HP Thunderbolt 3 ドック 120W G2との格闘のメモ

Takashi Kawasaki
7 min readJul 6, 2019

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いわゆるThunderbolt 3 ドックと言われる製品群は、Thunderbolt 3ポートを持つノートPCなどと一本の配線(ただし短い)を接続するだけで、4K液晶やSSDなどの高速ストレージ、ギガビットイーサネット、そしてUSB機器などを接続できるうえに給電・充電もできちゃうという、それだけ聞くととても素晴らしくて誰でも欲しくなるような類のものです。

しかしながら、このThunderbolt 3ドックというのは未だに相性問題も多く、あの機種では4K液晶が映るのに、こっちではダメとか、そもそも給電できてないんじゃない?みたいなことがあったりと、地雷原でもあります。

また、金額は普通のUSB Type-Cのドックが5000円ぐらいからあるのと比較して、Thunderbolt 3ドックだと3万円を超える価格帯なので、地雷はなるべく避けたい、そして安ければなおうれしいというた感じなわけです。

と、3万円ぐらいが目安の製品の中で、HP Thunderbolt 3 ドック 120W G2は、定価こそ、\35,000と、別に安くもなんともないわけですが、HPのサイトではずーっと、キャンペーン価格\16,800(税抜き)という金額で売られているという、地雷じゃなければこれほどコスパのいい奴もないだろうという価格で売られている製品です。

HPのサイトはずっとキャンペーン価格

この価格なら試してみる価値がある

誰でもそう思うかどうかはわかりませんが、私にはそう思えました。既に何人かの方が評価はされているようで、そんなにヤバイ地雷でもなさそうというのも一つの理由でした。

ここで、私がドックに求めていた基本スペックを書いておくと、

  • 4K(3840x2160)/60Hz でデュアルディスプレイ構成(つまり、ノートPCの液晶を足すとトリプル構成)ができること
  • USB PDで最低60Wの電源供給ができること
  • ThinkPad X1 Carbon 2018で動作すること
  • MacBook Air 2018で動作すること

これだけ。最初のデュアル4Kだけが要求としては問題そうですが、他は、まぁ、普通に行けるんじゃない?って思うでしょう・・・。ところがw

とりあえずスゲー不安定使えたもんじゃなかった

まず、私の使ってる4K液晶は、

という組み合わせです。EV3237は、HDMIのバージョンが低いので、必ずDisplayPort接続、27MU67-Bに関しては、DisplayPort(mini/フルサイズ) or HDMI2.0のいずれかで接続できればOKという感じです。

HPの仕様によれば、4K/60Hz デュアルならば接続方法はいくつかあるように見受けられます。

4K/60Hz デュアルならば接続方法はいくつかある

が、僕が4月頭に購入した当時、どの接続方法でも27MU67-Bしか認識しない。EV3237はなんか信号がないという認識をするならまだマシで、USB-CやThunderboltからDisplayPortに変換して接続すると、電源がそのまま落ちてしまい一瞬壊れてしまったか!みたいな感じになる有様。幸い、電源を抜いて数十秒待てば復帰できるのですが・・・。

いやー、これはダメだろ。何にもできない。

というのは、ThinkPad X1 Carbon 2018との接続の場合。

MacBook Air 2018だとどうなるか。MacBook側の画面が高速で点滅を繰り返すようになり、そして、EV3237は信号なしになり、何もできないどころか、MacBook Airまで壊れるんじゃないかっていうヤバイ状況。

あー、完全に地雷を引いてしまいましたね。ダメでした。さようなら。

新ファームウェアという光

そういう状況なので、しばらく放置しておりましたが、ふと、6月末ぐらいに確認したところ、新しいファームウェア(1.0.57.1 Rev.A)(※日本語のサイトはなんかダウンロードができないようなので英語サイトからダウンロードした方がいいみたいです)が出てるじゃないですか。よく見ると、2019/4/24というリリース日。もっと早く確認するべきだった。

そして、何が修正されたのか見てみると、しれっと、「MacBook Proで4K液晶動かなかったのを修正した」とか書いてある。ほかにも「DELLの液晶が動かなかった」とか。これは!!!

ファームウェアアップデータがちゃんと動かない!

さーて、ちゃっちゃと新ファームウェアにアップデートして動かしてみましょうって感じですね。ちなみに、アップデータはWindowsでしか動かないので、Macしかない人はここで詰む可能性もあります。

と思ったら、このアップデータ、不安定すぎる。まるでちゃんと動かない。アップデートにすごい時間がかかると思ってたら、タイムアウトになってエラーとか、そもそもデバイスを認識できなかったりと・・・。

あと、ブルースクリーンも何度か食らいました。

試行錯誤してわかったのは、

  • アップデート時には、このドック以外の電源をPCに接続しておく必要がある
  • ドックをPCに接続して、1分ぐらい経ってからアップデートする

PCの電源供給をこのドックに頼った状況でアップデートしてはなりません。バッテリーが接続されているのは事実ですが、それだけだと困ったことになるので別のUSB PD電源から電源を供給してください。

また、ドックをPCに接続した直後はデバイスの認識が完了してない可能性があり、ファームウェアアップデータが正しくドックのなんやかんやを認識できない可能性がありますというか、認識できません。

そして、一度のアップデートではうまくいかない可能性があります。何度かすべてのデバイスがアップデートされるまで粘り強く何度かインストーラを実行してみてください。(僕は20回ほどPCを再起動しながらやりました・・・。)

さてさて

接続するポートには相性がありまくりっぽい

これで万事解決かと思いきや、いえいえ、まだまだいろいろありました。特に、EV3237は古いこともあってか、新しい機器との相性がクソ悪いみたいで接続するポートの選択に難儀しました。

結局、

  • 背面Thunderboltポート→Thunderbolt/Displayport変換ケーブル→ EIZO EV3237
  • 右側DisplayPort→LG 27MU67-B

という組み合わせならうまく動くことを突き止めました!

そして、この組み合わせならば、ThinkPad X1 CarbonでもMacBook Air 2018でも4K/60Hzデュアル(+内蔵液晶)のトリプル環境を正しく構築できました!不安定さもまるでない感じです。

結論

いやー、この試行錯誤は大変です。素人を寄せ付けないだけの十分な地雷原ですね。僕も4月の段階では塩漬けかなとか思っていた感じでした。

しかしながら、最新ファームウェアでは問題なく動作することがわかり、ファームが最新なのであれば十分にお勧めできる製品だと思います。何より、他の製品から比べると圧倒的に安いですしね。

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