Gacharic Spin「Don’t Let Me Down」「TAMASHII」「夢喰いザメ」:3つのアプローチが描く、カラフルな音のトライアングル

Gacharic Spin

Gacharic Spinの「Don’t Let Me Down」は、デビュー・シングル「赤裸ライアー」に続き、2番目にリリースされたシングルです。表題曲に加え、「TAMASHII」と「夢喰いザメ」という曲も収録されています。3曲が一点に凝縮され、それぞれが異なるアプローチ、異なる表情を見せます。ジャケットは白い背景に各メンバーの衣装の色が映えており、シンプルな鮮やかさが目を引く印象的なデザインですね。

Don’t Let Me Down」は爽やかで軽快なアレンジが多くの人に響きそうなポップ・ロック。それと同時に、涙腺を刺激する美しいメロディが特徴的な曲です。終盤、リズムが抜けて、はな(ドラム&ボーカル)がサビメロを歌う部分では、歌声に強固な芯を感じさせ、美しく曲の世界を震わせます。ハスキー寄りの歌声は、自ら叩くビートにまったく負けることなく聴き手に届き、そしてリズムが抜けた中では、その強さが一層際立ちます。

Music video by Gacharic Spin performing Don’t Let Me Down

いわゆる「エモ」系の「TAMASHII」は、Gacharic Spinの曲を次々聴く中で、僕が第一印象で胸を打たれた最初の曲です。まさしくバンドの魂を感じます。エネルギッシュなサウンドに「泣ける」メロディを乗せるアレンジは、芸術的に美しい。ギターとシンセサイザーが離合を繰り返し、混ざり合って互いを引き立てたり、それぞれが火花を散らして屹立したりします。濃密な音の中で、2人のボーカルが交錯し、美しく光るメロディが縦横無尽に舞います。

夢喰いザメ」はダンス・ミュージックとロックのハイブリッド。シングルではロック寄りのアレンジがされており、『MUSIC BATTLER』に収録されたアルバム・ミックスでは、四つ打ちが強調されていて、ロックからエレクトロに寄っています。また、Gacharic Spinではボーカルにエフェクトをかけるシーンをよく見かけますが、「夢喰いザメ」でも効果的に使われています。淡々と紡がれるメロディを、無機質な雰囲気でコーティングします。