EdTechXEuropeで見かけたEdTechサービス10選

Gaku Nakamura
8 min readJun 26, 2016

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様々なサービスをEdTechXEuropeで見かけたが、その中から10個を紹介したい。

Busuu

Busuuは2008年にイギリスでスタートした語学学習サービス。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、日本語、アラビア語、中国語、イタリア語、ロシア語、トルコ語、ポルトガル語、ポーランド語という12の言語を学べる。Webでもアプリでもどちらでも可能だ。サイトでの語学学習の他、学習しているユーザー同士で繋がって添削しあう機能も備えられている。プレミアムプラン(1ヶ月2,000円程度)になると、通常プランにはない機能が多数利用可能になる。

個人的にはちょっと使いにくいなぁと感じる作り。ただ、世界的にはかなり利用者もいる。こちらのサイトによると、5000万人以上の登録者がいて、毎日4万人ほどが登録するという。そのうち、どれだけが有料化するのかはわからないが、世界的に展開できるメリットはこのユーザ数にある。

https://blog.busuu.com/busuu-now-has-50-million-users-worldwide/

2012年に350万ユーロを調達、2015年には600万ポンドを調達している。競合はDuolingoやドイツのBabbel。今後に注目したい1社。

ABA English

ABA Englishは2007年にスペインでスタートした英語学習サービス。映画のような感じのクオリティのショートビデオを見て、学習していくというスタイルをとっている。実際にありそうなシチュエーションの映像なので、使えるフレーズも多い。その他に文法を学んだり、音声聞いてWritingを行ったりする。単なる単語アプリなどとは異なり、学習というスタイルをとっており、ケンブリッジにも認められているデジタルスクールである。プレミアムプランでは全機能が利用できるようになり、月額30$。長期利用契約で最大50%程度の割引に。

累積ユーザー数は1,000万人を突破しており、170カ国以上で利用されているという。16%がブラジル、ついで12%でイタリア、11%スペイン、9%フランス、メキシコ、コロンビア、アメリカ、ペルー、ロシア、チリとなっている。MAUは1.2M、Study usageとしては66min/session, 2.5H study/week, 15K total certifications issuedだという。定義が不明な部分あるものの、思った以上に利用されている。

今年の6月には1200万ドルの調達を行っており、展開を加速させていくんだろう。日本への展開でも某事業者と話をするようであるが、その選択肢はどうかな。。発音はBritish English系なので、どこまで日本に合うのか、という部分はあるが、クオリティとしては高く、うまく展開させると面白い。

Fluentify

Fluentifyは2013年にイギリスでスタートした先生と生徒マッチング型の英語学習プラットフォームサービス。ネイティブ講師との1対1のレッスンがあり、南欧、特にイタリアを中心に広まりつつあるようだ。レッスンは1回30分で13.5$程度という価格。月に5,000レッスンくらいで、企業中心に獲得しているのではないかと思われる。

Hellotalk

Hellotalkは2011年中国発の相互語学学習アプリだ。例えば中国語を学びたい日本語が母語のユーザと日本語を学びたい中国語が母語のユーザがつながって、ユーザ同士でチャットができたり、添削できるようになっている。ユーザー同士で通話もできる。ユーザとして多いのは、中国、日本、韓国。累積250万ユーザー以上がいて、20代前半がコアユーザー。どうマネタイズしていくことができるのかが最大の課題だろう。

Lingokids

Lingokidsはスペインの会社の2歳から6歳向けの英語学習アプリ。Oxford University Pressとも提携してコンテンツを作っているようで、幼児向けに楽しい学習として最適化された感じだ。iPadを渡しておけば、子供はこれに夢中になるかもしれない。それで自然に英語学習ができていく可能性も高い。プレミアムプランは月額1,000円程度だ。Lingokidsは500startupsなどから累計150万ドルを調達している。子供にやらせたくなる面白そうなアプリだ。

Skyeng

Skyengは2012年にスタートしたロシアの英語学習プラットフォームサービスである。単一画面内で教材と講師の顔を映すことができて、通話も行うことができる。ビデオしか見ておらず、実際のデモを見ていないので判断しにくいが、使い勝手のいいプラットフォームになるのかもしれない。

Potential

Potentialは、キャッシュフロー、リーダーシップなどビジネスに関連するようなことを学べるe-learningコンテンツプラットフォームだ。各ユニットは10分〜30分程度で勉強できる内容になっているので、コース終了率が高いというところが特徴。各コースは10ユニット前後になっていて、隙間時間に勉強するという感じになっている。ドバイの会社が今年始めたサービス。

Edurio

Edurioは2012年にスタートした学校の先生のためのフィードバックツールを提供するサービスである。ラトビアから始まったサービスだ。生徒や親などから先生へのフィードバックを簡単に集めて分析する。授業ごとという使い方ではなく、学期毎などのような単位でフィードバックを集めてデータ分析して、何をすればよいか出すのだという。教育として考えると、レッスンの評価はUberのような五つ星での評価というのはダメで、もっと深い形で具体的に聞く必要があるという。

Shape Robotics

レゴの本場デンマークのスタートアップが展開する子供向けロボット教育のShape Robotics。こんな感じのパーツを組み合わせることでロボットを作ることができる。さらに、簡単なプログラミングでいろいろ動きを組み合わせられるようだ。子供の教育にはとっても面白いなと思った。将来の子供たちの教育にこういうものは取り入れられていくんだろう。

Edorble

Edorbleはオンライン教育のためのヴァーチャル空間を提供しているサービスである。ちょっとわかりにくいけれど、オンラインで講義する際、ヴァーチャル空間にアバターとして入って、実際に着席してクラスを受講する、というように現実空間のものをヴァーチャル空間に持ってきて実現している。いくつかのデータによると、通常よりもドロップレートが低くなるという結果もあるそうで、ヴァーチャル空間に入ってレッスンを行ったほうがよいと彼らは主張していた。彼らの働き方は、リモートを中心としていて、創業者もアメリカ人とベルギー人、エンジニアは他の国にいて、などという感じだ。サービスを実際に使ってみると、重いとかいろいろ苦しいところは多いが、オンライン学習におけるモチベーション維持のための一つのアプローチとしては面白い。

ここまで10個のサービスを紹介してきた。他にも3歳からの子供向けのコーディングおもちゃを提供するPrimo、Raspberry Piというボードを使ってノートPCを作れちゃうというpi-topという子供向け教育のためのサービス、ラーニングコンテンツのリコメンデーションを行うBibblio、算数のアダプティブラーニングを行うBettermarksなど色々面白いものもあった。

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Gaku Nakamura

株式会社レアジョブ代表取締役社長。日本とフィリピンを行き来しながら「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」を実現しようとしている。Founder, CEO of RareJob, Inc.