【ETCの本質】ETCとETHの理念の違い

ETC Japan
4 min readJun 16, 2018

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ETC(イーサリアムクラシック、イーサリアムのオリジナルチェーンとも呼ばれる)は誕生から今まで劇的な上下動を繰り返し、一度は一部のマイナーに「51%攻撃をしてやる」と脅かされたものの、今となっては異常なほど強靭な姿を呈している。

ここでは、哲学の観点からみんなにETCの本質について考える。

一、人知か法治か

金融機関、金融体制及び人間の本性に疑問が投げかけられたからこそ、「コードこそ法律なり」とばかりにビットコインが未曽有の壮挙を成し遂げることができた。これをもって、もはや人間は互いに信頼することなしで価値を転移することが可能となった。ビットコインの1200億米ドルを超えた時価総額も、社会から寄せられた期待とはいかなるものなのかを完全に物語っている。

片や、The DAO事件が発生した後、イーサリアム財団がハードフォークを実行し、それより二つのチェーンが共存することとなっているが、もしもブロックチェーンは任意に改変することが可能なものなら、それはプライベートデータベースと大して変わらないのではないか。

プライベートチェーンやコンソーシアムブロックブロックチェーンが物議を醸しているが、時間が経ってきていまもなお社会的な価値を発揮しているのはパブリックチェーンのみである。人知、それとも法治を信じるのか。これこそETC本位とETH本位の思想の分かれ目である。

二、希少性こそ価値なり

フォークが実行されて以来、ETHとETCに関する金融政策はそれぞれ違う道を歩むこととなり、現在ETHは発行枚数に上限が設けられず、持続的に増発されている状態にある。一方、ETCは伝統的なオーストリア学派経済学に回帰し、ビットコイン方式で追加発行量の減少を決定し、総量が2.3億を超えないようにしている。もし希少性がなければ、仮想通貨は一体現実世界の法定通貨とどこが違うのか。あくまで現実世界の中央銀行をマイナーに置き換えただけだ。

各国の中央銀行が紙幣を刷りまくることで一般民衆の資産の価値を薄めているが、ひょっとしたら仮想通貨もまた同じ轍を踏むのか。ETHに関してはいままで金融政策が講じられていないが、具体的な政策はPoSへ移行してから決めることになっている。それは、中央集権的なイーサリアム財団が決めることになるだろう。

三、PoWとPoSをめぐる戦い

仮想通貨の核心にコンセンサスメカニズムがあるが、PoWという作業量による承認メカニズムはいままで最も優れたものだと市場に認められており、主要な仮想通貨のうち10種類中8種類はそれに基づいている。最初にPoSメカニズムの使用を提唱したPeerCoinはもう死滅寸前だ。コインを持てば持つほど増えてくるという設計は顕著なマタイ効果を引き起こし、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる。

平等とは何なのか。結果の平等が達成できなくとも、せめてメカニズム上の平等は達成すべきだ。PoWなら、マイナーはいつでも採掘するかしないかを決めることができるが、PoSの場合、後発者は完全に参加する機会を失うことになる。またホットウォレットを使ったオンラインマイニングは深刻なセキュリティ上の問題を引き起こし、ユーザーがハッキング攻撃に遭いかねない。これはすでにPeerCoinで発生したことだ。経済学や暗号理論という立場から見れば、PoSは砂上の楼閣にちがいなく、いずれ崩れ落ちる。

ETCを後押しすることはすなわち、PoWシステムを後押しすることなのだ。

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