初・中級者は英語メールで避けた方がいい単語その1:teach

日本人の大半が、日常会話でも頻用する単語として義務教育で習うにも関わらず、いざビジネス英語の場面で使ってみると、まったく伝わらなかったり、勘違いされたりする表現というのがいくつかあります。今回はそんな単語の代表格である"teach"と、替わりに使うべき英語表現を見てみます。

teachの和訳は「教える」ではない

「このツールの使い方を教えて」という文章を英語にするとき、初学者は "Please teach me how to use this tool" と書きたくなります。日本の義務教育では英語の授業で teacher の訳は「先生」と、 teach の訳は「教える」と習うので、無理もありません。

しかし、ネイティブが日本人から "teach me" とお願いされて想起するのは、「講習会を開いてくれ!」くらいのノリです。それを聞いたネイティブは、「いや、講習会を開くほどのことでもないし、自分で調べてくれよ。。。」と内心思い、あなたのメールは返信をもらうことなくそっとアーカイブされるかも知れません。

teach は、単に「その場で口頭で説明する」よりもずっとヘビーな、「事前に入念に準備し、最低でも1時間はかけて、相手がしっかり理解するように講義する」くらいの言外のニュアンスを含んでいます。

teach を「教える」と訳すのは非常に乱暴で誤解を招くので、義務教育でも今すぐやめた方がいい、と断言できるくらい、teach の本来の意味は日本語のカジュアルな「教える」とは程遠いものです。

替わりに使える「教えて」の英語表現

ではビジネスの場面で「教えて」と英語で言うには、どんな単語を使えば良いのでしょうか。求める回答のタイプによって、いろいろと言い方がありますので、いくつか紹介します。

  1. "let me know"yes/no や、1~2センテンスで回答できる単純な質問の場合は、ほぼ必ずこれを使います。先ほどの「このツールの使い方を教えて」の文なら、"Let me know how to use this tool" となります。日本語のカジュアルな「教えて」の90%は、"let me know" でカバーできると言っても良いでしょう。
  2. "share with me":ある程度まとまった情報を共有して欲しい、というニュアンスの「教えて」として使います。例文「今朝の会議で何が発表された教えてくれる?」なら、"Could you share with me what was announced in the meeting this morning?" と訳します。逆に「今度の土曜日空いてるか教えて」のような、yes/noのみの回答を求めるケースでは使いません。
  3. "go through" : ステップ by ステップで確認するような回答を求める場合、go through が使われるのをよく見かけます。「残っている全タスクを(一つ一つ)教えてもらえますか?」なら、"Could you go through all the remaining action items?" と訳せます。
  4. "elaborate" : 1度回答をもらった後、「もう少し詳細に教えて」と聞きたいときに使えます。「実際のところ何が間違っていたのか、誰か詳しく教えてください」なら、"Can someone elaborate what exactly went wrong?" と訳せます。
  5. "educate":驚くことに(?)、educate の方が teach よりも日常会話でより多く使われます。日本の義務教育では、「teach = 教える」、「educate = 教育する」と習い、educate の方がかしこまった印象を与えがちですが、実はそんなことはありません。ニュアンスとしては、「(必須ではないこと)を、後学のためにわざわざ時間をとって教えてもらう」ようなイメージです。例文「(お忙しいところ)時間を割いて教えてくれてありがとうございます」なら、"Thanks for taking extra time educating me"と訳せます。
  6. "instruct":回答がはっきりを決まっていること(手順、使い方、プロセスなど)を伝える際に使えます。「各位が担当するクライアントにこのことを教えておくように」であれば、"Make sure your client is instructed on this" と訳せます。

全部覚えるのは大変。とりあえず let me know

上に記載された5つ以外にも、guide、inform、traindescribeillustrate なども「教える」の訳として使えることがありますし、他にもあるかも知れません。初級者、中級者にとって、当然これらの表現の微妙なニュアンスを理解して使い分けるのは大変です。とりあえずどんな場合でも「教えて = let me know」を訳しておくのが良いでしょう。let me know が最適な訳ではない場合でも、意図が間違って伝わることはありません。

teach が使われるのはせいぜい格言くらい

メール大好きカルチャーの外資系IT企業で長年働き、これまで受信して読んだ英語メールは軽く10万通を超えますが、ネイティブがteach を使っているのを見たことは、本当にごくごく稀にしかありません。使われるとしても、ほぼ格言だけです。日本語でもよく言われる「彼は(同僚に)魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」を、"Instead of fishing for them, he teaches them to fish." と訳すのですが、ここではteach が使われています。自分で魚を釣る方が簡単ですが、そうではなく「時間をかけて」「独り立ちするまで」釣り方を教える、という言外のニュアンスがここにはあります。そのくらいteach は「重い」単語だと言ってしまって良いでしょう。

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