そうさ僕らはエイリアンズ。

寒い夜。駅前の横断歩道。

コートのポケットに手を押し込み

ビルの隙間の小さな冬空を

じっと見上げる。

地上の忙しい人混みとは対照的な

暗い夜空に光るひとつ星が

わたしの時間を止める。

冬のはじまり

クリスマスのイルミネーション。

ヘッドホンからは「エイリアンズ」


立ち止まったまま

ボリュームをMAXにして耳を傾ける。

まるで僕らはエイリアンズ 禁断の実 ほおばっては 月の裏を夢みて

エイリアン…

そうさ僕らはエイリアンズ 街灯に沿って歩けば ごらん 新世界のようさ

どおりで。


身の置き場のない居心地の悪さは

そういうことだったんだ。

寒さで冷たくなった心を

さらに追い込むように

とどめを刺すように

もっと自分を突き落としてみたくなる。

この夜を忘れるくらいなら

馬鹿と呼ばれ続けて生きよう。

もう少しだけ人混みに押されながら

ひとりしびれていたい。

そうさ僕らはエイリアンズ。

この曲と出会って10年目の冬に。

エイリアンズ / キリンジ