彼方の月虹、眩しくは瞑りて【明晰夢について①】

life is gone to wise.


“明晰夢を見続けていると人格崩壊を起こす事がある”

と、聞いたことがある。


明晰夢(めいせきむ)とは夢の中で覚醒し「夢の中で夢と気付く」という状態のことを言う。

もともと夢日記をつけたり、夢に関して考える事が好きだった。

5年くらい前から現代音楽を聴くようになって、瞑想もするようにようになると、自然と夢の中で「夢だと気付く」事が多くなっていった。


夢の中での「気付き」は、目が覚める感覚に近い。

どうしてそこが夢なのか?という点は、ここが自分の部屋ではない。という事を思い出して気付く。

慣れない頃は「あれ?なんかおかしいぞ」

という意識からの流れで夢だと気付いた。

慣れてくると夢に突入した時点で、自分の部屋ではないので夢だとすぐに気付く。


夢に関して真剣に向き合うと、色々な事を発見した。

最初の発見は「最後に見た夢しか憶えていない」という事だった。

睡眠中に、人は何度も夢を見ているという話は何かで聞いた事があった。


夢の中で、夢だと気付く事が日常になると、覚醒度も増して、現実と然程変わらない思考や行動が出来るようになってくる。

そうすると、1度の睡眠で何度か夢を見ていることに気が付いた。

理由は単純、夢の中で夢だと気付いた時、前に見た夢を憶えているからだ。

最初の頃は、記憶のモヤ(うろ覚え)のような感じだった。

(夢の中で)「あれ、なんかさっきも夢を見たような気もするなぁ」という程度。

何度もそうしているうちに、確信をもった。

「確実にこれ(今)は2つ目の夢だ」


だけど夢の中でどれ程鮮明でも、次の夢に突入した際に、その前の夢は確実に忘れてしまう事にも気が付いた。

脳のストレージの問題なのか、どうも一時記憶の容量がそれほど多くはないみたい。


7時間の睡眠で3〜5回くらいは夢を見た。

毎回違う体験をしているので、これを現実世界(どちらも現実)に持ち帰らない手は無いと思い、方法をいくつか試した。


まずは鮮明な記憶だった。

しっかりと頭の中で復唱して考えて、記憶する。

夢の中では“行動”にいつも以上の集中力が必要で、特に精神面、内面的な意識の部分での“考え”や“意識”は特に集中力がいる。

記憶や意識に集中し過ぎると、明晰夢の覚醒の度を越して眼を覚ましてしまった。


眼が冷めても、自分が何をしようとしていた事までは、しばらく(何十回か)は思い出せなかった。

不思議と、夢の中で考えついたことなんかは、夢の中で思い出す。

記憶している脳の部分が近いのだろうか??

そして「全ての夢を持ち帰る計画」→「Get Back Dream計画(通称:GBD計画)」(すいません今つけました)は不毛な検証が続いた。


夢の中で夢を持ち帰るために行動する。

だけど目が覚めると「何をしようとしていたか」までは憶えていない。

眠る→思い出す→行動→目が覚める→忘れてる→眠る→思い出す…

複雑な思考の流れはなかなか思い出しにくかった。


そんな不毛な無限ループを繰り返していた時、

いつもの夢の中で、ポケットの中に入っているガムが「前の夢から持ち込んだ物」だという事に気が付いた。

服装は違えど、ポケットの中に入っている物は、なぜか次の夢の中への持ち込みが可能だった。


「起きている世界」の中でもガムが好きだった。

普段ポケットの中に入っているのは大体、ガム・携帯・鍵・財布・煙草。

でも夢の中では社会と断絶したい、自分の世界に入りたいという意識の現れか、携帯や財布は持っていなかった。

煙草や鍵はたまに入っていたけど、それに関連した夢を見る時にしか現れなかった。煙草は辞めたいと思っていたし(今禁煙中です)。

ガムは思考を鮮明にするアイテムとして夢の中でもよく噛んでいた。

ガムを噛んでいると落ち着いて、より明晰になる。


次の夢へ持ち込んでいるのか、次の夢で再生された「次のガム」が入っているのかは分からない。

けど、不思議とポケットの中はなぜか繋がっている。

それこそ脳のストレージの問題か、ポケットの中に入るものじゃないと次の夢へ持ち込めなかった。


そこで、

前に見た夢を、メモとして紙に書いてポケットの中にしまってみた。


すると、次の夢の中でもそのメモは残っていた。(ここまでで3ヶ月くらいかかった)


つまり、「思考のアイテム化」に成功。


おそらく「思考」や「記憶」よりも「もの」の方が脳のストレージを使わないのだろう。

こうして前の夢を記憶する事が出来るようになった。


あとはその繰り返し。

・前に見た夢をメモとして残す

・ポケットに入れる

→いつの間にか次の夢へ

・ポケットの中のメモを見る

・前回の夢を思い出す

・「今」の夢を体感

・前回の夢と、今回の夢をメモに残す

・ポケットに入れる

→いつの間にか次の夢へ

・ポケットの中のメモを見る

・前回、前々回の夢を思い出す…メモに残す…思い出す…


この繰り返しで、1度の睡眠で見た全ての夢を持ち帰る事に成功した。

夢の記憶は寿命が短いので、それを「夢日記」に書き記す。

そんな睡眠生活をずっと続けていると、記憶の中で夢と現実の境界線がどんどんなくなっていった。


気付いたのは、友達と話していた時だ。

もともと仲の良い友達(夢の中でもよく遊んでいた人)に、夢の中での共通体験を話してしまったのだ。

「え?そんな所、一緒に行った事ないでしょ?」

あれ、おかしいな。こんなに鮮明に記憶しているのに。

夢日記と、現実の日記を見返してハッとした。

これ、夢の中の出来事だったんだ…。


こうして僕は「夢」の迷宮へと深く吸い込まれて行く。

このあとの「夢」の話はまた、次回。

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