するのか、もはやここで説明する必要は無いと確信しているが、それでもやってみよう:

ビットコインSVが本物のビットコインだ。これは意見ではない。

これは事実だ。ビットコインは機能する。

そして私はビットコインの上に全てを構築することを選ぶ。

私はビットコインSVの上で仕事することを100%安全だと思う。その理由は、プロトコルが全く変えられていないこと、見えない場所で中央集権的な密約がなされてきていないこと、そしてそれが以下の事柄を同時に実現している唯一のビットコイン・フォークだからだ。:

  1. 純粋なProof of Workに基づいて運用され続けている
  2. 無限にスケーリングすることが志されている
  3. プロトコルをめちゃくちゃにいじる意図が無い
  4. ビットコインマキシマリストを歓迎している

ビットコインSVのチェーンは、外部からの操作が無いので公正な世界である。“コミュニティ”の全体はビットコインの哲学を強く信じる人達によって構成されており、自分の法定通貨的な豊かさや影響力のために外部関係者を崇拝するような人々によって構成されているわけではない。だからこそビットコインSVは堅牢でありつづけるだろうし、簡単に操作されないであろう。あなたが信じるものが概念であって人ではないとき、操作することは簡単ではない。概念は永遠だ。

さらに、ビットコインSVが結果としてさらなるアドプションを得ることができたときには、その採掘から利益があがるようになるので、世界中からより大規模な採掘業者が参加してくるだろう。サムスンやソニー、ハネウェルのような企業が採掘業を運営することを想像してみてほしい。他の皆が生き馬の目を抜く競争に参加している時に、これらの超巨大企業のどれかがビットコインを事実上独占支配する王になれるなどとあなたは思うだろうか?もしそう思うなら、あなたはビットコインを理解していない。

完全な自由市場資本主義においては、永続的な独占はありえない。独占はケインズ主義者の世界や縁故資本主義のもとでのみ存在しうる。これらの両方に、ビットコインABCはなってしまった。

将来、もしビットコインSVの誰か関係者が腐敗して堕落したときは、私はそのことを発見することができるだろうし、それに対して行動を起こすことができるだろう。そして私だけでなく誰もがそうできるだろう。そしてたとえもし“第二次ビットコイン・ハッシュウォー”が起きても、本物のビットコインは完全に生き延びるだろう。ちょうど今週そうだったように。

Note from translater:

この翻訳を、かつてTwitter上でPoWの意義について熱く語りあったが今はABCの宣伝塔になってしまった、AAアートで皆の気持ちをつかむのが得意な、英語の不得意な友人に捧げます。

この記事を翻訳するにあたりクリプトに関する日本語Twittererとしては無くてはならない存在であるべーすけ氏( @SatoshiVisioner )に助言を頂きましたことを感謝申し上げます。しかしこの翻訳の全責任は私にあります。

完全なるボランティアでの翻訳なので、もし誤訳があった場合でも、それを信じて行動した結果発生するいかなる損害にも責任は負いかねますのでご了承下さい。もし誤訳を発見されましたらそっと教えて頂ければ幸いです。

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