I’m joining Google

Ryohei Fushimi
6 min readApr 29, 2017

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Google の Geo チーム にソフトウェアエンジニアとして入社します. Geo は Maps など地図や位置情報を扱うチームです. しばらくは東京オフィス (いわゆる Google Japan) で働く予定です.

Motivation

「伏見くんは, いろいろやってる人だよ」という紹介のされ方をよく聞きます. ぼくは確かに「いろいろなこと」をやってきたし, 全くもってその紹介はフェアだと思うのですが, 「選択と集中」が是とされる中,, なかなか不名誉なことだなと思うこともありました(笑). もちろんそれは, 一貫したモチベーションを持っているように見えていないからであって, そのようなことをあまり話さない方だったからかもしれません. いい機会なので, 今後の自分のためにもまとめの記事を書いてみることにしました.

エンジニア, もしくは広く「作ること」に関わる人は, 少なからず 「どんなものを作りたいか」「どのように作りたいか」についてモチベーションを持っていることが多いと思います. ぼくの場合それはプログラミング技術を使って, コンピュータが「四角いスクリーンの中に囚われないやり方で」どうやって人とやり取りできるかということでした.

いちばん最近, お手伝いをさせていただいた博報堂さんの「Pechat」の音声エンジンの仕事は, まさにどうやってスクリーンの外で楽しくおもしろいコミュニケーションを起こすか, ということに取り組んだものでし. 自己音声知覚についての修士研究や Vibrat-o-matic (藤縄くんとの共同研究) も, 視覚的な要素にフォーカスした研究が多いヒューマンインターフェース研究の中になんとかカウンターとしてねじ込めないかという意図でひねり出したアイデアでした.

ですが, エンジニアリングの世界に身を浸してたくさんの人と話すうちにわかってきたことがありました. それは僕はどちらかといえば, (作るものよりも) 作ることにまつわる困難をどのように克服するのかに興味があるということがわかってきました. それは例えばこのようなことです.

  • 1人なら作れる, でも複数人で協力して大きなものを作るには?
  • 複雑にすることはできる. どうしたら使う人が使い方や仕組みを理解しやすい状態に保てるか?
  • 作ることは簡単にサボれる. どうしたらみんながモチベーションを維持できるか?

思い返せば, この世界に来るきっかけとなったユビキタスエンターテインメントでの仕事では, enchant.js のエコシステム整備やエヴァンジャライズを通じて考えていた「自分は作れるようになった, 次は作る楽しさをどうしたら伝えられるか?」という問いが始まりだったのかもしれません.

大学院を卒業するタイミングで, 何かを作りながら, 同時に作ることについて考えつづけられるような方法を探していたところ, いくつか出てきた選択肢の中にGoogleがありました.

Why Google?

Google にアプリケーションを書いた理由はいくつかありますが, 手短に言えば最も大きな理由は, この会社がいかにしてものづくりに関わる困難を解決しているか, 数万人規模にもなったこの会社がどのように作るための仕組み (組織) をオープンに維持しているかということでした. ここでオープンであるという言葉は, 「組織で何が起こっているのかを多くの人が知ることができる」「ものごとをよくするためなら, 多様な意見を誰からも受けつけている」という意味で使っています.

このあと書きますが, 仕事選びにおいて「作りたいものや, 強みを発揮できる技術領域」が先にあったわけではないことを白状しておきます. エンジニアとしては少し恥ずかしいことなのかもしれませんが, 幸いにもそれを歓迎してくれました. これはとても嬉しかったし, 自信にもなったことでした.

What I will do

Google Maps のチームに参加する予定です. スクリーン上で見るものですが, スクリーン外での体験と情報の「マッピング」を提供するものであり, いままでやってきたことにも近いものがあると思います.

Googleでの職場環境や働き方については, もしかしたら話せないことも多いかもしれません. 『WORK RULES!』や『How Google Works』にかなり詳しく記載されていますので, そちらも興味あれば参照してみてください.

長い文章をお読み頂きありがとうございました. もちろん上に挙げたプロジェクトはすべて, 素晴らしいチームや環境に迎え入れてくれた方々のおかげで関わる幸運を得たものですし, もちろんチームの他の方々の尽力あってこそ世に実現できたものです. 個々の名前は挙げられませんが, 感謝しています. 何かの形で恩返しをしようと頑張っています. これからも頑張ります!

追記(5/1 21:25)
この原稿は入社前に書かれたもので, チーム配属等公表してもよい情報の範囲は, マネージャに確認を取っています.

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