EUでスタートアップ投資が減少し続けている理由は意外なものだ
去年、英国がEUから離脱する投票がされたことで、ポンドの価値は数十年間で最低水準にまで下がった。それによって、ユーロ圏の企業は大きな転換を経験している。しかし、EUのベンチャーキャピタルについては、ほとんど変わらず、2017年の第2四半期に完了した資金調達ラウンドの約40%は、英国やアイルランドの企業だった。
Pitchbookの四半期の「European Venture Report」によると、全体として、欧州のベンチャーキャピタルの投資は減少を続けている。今週発表されたこの報告書によると、EUのベンチャー投資件数が第2四半期に5期連続で減少し、540回しかない。 2016年には、欧州のスタートアップに総額122億ユーロ(142億ドル)が投資されたが、2015年の154億ユーロ(179億ドル)から減少している。しかし、米国の投資も2016年の691億ドルで、前年の790億ドルから減少している。
このような継続的な減速は、Brexitなどの最近のユーロ圏の政治的不安定性が2017年のスタートアップにほとんど影響を与えていないことを示唆している。「ヨーロッパのスタートアップがBrexitの直接的影響を多めに見積もっている可能性がある」と、 英国コヴェントリーにあるthe Warwick Business Schoolの教授Stephen Roperは述べる。
Pitchbookのアナリストは、欧州のインキュベーターやアクセラレータの登場が、ベンチャーキャピタルからの資金調達の時期を遅らせている可能性があると考えている。 「将来、アクセラレータはベンチャー業界において重要な役割を果たします。 レーターステージへの資金調達の橋渡しの役目を担うだけでなく、起業家がベンチャーキャピタルにコンタクトを取る前に、アイデアに実行可能性があるかどうか振るいにかけるのに役立つかもしれない」
ベンチャー企業への投資が今後数ヶ月で増加するという指摘もある。 今年の初め、ベルリンに拠点を置くスタートアップDelivery Heroが、フランクフルト証券取引所で50億ドル以上の時価総額で上場を果たした。 これは、2014年以来、EUでVCが投資をした案件において、2番目に大きなものである。
最近で有望な場所はパリだ。366,000平方フィートにおよぶ場所に、1,000以上の企業を収容することを目指して、Station Fと呼ばれる世界最大のスタートアップキャンパスを開設した。 Station FにはFacebookやMicrosoftなどの企業のインキュベータープログラムが設置されている。 一方、最近選出された大統領エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)が率いるフランス政府は、国内での起業促進に非常に力をいれている。今年導入された4年間のテックビザ・プログラムにより、外国起業家がフランスで事業を開始できるようにしている。 フランスを「スタートアップ国家」とするマクロン氏は、法人税率とキャピタルゲイン税を引き下げることを目指している。それにより、より多くのエンジェル投資を促すことにつながる。
Source: Inc.
