自動翻訳技術の向上によって、英語学習の必要性はどうなるか

昨今、自動翻訳技術の発展が目覚しい。Skypeのリアルタイム翻訳に関するニュースも出た。

実際、この翻訳技術として利用されているMicrosoft Translatorのアプリを利用すると、気持ち良い感じで翻訳してくれる。ちゃんとした日本語文を聞き取りやすい感じで話すと綺麗に翻訳してくれる。ただし、会話のような場面でアプリを利用しようとすると、うまくいかない。

この技術、数年するとさらに発展していくだろう。精度という点ではGoogle翻訳をみてもそうだが、どんどん上がっていくに違いない。

英語学習はいらなくなる?

では、普通に出てくる考えは、自動翻訳技術があるから英語学習はいらなくなる!ということ。本当にそうだろうか?私はそうは考えない。では、どうなるのか。

1. ビジネスでは通訳を使わないほうが有利に進む

ある研究で、ビジネスの交渉において、通訳を使った交渉と、通訳を使わずに苦しいながらも共通言語で交渉に臨んだ場合での比較結果がある。すると、交渉がうまくまとまるのは、後者のほうが確率的に高いという結果になる。難易度が同じ交渉の場合、通訳を使わない方が交渉成功確率が高いのである。この結果を知っていて合理的に考えるビジネスパーソンであれば、当然通訳を使わず、自分の言葉で伝えるという選択肢を取るであろう。

この結果は想像に難くない。直接自分の言葉で相手に伝えたほうが、相手に感情も伝わる。パーティーのような場で、直接コミュニケーションを取っている場合と、通訳を介してコミュニケーションを取っている場合とを考えてみるといい。どっちが仲良くなれるのか。ビジネスの交渉の場合だと、単純な論理だけで決まるわけではない。複雑な条件、感情が入り混じる。だからこそ直接に英語で伝えるというコミュニケーション能力は大事になる。

2. 英語学習の中心がスピーキングになる

自動翻訳技術が発展していくと、リーディングやライティングに関しては、かなりの精度で訳してくれることになる。特に機械にとって読みやすい文法で書かれていればなおさらだ。そうすると、仕事においてはかなりの部分、自動翻訳に頼ることも可能となってくる。

一方でリスニングに関しては、通常の会話ではリスニング能力は依然として必要とされる。ただし、一方向のプレゼンの場面なんかでは、自動翻訳によって母国語で聴けることは予想される。また、自分がプレゼンしている場面でも、質問に関しては自動翻訳でほぼリアルタイムに母国語に直して画面で見る、ということも可能だろう。

スピーキングに関しては、相手とコミュニケーションを取るという点で依然として必要になる。そのため、必要となる英語学習はスピーキング、およびそれに必要なリスニングが中心になってくる。

スピーキングが学習の中心になると、英語学習が楽しくなる。だから、従来よりも英語学習をする人は増えるんじゃないだろうか。

3. 英語でコミュニケーションできるか?が中心になる

英語学習の中心がスピーキングになると、評価も変わってくる。英語ができるかどうかの指標として、TOEICが日本では広く使われている。しかし、スピーキング、英語でのコミュニケーションが中心となると、その評価方法はTOEICではない。文法は間違っていたとしても、難しい単語は知らなかったとしても、きちんとコミュニケーションできることが重要になる。企業や学校など、多くの人が判断する基準は変化していく。

こういったことが将来起きていく。自動翻訳、テクノロジーの発展によって必要なことは変わっていくが、英語はビジネスパーソンにとって重要なツールであることには変わりはない。

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