コンテンツ内容にピッタリなロゴのデザインができるまで

Erika Ito
5 min readDec 14, 2015

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シンプルなデザインなら、簡単にできるでしょ?

こう思う人も多いかもしれません。でも実は、ササッと作られているように見える、シンプルなデザインも、派手なデザインと変わらないくらい手間がかかっています。

今回は、私が担当したDiver in the Darkのロゴの制作過程をご紹介します!近頃、巷で話題の「ロゴデザイン」ですが、制作プロセスを知ることで、デザイナーの仕事内容をもう少し知って貰えるといいな〜と思います。

まずはリサーチ

まず最初にすることは、ロゴを作る対象ついてリサーチをします。例えば、会社ロゴだったら業務内容や会社のカルチャー、ビジョンをヒアリングします。今回のようにコンテンツのロゴだったら、その内容、イラストやアニメーションのトーン、それからターゲット等の理解を深めます。

そこから、どんなモチーフが相応しいか、暖色が合うのか、寒色のほうがイメージに近いのか、、など色々と考えをめぐらせます。Diver in the Darkは、「懐中電灯を使って夜の海を覗く」というコンテンツなので、赤よりは青、明るいよりは暗めのイメージだな、ということを考えました。

色々書き出してみる

次に、「Diver in the Dark」とたくさん書いてみます。全て大文字、先頭だけ大文字、全て小文字など、全ての文字の組み合わせパターンを一度書き出します。今回は、ついでにカタカナも試してみました。それらを元に、ロゴマークのスケッチを思いつく限り書き出します。

私は手書きが苦手なので、スケッチも汚いです。でもこのスケッチは、「脳内イメージのメモ」なので、キレイに書かなくても大丈夫。案件によっては手書きラフでイメージを話し合うこともありますが、そういう場合はもう少し頑張ります(笑)

イラストレーターでラフを作る

ある程度数が出揃ったら、スケッチの中からロゴにできそうなものをいくつかピックアップします。今回は、7つ選び、Adobeイラストレーターでラフを作成しました。

合わせ技&絞り込みでデザインを決める

ラフができたら、誰かにフィードバックを貰います。私の場合は、nudoのアートディレクターに見てもらいました。一緒にラフを見ながら、デザインの意図について説明した上で、Diver in the Darkのコンテンツにはどんなロゴが相応しいのか、を話し合います。

今回は、「向こう側が覗ける」、「和風」、「懐中電灯だということが伝わる」3つのラフ(ラフデザイン画像の上段3つ)を組み合わせて一つのロゴにすることに決まりました。そこから、3つを組み合わせるとどんなデザインができるのかを検証します。

※何故「和風」がキーワードになったかというと、イラストのトーンが和風だったからです。

ひたすら作りこむ

ここからは何度も行ったり来たりをしながら、ロゴタイプの細部を詰めていく作業です。「和風」な英字ロゴにするために、日本語フォントのパーツを組み合わせて、バランスを調整して、ひとつづつ文字を作りこんでいきました。(丸の中に入る魚などのモチーフは、別で進行しているイラストの完成を待ってから合わせることにしました。)

この作業は、丸1週間くらいかかりました。微妙なゆがみを整えていく作業なのですが、一箇所直すと別の部分のバランスが崩れたり。。少しづつ少しづつ全体を整えていきました。

最後はだんだんとスケジュールも厳しくなってきて、「明日出来なかったら、既存フォントを使うしかないよ。。」というタイミングでやっと出来上がりました。あきらめないで、、よかった。

イラストと合わせてマーク化する

この作業はイラストレーターの上ちゃんが担当してくれました。出来上がったロゴタイプと、イラストを組み合わせてバランスをとります。

▼最終的に完成したロゴはこちら。

以上、ロゴ制作過程のレポートでした!細かな調整が多かったので、時間を置かないと粗が見えてこない。。でも時間がない!というジレンマをに悩まされた作業でした。ある程度作業をしたら、「えいやっ」とすべてを放り出して帰る。そんなスリリングな1週間でした。最終的にまとまってよかったです。本当に。

▼Tokyo Design Week会期中の様子

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Erika Ito

Product Designer at VMware Tanzu Labs (former Pivotal Labs) in Tokyo. Ex Medium Japan translator. | デザインに関すること、祖父の戦争体験記、個人的なことなど幅広く書いています😊