Koichiro Eto
23 min readMay 9, 2015

深圳ツアー日記

2014年12月7日〜14日に、深圳ツアーに参加してきました。

深圳ツアーの説明は、高須さんによる投稿をごらんください。
https://www.facebook.com/groups/653199074763047/

12/7日:1日目:成田から深圳へ

ようやく深圳に到着した。ようやくFacebookにアクセスできるようになった。なかなか長い道のりだった。中国の人に、Facebookにアクセスしてというのがどれだけハードルが高いか、ようやく理解した。
深圳出張、いろいろ面白いことがあるので、ざっくばらんに記録を残しておこうかと思う。
まずつくばを5:30に出て成田空港に向かう。Air Chinaは第1ターミナル。朝食を食べようと思うが時間が無く。吉野家を食べたかったのだが、成田空港には無いんですねぇ。
成田空港を出て、割とすぐに北京空港に。ここで無線LANをゲットできなかったのがいたかった。とりあえずヌードルを食べて腹ごしらえをした。成田空港で1万円分だけ両替しておいて助かった。北京空港での入国審査に時間がかかると聞かされていたが、これほどとはと思うほど時間がかかる。列に並ばされて入国審査。Security Checkでもいちいち並ぶ。1時間くらいは余裕でかかっていたと思う。北京空港のD12ゲートに移動。なんだかおしゃれな空港で、ソファがあったので気持ちよかった。Air Chinaの機内食はまぁいまいち。期待しなければいいかも。

それで、深圳空港がえらく豪華でした。最近新しくできたと思うんですけど、有機的な、全体としては羽を広げた鳥のような形をしていいてきれいでした。深圳に来るには、北京経由ではなく、香港経由でフェリーで来るのが一番いいらしい。でも今回は、深圳空港に来ることができただけでも、このルートを選んだ甲斐があった。深圳空港からは、シャトルバスで駅に移動。直近のAirport East駅ではなく、その一つ南の駅まで移動。なぜだかわからないが。バスに乗る前にチケットを買わなくてはいけなかったようだが、それがわからなくて、バスの運転手に「ええい、乗ってけ」という感じで乗せてもらった。
駅ではチケットを買う。8元。20元札しかなく、それでは買えなかったので、近くの売店で牛乳みたいな飲み物を買う。しかしよく見たら奥の自販機で20元札が使えるのだった。それで地下鉄1号線に乗ってえんえんと進む。かなり時間がかかる。Grand Thater駅で降りて、地下鉄2号線に戻る形で乗り換える。燕南駅で降りる。
ここからが大変だった。Tourism Trend Hotelの住所も電話番号もメモしてこなかったので、どこに行けばいいのかわからず。いろんな人に聞いてみるが、みごとにぜんぜん英語が通じない。ようやく1人英語が通じて、その人に検索してもらう。それでようやく地図がわかり、歩いて行けた。
Tourism Trend Hotelの部屋はきれい。これはなかなかいいホテルだった。部屋では無線LANもちゃんと使える。そして、有線LANが使えて、けっこう早い。ただ、当然Great Firewallの中である。
HopemoonというところのVPNを契約していたので、使ってみる。Macから、接続できた。Facebookにアクセスできて、感動。ただまだiPhoneからVPNできてないんどえ、LINEは使えてない。
部屋に入ってから、食事をするために外に出る。おすすめしてもらった店をチェックしてみる。ホテルの隣りが「六婆串串香火锅」という火鍋屋で、食べてみたんだけど、これがなかなかうまかった。火鍋の辛い方が本格的に辛くて泣きそうだった。でもなかなかうまくてよかった。
ということで、部屋に戻ってきました。いろいろやらなくちゃいけないことがたまっているような気がするが、今日はもう寝ます。おやすみなさい。

12/8月:2日目:電気街、初日懇親会

深圳2日目の日記。朝起きて外に出たら、驚いたことにここは中国なんですね。いやほんと異世界って感じ。
とはいえ、起きてからしばらくの間仕事のためしかたないので部屋に閉じこもって仕事。
午後になってSIMを買いに外に出る。これが噂の深圳の電気街かーってところに行って、ビルの中の公式っぽいところで購入。ちょっと高かったけど、4GのSIMを購入できた。China UnicomのSIM。200元でした。それで、もう1個China MobileのSIMも購入。こちらは3Gで68元のもので、露天ですぐに購入できた。公式っぽい店で買うか、露天で買うかは悩み所だが、使い切りですぐに買えるのは3Gのもの。4Gのは、20分くらい?かなり待たされる。
いつも海外出張では現地で2種類の携帯会社のSIMを買って、両方を比べてみることにしている。そうすると、携帯電話会社ごとの違いがよくわかって楽しいです。

16:30に高須さんが到着して、すぐに弾丸電気街ツアー開始。全区画の25%くらいの領域の、外側の部分を歩いて、2つのビルの中に入ってみた感じ。たしかに言っていたとおり、秋葉原を30倍にしたくらいの面積はありそう。これは誰が比較したのかわからないが、直感的には合っていると思う。売場面積比で30倍ということで、土地の広さは同じくらいではないか。
噂通り、一つのビルのフロアまるごとがケーブルだけだったり、LEDだけだったりと、特化した構成になっている。それで、肝心なのは面白いものが売っているかというところだが、今のところは噂に聞いていた通りのものがあるという印象で、噂を超えるものは見ていない。明日からもう少し奥に入っていくと思うので、期待している。
この後の19:30から、ホテルの隣りのレストランで、総勢26名くらいの人数で火鍋パーティーでござる。ここはいつものように、ホテルのフロントに人に聞いて選んだ。店は以下の通り。昨日と違って多人数で食べれるので、超楽しみ。
六婆串串香火锅(罗湖店)
(0755)25898099 红桂路2108号(长城大酒店旁)

12/9火:3日目:Seeedstudio、工場見学

深圳日記3日目。そろそろ息切れしそうです。
朝8:30にロビーで集合。8:10に降りて、2ブロックくらい歩いたところでおかゆを買う。なんか朝食で並んでいるところを発見して、明日はそこで買いたいところ。
バスにのってSeeedStudioに移動。SeeedStudioは、製品を作りたい人と工場を結びつけるサービスのようなことをやっている。そのときに、オープンハードウェアにしてもいいのであれば、製造費を少し安くしますということにして、自社が生産できる製品を増やしたいるのだという。Nanaさんというプロダクトマネージャーの方に話を聞いた。
その後に、こちら側から4人でプレゼン。IRKitの方、秋田さん、俺、稲見さんの4人。私はニコニコ学会βについてのプレゼンをした。本当はニコニコ学会βにおける面白いハードウェアの発表の話もしたかったのだが、ニコニコ学会βの概略を説明するだけでした。
昼食は社員食堂的なところで食べる。うまいね。食後に駐車場のところで全体写真をとる。

その後バスにのって、3件の工場見学。それぞれ30〜60分くらいバスに乗って移動。SeeedStudioの中にも工場があるのだが、大量に制作する場合は別の工場に発注している。PCB基盤の工場、金型と射出整形の工場など。基本的には古くからある工場という感じ。それをどう組み合わせて製品にするかが重要なポイントとなる。

夜は、Seeedの3人と一緒に食事。キノコをたべる。えらくうまかった。その後ホテルに戻るかと思いきや、4人でバーにいって飲む。1杯で58元とえらく高いね。あまりに高いのですぐに戻って、ホテルの前の餃子屋で餃子を食べながらビールを飲む。こちらはけっこう食べて飲んで、20元くらい。全然違いますね。寝た。

12/10水:4日目:MakeBlock、Jenesis藤岡さん

8:40にロビーに行って、近くのウォルマートのところにある小籠包の店で朝食を買う。4個の小籠包で10元だったかな。持ち帰ってホテルのロビーで食べる。うまい。8:50に出発するはずが、数名間に合わなくてロビーでしばらく待つ。9:13くらいにバスが出発する。

まず最初にMakeBlock社を見学。MakeBlockというのは、いわゆるレゴマインドストームみたいに、組み合わせて動くモデルを簡単に作れるおもちゃ。見た目だけだといわゆるレゴもどきなので似たようなのはたくさんあるのだけど、実際見てみるとそれらとは精度や剛性の面のクオリティが違って、欲しくなる。ロボットキットが$150くらいと、ちょっと買ってみたくなる。その後に、MakeBlock社の人たちと昼食。えらくフレンドリーでよかった。昼食の中華もすごくおいしかった。

12:45くらいにバスにのって次の場所に移動。日本向けの工業団地みたいのがあるということで、見に行った。結果として、これが大変面白かった。もともとは香港に進出した日本企業が深圳で会社を興す際のサポートをするために作られた会社。現地には印刷工場とか、車の部品を作っている工場などがある。それらの企業の設立や法務面、人事面などを1991年からサポートしてきたとのこと。その話がえらくリアリティあって面白かった。現地の工場は基本的に見学させてもらえないはずなのだが、無理をいって少しだけ見せてもらった。車の部品を作っている。製作したものを検品して、不良品をはじいて、OKなものだけを箱詰めしてといった作業をしていた。それが、いわゆる日本ぽい工場で、なんというか照明の明るさとか、汚なさ加減とか、そういったこと一つで日本ぽい、中国ぽいって分かれちゃうんだなぁと思った。ほんときれいな工場でした。
バスにのって次に移動。というこのバスの移動ってやつが、いちいち60分くらいあってこれがなかなか大変。バスに乗ってるだけじゃんていう感じだけど、金盾があるからFacebookとかにもなかなかアクセスできないし。僕の場合はひたすらに過去のメールを読んで、不要メールと要処理に分けるといった地道な作業をしていた。

次に、Jenesisの藤岡さんに話を聞く。ここが最高に面白かった。ここは日本向け家電を作っている会社で、たとえばイオンが出しているスマホを作っているのはここだったりする。そういったスマホやタブレットを作るのを得意にしている。その生産行程は、スクリーンを貼るところだけはチリが無いようにしてたり、検品を全数検査してたり、部品を受け取ったときに全数検査してたりと、いろんな意味でクオリティが高く、いわゆる日本向けクオリティの製品を作ることに特化していた。その後に聞かせてもらった藤岡さんの話が面白いのなんの。なんとなくものづくりしようとする人に対する愛のこもった苦言が心地良い。モノを作ろうとするのではなく、サービスを作ろう、そのためにしかたなくモノが必要になるのならOK、という言葉はみんなに聞かせたいと思った。
その後は、近くのビール工場のビアガーデンにいって食事。ここもまたえらーくうまかったなー。ほんま中国の食事は最高や。ここはビール工場だけあって、ビールもそれなりにうまかった。でもまぁ、お酒がおいしい店にはまだ行けてないな。深圳にはオーセンティックなバーは無いのかな?

中間まとめ

さてそろそろ、結局深圳はどうだったか?の答えを出すころだと思う。Jenesisに行って藤岡さんの話を聞いて、いろいろ見えてきた。深圳すごいといっても、すごいにもいろいろあって、それは標準から外れているという意味で、良い悪いはまた別の基準がある。深圳で苦労されている藤岡さんの言葉には重いものがあって、いわゆる日本で必要とされる日本クオリティを得るには普通じゃない努力をする必要がある。それは深圳では容易には手に入らないものである。
深圳は、質を下げて量や種類を増やしてダイバーシティやスピードを得ている。そこに魔法があるわけではない。その代りとしてクオリティを犠牲にしている。それは日本に無かったわけではなく、かつての日本にはあったのだが、それを捨てることで発展したことによって、無くしてしまったもの。なので、「深圳にしかないものがある」は正しいのだが、それは正確には「かつての日本はあったが捨ててしまったものが、今の深圳にはある」となる。それを良いととるかどうかはまた別の話。
私は、熱病に浮かされたようにすごいすごいと言い続ける人のすぐ隣りにいて冷静さを失わないでいる、ということを職業としてずっと続けてきた。そういう意味では自分の判断にはそれなりの自信がある。その観点からは、深圳に来るのは今起きている現象を理解するには大変有用だが、仕事の上で深圳とのつきあいを持つべきだということには直結しないというのが私の判断。
日本が、東京が、秋葉原が、深圳のようになるべきか?という問いについては、今のところ答えは出ていない。私の理解では、深圳にあるものは、過去の日本にはあった、だけど捨ててしまったものなので、過去の日本をどう評価するかというのが一つの基準となる。ものづくりからサービスへといったスローガンで、製造業からサービス業にシフトしていったわけだが、それをポジティブにとらえるかどうか。
あともう一つ。深圳の魅力を、草の根パワーや民間の力がすごいと考える人もいるが、それは根本的に間違ってると思う。深圳の活力の源泉を一言で言えば、国の政策による産業振興には大きな意味がある、ってことになる。まず深圳は経済特区である。だからこそ資本が集まった。国の政策として、この地域は伸ばすべきだと判断して、集中的に資本を投下したからこそ産業が伸びた。これは極めて古典的な国主導の産業振興モデルだ。
その影響はあちこちに見られる。たとえば見学したPCB工場は、国主導で整備されている。見渡す限りの建物が全部PCB工場で、その周りにはそこで働く人のための大量のアパートになっている。それは国がここにPCB工場を作ろうといってそうしたからだ。民間の力だけでできるかといえば、そんなことはないだろう。

12/11木:5日目:Dangerous Prototypes、HAXLR8R

さすがに書くことが無くなってきた。
朝起きてずっと部屋にこもって仕事。HopemoonでVPNを契約しているのだが、tokyovpnではじまるホスト名でずっと続けるより、IPアドレス直打ちでいろいろ試す方がつながりやすくなることがわかった。うまく接続できたので、いろいろ仕事が進む。仕事をクラウド環境に移すと、中国で仕事できなくなることがわかった。

12:30にロビーに集合。Dangerous Prototypesにむかう。ホテルから普通に歩いてむかう。マンションの一室にある。えらくこじんまりとしたオフィス。香港で都市計画を教える先生なのだが、Maker movementが好きで、深圳で事業をしているのだと。今のオフィスは移ってきたばかりで、改装にえらく手間がかかったらしい。
その後しばらく電気街を見る。とはいえ、あまりに巨大すぎて、ぜんぜん時間が足りず。

15:30にロビー。そこからHAXLR8Rに向かう。ハクセラレーターと読む。アクセラレーターという事業があるが、それとハックをかけてるみたい。ビルの10Fにある。いわゆるアクセラレーターと同じように、事業のアイデアを持っている人を支援して、成功へと導くということみたい。ただ、ハードウェアスタートアップ専門で、かつ面倒見がいいというところを売りにしているということである。Kickstarterが重要な役割を果していて、そこで成功するようにするというのが一つの成功への指標となっている。Radberry PI搭載のカメラや、ネコ用のネズミ型ロボット、Darmaという心拍などを計測する機械、ギターのチューニングを自動でやる機械、などの話を聞いた。
HAXLR8Rの話はけっこう良かったなー。新規事業立ち上げを支援する組織の話ってよく聞くんだけど、これはうまくいきそうって思うものはここがはじめてかもしれない。その中でキーを一つ抽出すると、やっぱりKickstarterになる。クラウドファンディングで資金を調達できるかどうかは、成功するかどうかの指標の一つとして使えるということ。それがたとえ、ビデオ編集がうまいかどうかが重要な役割を果していたとしても。
その後、電気街の近くの店で食事。いろいろたのんだが、今日はややうまくいかなかったかもと反省している。100元でした。
その後に、前から行きたかった羊の炭火焼の店に行く。この店は当りだわ。えらくうまかったし、すごく長くいてもぜんぜん問題無かった。ずっと長くいて40元。
ここでは高須さんといろいろ重要な話をした。来年の超会議でどんなセッションをしようか。またシンガポールの面白さについて。とても得るものがあった。
その後に、DJ娯楽無限に行った。これが深圳のクラブかー。

12/12金:6日目:Makerspace視察、ハッカソン開催

二日酔です。

今日はHackerspaceでハッカソンをやった。MakerspaceはOCTのあたりにある。このあたりはかなりおしゃれな街になっていて、雑貨屋や洋服屋、ギャラリーなどが並んでいる。表参道みたいな雰囲気。ちょうどビデオアートの展覧会をやっていたので見てみた。ウィリアム・ケントリッジとかも展示していて、なかなかいい展示でした。やー、深圳はこのくらいのアートの展覧会もできるんだなと思って、良いなと思いました。

それで、今日はポータルをハックしたりしてみた。いい感じにCreate fieldしたりしていた。ていうか、中国でIngressするのはかなり難易度高いですよ。というのも、普通にはGoogle+にアクセスできないから、VPNが必須。その状態でハックしないといけない。でもそのわりにはけっこうIngress人口はいるんじゃないかな。そんな感じがした。
で、Makerspaceでハッカソンをやったのだが、ていうかこれはハッカソンじゃなかった。単にみんなでMakeBlockを組み立ててみた、というワークショップになっていた。ですが、実際にMakeBlockを組み立ててみて、組み立ての楽しさ、出来の良さは十分に味わえた。これは帰国したら買ってみようと思った。
終了後にOCTの中にあるSeasonsというレストランで、中華の鍋を食べる。これがえらくうまかった。ちなみにこれは高徳地図というアプリを使って自分で探した。だいぶ中華アプリの使い方にも慣れてきたな。
今回よく使ったアプリは2つあって、「高德地图」と「Jibbigo Translator」。どちらも共通点があって、それはオフラインモードが充実してるところ。Jibbigo Translatorは翻訳アプリなのだが、事前にダウンロードしておけば、オフラインでも翻訳ができる。音声認識も備えていて、音声入力して翻訳してくれることもできる。日本語から中国語、中国語から日本語も両方できる。あと、「高德地图」は、深圳の地図をそのままダウンロードできる。オフラインでも地図が見られるから便利。という感じで、アプリに助けられてなんとか生活できたというお話でした。
http://www.amap.com 高德地图
https://itunes.apple.com/app/id461703208 高德地图(专业导航版)
https://itunes.apple.com/us/app/jibbigo-translator/id528691646?mt=8 Jibbigo Translator

12/13土:7日目:北京ダック、Thomas Deckerらとの食事

今日が最終日。ミラクルでした。
今日はまず昼飯を高須さんと食べる。北京ダックだぜい。Luohuという香港との国境にあたる駅までいってそのデパートの5Fに入っているレストランで食べる。12:00ごろに到着したら長蛇の列で、結局40分くらい待った。その途中で、ちょうど列の後ろに日本人が2人いて、その人と一緒に食べることにした。これが正解で、北京ダック1羽を2人で食べるのは無理があって、4人だとちょうど良かった。4人だと北京ダックに加えて2品くらい追加できて、本当に良かった。肝心の北京ダック、すんげーうまかったです。2人で食べるのは無理と言ったが、いや2人で1羽でもいけたかもしれんな。
昼食後に昨日ハッカソンをやったMakerspaceに再度行ってみた。周囲がおしゃれなエリアだということで、買い物をしに。が、それほど広いわけでもなく、おしゃれな店もそんなになかった。無印良品を真似したような感じの店があって、そこでBluetoothスピーカー兼ランプみたいな製品があり、買ってみた。299元。あと、足元の防寒のための羽毛ブーツみたいのを売っていたのだが、来月入荷ということで購入できず。残念だった。
買い物が終わって戻ることにした。途中、隣りのエリアの南山公園?にポータルファームがあって20〜30くらいのポータルが乱立しているのが見えたが、そんなことしてる場合じゃなかろうと判断して電気街に戻る。
電気街でいろいろ見てみようとして違うビルに行ったのだが、特に何も発見できず。矢澤さんの言葉だけど、「これだけいろいろ見てみて1つも驚くようなところが無かったことに逆に驚いた」というのがしっくりくる。秋葉原の30倍の容積はおそらく正しいと思うのだが、しかし容積だけ30倍になっても意味がなく、単に30倍歩かなくちゃいけないだけ。まさかそんなことは無いだろうと思って深圳に来てみたら、そのまさかだったというのが一番の驚き。
これまで深圳に来た人がなんでこんなに驚いてたのか?というのが実は一番よくわからないんだけど、電気街だけ見ても驚きのポイントは無いんでしょうね。あくまでも周囲の工場との関係で。ちなみに僕は職場が秋葉原だったので、文字通り毎日秋葉原に通っていた。そういう意味では、種類だけ見れば大きな違いは無いんじゃないか。
一番しっくりくる言葉は、深圳の電気街は築地市場に似ているという言葉。これはまさしく正しい気がする。種類としては同じかもしれないが、深圳は産地直送だという違いがある。そういう意味では、なんでこんなに同じものを売って店がたくさんあるんだ?というのの答えになるかも。ここは本質的には卸売りのための電気街なんだな。そう考えると種類が大差ないのは理解できてくる。
それで、電気街を歩いていると、見覚えのある顔が。OTTOを作っているThomas Deckerだ。声をかける。夕食を一緒に食べようと約束をする。
その後、高須さんから2輪のジャイロの乗り物を発見したという報が。いそいでいってみる。2800元で入手できるのだと。実際に乗ってみる。すんげーいい。これはかなりよくできている。2800元という価格はリーズナブルだ。買おうと思ってぎりぎりまで悩んだのだが、15Kgという重量がネックになった。これをトランクにいれたら重要オーバーになるかもということで、なくなくあきらめた。でもこれは欲しかったな。
その後、Walmartで買い物。私はいつもお土産をスーパーマーケットで買うことにしている。安いのが買えるし、なによりも地元の人が食べているのと同じものが買えるのがうれしい。ということで、お菓子とか乾物とかを中心に買ってみた。
その後、Thomas Deckerらとの食事。老北京火鍋という店で食べる。すっげーうまかった。いろいろ話してたが、やっぱり面白いなー。

12/14日:8日目:深圳から成田へ

この日は特に記録無し。

全体総括

とにかくいい体験をすることができたというのが卒直な感想。日本に戻ってからさまざまなところでツアーの様子を説明するのだが、その中には毎年深圳に行っていて深圳のことは知りつくしていてもおかしくないと思われる人に、「こんなの全然知らなかった」と言われ、貴重な体験をすることができたのだとはっりとわかった。今回のツアーを企画していただいた高須さんには本当に感謝しております。
深圳の電気街を何にたとえるかは、「築地市場」にたとえるのが一番適切ではないかと思った。築地市場には魚を売ってるわけだが、基本的には魚屋に行っても同じように魚を買える。築地市場にしか置いてない魚はほぼ無いはずだ。とはいえ、だから築地市場に意味が無いということにはならない。どのように魚が流通しているのかを見るのは、あなたが魚屋になろうとしているのなら意味があるだろう。深圳の電気街を見るのはそういう意味がある。
ただ、深圳の最先端は電気街ではない。電気街はあくまでベースであり、実際にはハードウェアスタートアップの聖地へ生まれ変わっている。SeeedStudioやHAXLR8Rの連携によってハードウェアスタートアップが容易になっている。111日間のコースで必要なものを全て教え、実際にスタートアップをたくさん産み出しているHAXLR8Rの活躍は素晴しい。こういったハードウェアスタートアップについては、高須さんのツアーに参加しないと見えない部分である。
単純に深圳だけがすごいというわけではない。シリコンバレーのダイナミズムの一部であるという見方もできる。資金調達はKickstarterのクラウドファンディングを通じてアメリカ西海岸から行い、製造を深圳で行なうというように、世界規模で展開している。
それで、結局日本の状況と比較してどうか。最終日のThomas Deckerとの食事が面白かった。私はHAXLR8Rでハードウェアスタートアップを立ち上げた人から話を聞こうと思って食事をしていたが、ふと私が任天堂でゲーム作りをしていた経験を話すと、急に尊敬の目で見られるようになった。宮本茂にゲーム作りと教わっていたと言うと、ありえないほど凄いという。たしかにこの部分では、いまだに日本に一定以上のアドバンテージがあるのだと感じた。

以上、深圳ツアーの感想でした。

他の参加者の感想リンク集 http://ch.nicovideo.jp/tks/blomaga/ar689972