塾なし、私立なし!無償の公教育で全て成り立つフィンランドの教育システムが面白い!

Gaku Nakamura
4 min readJan 30, 2018

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先日、フィンランドで教育企業に投資を行ったり、フィンランドの教育システムをアジアに持ってこようとして香港でがんばっているPolkuniという会社の創業者Stuartが日本に来たので話を聞いてきた。

フィンランドについて

北欧のフィンランド、面積は338,400㎢で、日本(378,000)とほぼ同じくらいの大きさだ。しかし、人口はたったの550万人しかいない。World Economic ForumによるGlobal Competitiveness Indexでは10位。日本は9位。PISA(主に15歳の子供達を対象とした学習到達度調査)の調査でもフィンランドはいつも上位に位置している。そんなフィンランドの教育の質は高くてユニークだ。

フィンランドの特徴的な教育システム

フィンランドの教育システムは日本の教育システムとは大きく考え方が異なる。テストよりも学びにフォーカスしている。だから、ランキングもないし、全国一斉テストのような学力テストもほぼない。ただ一回全国テストが大学に入る前にあるが、これも政府が教育がうまくいっているかを測るためのものらしい。(テストがないわけではない)

7歳〜15歳までの9年間の義務教育を終えた後は、高等教育に進むか、職業教育校に進むかの選択がある。フィンランドではこの割合が5:5程度でほぼ同数らしい。

先生が優れていて、尊敬されている

フィンランドで先生になるのは、非常に難しいらしい。しっかりと教育学を学び修士を取った人でないとなれない。また、先生はとても尊敬される職業であり、医者や弁護士と同列だという。そういうこともあり、親も生徒も先生を信頼し、協力的な体制がとられている。

この先生の育成と先生の社会的な地位が日本と大きく異なるところだろう。

左がフィンランドのイメージ、右は・・・

学費は無償、私立はほぼない、塾もない

フィンランドは教育に力を入れているので、学費は全て無料だ。そして驚くべきことに、私立の学校はない。いや、調べてみたら、99%が公立でわずかに私立があるらしい。大学は全て国立とのこと。なぜそうなのか、ということに対してStuart氏は、公立のレベルが高く、どこに通っても大差なくレベルが高いからだと言う。また、塾もない。これも学校で習うし、補習も場合によっては行うので、それで十分だとのこと。パブリックな仕組みだけで、きちんとした教育がなされ成果がでている。すごい。

こういったフィンランドの特徴的な教育システムができているのは、国として、教育が大事、と考える文化があるからだ。教育は大事、と考える文化があるからこそ、教師は大切であり教育学をしっかり学ぶ。だからこそ先生はしっかりとしていて、尊敬される。また、親も協力的になる。人口が少ないからこそ成り立つ仕組みなのかもしれないが、とても良い循環になっている。

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Gaku Nakamura

株式会社レアジョブ代表取締役社長。日本とフィリピンを行き来しながら「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」を実現しようとしている。Founder, CEO of RareJob, Inc.