多様性と働きやすさ

Erika Ito
Product Run
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8 min readApr 23, 2018

2018年4月20日のイベントレポートです😎

イベントの様子。(写真:Tigerspike川合さん

先日TigerspikeさんのUX Meetupにて「デザイナーの働きやすさとは」というテーマで、ライトニングトークとパネルディスカッションに参加してきました。(当日の様子

普通ならSlideShareに載せるような内容なのかもしれませんが、5分のライトニングトークでは言いたいことを全てカバー出来なかったので、後半で少し補足も入れながら発表内容を紹介したいと思います。

また、余談ですが、私は妊娠8ヶ月に入ったところです。近ごろ「働きやすさ」について色々と考えていたので、今回Tigerspikeの田屋さんに声をかけて貰ったときには「やります!」と即答しました。いいタイミングでこのイベントに参加できて、嬉しかったです😊

さて発表内容へ…

(スライドにプラスして、口頭で話した内容を文章化しました。)

「働きやすさ」についての議論は様々な論点があると思いますが、今回は「多様性」という視点で考えをまとめてみました。
Pivotal Labsは私にとって4社目の会社です。これまで働いてきた会社は規模の大小も様々でしたし、やっていることもそれぞれ違っていましたが、「働きやすい」と感じた瞬間を振り返ると、「自分の意見が受け入られている」と感じる環境にいたときだったな、と今では思います。
有名なだまし絵ですね。イベントで参加者に問いかけてみたところ、1/4くらいの人が「お婆さん」に見えて、3/4くらいの人が「若い女の人」に見えるということでした。ちなみに私は半々くらいを想像していました。(この絵はW.E.ヒル作の「妻と義母」です。)
似ている人が集まったグループに、先ほどの問いを投げたとします。そうすると、誰か1人が「どうみてもお婆さんですよね」と言った瞬間、他の人は違う意見を言いにくくなります。いわゆる「空気」が作られた状態です。これは、仕事、プライベート問わず、誰もが経験のあることではないでしょうか。
実際にみんなが全く同じ意見、ということは少ないはずですが「自分以外は皆同じ意見なのかな、、」と思い込んでしまい、違う意見を言い出しにくくなりそうです。また、自分の思ったことを言ったとしても、「面倒臭い奴だな…」と言う空気になったり。。特に仕事で意見を言えないと、後から「あの時ちゃんと言った方がよかったかな…」と考えてしまいますよね。このように、言えないこと自体が不安やストレスの種となって、後々の後悔や愚痴に繋がるのではないかと思います。
逆に、色々な人がいるグループに先ほどの問いを投げかけてみたとします。属性やバックグラウンドが異なる人が集まる場では、「みんなそれぞれ違う」ことが暗黙の前提になります。そうすると、お互いの意見を聞き入れようとする雰囲気になりやすいです。
同じ情報を前にしても、視点によって見えてくるものが変わる、というのはよくあることだと思います。特にプロダクト開発では、あらゆる可能性を検討する必要がありますよね。何か大事なことを見落さないように、様々な角度から検討をすることが大切ではないでしょうか。
Pivotal Labsの開発プロセスでは、デザインも複数人で行っています。それによって、以前よりもデザインがしやすくなったと感じています。スライドの写真は、プロダクトマネージャやエンジニアも含めてアプリのデザイン案を出しているところです。このように、デザインの初期段階から色んな視点を持った人と議論をすることで、デザインを作りながら「ビジネス要件は満たせているかな?」とか、「フィジビリティ大丈夫かな?」と不安になるようなことが無くなりました。
繰り返しになりますが、多様性があると「お互いの意見を尊重し合う環境」になりやすいと思います。ここでもう一つ大切なのが、多様な人を集めるだけでなく、チームのメンバー同士がフラットな関係でいることに気を配ることです。例えば年齢に多様性があるチームでも、年功序列的に、年上の人の言うことばかりが大切にされるような雰囲気では、多様性の意味がなくなってしまいます。(これについて、下で詳しく追記します。)
結論:多様性だいじ

以上が当日発表した内容です🙌🏻

補足:多様性に加えて、インクルージョンも大切

働きやすさとは「自分の意見が言いやすい環境が大切である」という私の考えを、ここまで説明してきました。ここからは、それと同じくらい、「安全に意見を言える雰囲気も大切」だということを補足したいと思います。(イベントで言えなかったこと、、!)

インクルージョンとは、組織の中で取り残される人を出さない、という考え方です。どんなに多様な人を集めたチームでも、お互いにいがみ合っていたり、仲間はずれを作るような組織は、働きやすい環境とは言えません。経歴や属性などでお互いを見定めるのではなく、お互いを「個人」として尊重することが、「安全に意見を言える雰囲気」づくりの第一歩ではないかと思います。

これは私の体験ですが、妊娠してからは体調が優れない日があったり、疲れやすいために以前よりも休憩を多くとらなければいけなくなりました。Pivotal Labsでは、そういったことでも、引け目を感じずに相談できる雰囲気があります。「辛いです」と伝えると、まずは「あなたは辛いんだね」と受けとめてもらえます。そして、「どうしたらいいか」を一緒に考えることができます。(その結果、今は出社時間を1時間遅らせて、毎日のスタンドアップ(朝会)にはリモートで参加しています。)

ネットでマタハラに関する記事を読んだり、友人からそのような話を聞いて驚くのは、「辛いです」と伝えたときに受け入れて貰えない人がどれだけ多いか、ということです。辛いことに変わりはないのに、「妊娠は病気じゃ無いんだから」と言われたり、「つわりとか気持ちの問題でしょ?」と返されたり、「Aさんは臨月まで問題なく働いていたよ」と他人と比較されたり。。妊娠中の人を「妊婦」という属性で一般化して見るのではなく、「その人がどうなのか」を尊重することができればいいのに、と思います。

繰り返しですが、多様性や働きやすさについて考える時は、個々の意見を尊重する「インクルージョン」についても思い出して貰えるといいな、と思います。

以上、イベントで発表した内容の紹介と補足でした。

毎回思うことですが、こういったイベントで話をすると、とても勉強になります!今回も「働きやすさ」という観点で自分が日々考えていることを言語化するいい機会になりました✨
これからも人前で話す機会があれば、どんどん挑戦したいと思います。(なのでお声がけ頂けると嬉しいです!笑)

Pivotal Labsでは、定期的にワークショップ型イベントを開いたり、ブログでプロダクト開発やチームビルディングなどについて紹介していきます。

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Erika Ito
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Product Designer at VMware Tanzu Labs (former Pivotal Labs) in Tokyo. Ex Medium Japan translator. | デザインに関すること、祖父の戦争体験記、個人的なことなど幅広く書いています😊