近道の論理を捨てろ
書評『悩みどころと逃げどころ』

ちきりん:私みたいな学校エリ ートって 、結局そういうことが得意なんですよ 。要領よくテストの点を取ると評価されるわけだから 、どうすれば勝ちやすいのか 、それを見つけるのがすごくうまい 。
ウメハラ:ゲ ームだってそういうプレ ーヤ ーのほうが圧倒的に多いです 。強い武器に頼って決まった型で戦えば 、短時間で 8 0点が取れるから 。
エソラコトナリです。
社会派ブロガーちきりんさんとプロ・ゲーマー梅原大吾さんの対談本。
すでに多くのブロガーが2016年の必読書に挙げています。
僕も2016年「和本最強」と言い切ります。
あまりに多くの気づきがあって、とても1つのストーリーにはまとめられません。
まずは本書の議題でもある「学校的価値観」について。
この本の中に登場する学校的価値観を僕は近道の論理だと定義しました。
ショートカットなんです。
今まで蓄積されてきた知識やノウハウをまとめてインストールすることで、スピーディにある程度のレベルに到達する。
対談で言うところの「80点」に素早くたどり着くことができます。
学校的価値観が問題なのは、たとえ何倍もの時間がかかったとしても120点を取りに行く方法は決して教えないと言うこと。
だからこそこの価値観が今の時代にそぐわなくなっています。
ちきりんさんとウメハラさんは真逆とも言える経歴を歩んでいます。
それなのに二人とも強靭な思考力を身に付けている。
なぜなら彼らは回り道をしたから。
時間がかかっても120点を取りに行ったんです。
学校的価値観を疑い、自分の頭で地道に考え続けてきたからこそ、人を惹きつけるほどの思考力を得ている。
世の中は今やショートカットに溢れています。
誰もが近道を探し、裏技を探している。
もっと楽に、もっと早く。
そればかりを追い求めているのが現代とも言えます。
でも現代に求められる最も必要な思考力が、回り道をすることでしか得られないとしたら?
ショートカットを使わず自分の足で歩き続けた結果でしか本物の思考力を得られないとしたら?
2016年の必読本として僕が強くこの本を推したいのは、そんな理由があるからです。