駅のホームの非常ベルから学ぶ目的の違い
斉藤 正賢/Masanori Saito
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目的意識

以前の私が多分、「目的→時間」の人だったと思う。電車が安全に目的地まで乗客を運んでくれることは当たり前であり、自分に限って事故には遭わないと信じ込んでいたけれど、それは「目的→安全」を思い仕事を全うしている人たちの努力の賜だ‥なんて発想はなかった人。

16歳で演奏家(作詞家・作曲家その他を兼ねる)で業界に進出してからと言うもの、「企業」のペースで日々を生きることが当たり前だった。だが、2011年のあの大地震の後、考え方が180度変わった。
今日までこうして無事で生きて来られたことは、ある意味奇跡。何百回、何千回と電車や飛行機、新幹線やバスに乗り、一度も大きな事故に遭わずにこうして生きて来られたのはやはり「目的→安全」を第一に考えて仕事をしている方々のお陰。
そう、あらためて実感する。

最近の私は約束の時間の30分前に目的地に到着できるよう、常に早目早目に支度を進めることに決めている。
その30分が仮にに無駄になっても‥等と考えることもなくなり、時間をゆっくりゆったりと使うことで支度の時間をも楽しめるようになった。
ある意味では隠遁生活者だからと言えなくもないけれど、世俗を少し離れるとそこには世俗にはない世界観も又在ることも事実。

むしろ通勤常習者から免れて生きている今だからこそ、「時間」の有難みを深く感じられるようになった気がする。

一見無駄に見えるような時間の中に、無駄など一つもない。今ならそう言い切れる私は腕時計を使うこともなくなり、太陽時間に包まれながらマイペースで音楽を奏でる芸術家人生を静かに歩んでいる。

追記
斉藤 正賢さんの書かれる文字には、いつも気付きが秘められています。私にはない着想・発想を垣間見ることで、私も小さな前進を試みることが出来ます。
ありがとう御座います。