EdTechAsiaで出会った次世代教育サービス10選
先日、ベトナム ホーチミンで開催されたアジア最大級のEdTechイベントEdTechAsiaにてパネルディスカッションに登壇させていただいた。ベトナム外から来た人が大半で、日本人も10人弱いた。オーディエンス数は400人以上であり、起業家、投資家、教師、教育関連企業など幅広い人が参加していた。昨年はバンコクで開催されたが、2年連続で参加した人は、その時とは比較できないくらい活気があったと言っていた。活気の違いは、その国のStartupやEdTechに対する活気の違いとも言える。
そんなEdTechAsiaにて、アジアを中心に展開する様々なEdTechサービス関係者とあったので、そのサービスやスタートアップを紹介したい。
TOPICA
TOPICA GROUPは東南アジアでもっとも有名なEdTechベンチャーの一つ。ベトナム発ということもあり、様々なセッションでも話題に取り上げられていた。オンライン教育の東南アジアリーディングカンパニー。Online Degree, Speech tutoring, Acceleratorなど様々なことを行っている。英語教育においては、VR使ってレッスン提供するということもやっている。そのためだろうか、FluentWorldとも提携している。ユーザー数もベトナムで10,000人近くいるらしく、多方面で非常にがんばっているプレーヤー。ちなみに英語は、3ヶ月500$のパッケージなどだとか。
KYNA
Udemyのベトナム版。オンラインコースのマーケットプレイス。最近は、KYNA LINGO として英語学習もスタートしている。調べてみると、CAVから出資を受けているようだ。これからどうなるだろうか、
Ubiquity University
今回のカンファレンスのプレゼンの中で一番わかりやすくて引き込まれるプレゼンだった。大学やってるからだろうか、相手に聞いてもらうためにはどういう風に話せばいいのかよくわかっている。
Ubiquity Universityはオンライン大学だ。これからの複雑な時代における必要となるスキルは、従来のリベラルアーツとは異なる。だからUbiquity Universityでは、Creativity, Collaboration, Personal leadership, Social innovation & entrepreneurship, Complex problem solving, Emotional intelligence, Global mindset, Cross boundary team building, Whole system design をコアコンピテンスとしている。まさに、こういったスキルがこれからのビジネスではどの職種でも必要だよね、というものだ。面白そうなオンライン大学、今後伸びていくのかな。
WORD-BOOSTER.COM
韓国の若者が立ち上げたサービス。英語の文章の記載されたURLをコピーするだけで、難しい単語をリストアップし、その単語の英語での説明(辞書から引用)が示される。また、その単語を覚えるための問題も自動的に生成される。まだ、MVPという段階だそうでこれから発展させていくというステージだが、文章から問題を作る人にとっては労力が削減できるサービスだ。今後の展開に期待したい。
51talk
同業の51talk。中国では最大級のオンライン英会話事業者で、NYに上場している。時価総額は約400億円。2017年1Qの売上は約25億円、そのうち約70%がK12マーケット。ちなみに営業損失は約22億円。売上高と同程度のセールスアンドマーケティング費用をかけている、なかなか真似できない企業だ。
そんな51talk、今回のEdTechAsiaには、North American Marketing ManagerのJamesが来て、一緒にパネルディスカッションに登壇した。講師の管理方法やトレーニングなど比較的同じようなことをやっている。K12が伸びており、戦略の中心はK12だ。
今回のカンファレンスの件、51talkは以下のような記事にしてリリースを出している。IRは常にチェックしたりしているが、今後51talkがどういうマーケティング施策を取っていって、どうやって黒字転換に持っていくのかが興味あるところだ。
Learntalk
スペインのオンライン英会話。フィリピン人が先生。いくつかプランがあり、チケット単位だと1回5$という設定。プライベートレッスンだけでなく、グループレッスンもある。まだ先生が少なくって予約しようとしてみても希望時間で先生がいなかったり、選べなかったりする。
Globish
タイのオンライン英会話。彼らの資料によると、タイのデジタルイングリッシュマーケットは1,200万$であり、CAGRは30%とのこと。その伸びているマーケットで勝負している。先生はフィリピン人で、セルビア人もいる。6ヶ月パックで380$というような価格設定だ。若い経営者、チームがこの市場を大きくしていってくれるだろう。
Zenius Education
インドネシアの学生のためのオンラインラーニングプラットフォームを提供している。様々な教科をビデオを見て勉強するというもの。サイト見てもインドネシア語なんであんまりわからないが、話したビジネスディベロプメントの人いわく、それなりのユーザーはいるとのこと。
IAJN
海外大学のアルムナイネットワークサービス。アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、ヨーロッパ、ニュージーランドなどの大学を卒業したアジア人向けになっている。そういった人たちへのアジアでの就職情報を流したり、コミュニティ運営を行っている。昨年、オーストラリア人がベトナムでスタートしたサービスで、口コミで広がっているらしい。
Sorotouch
日本のサービスも一つ紹介。今回のカンファレンスには、元楽天インドネシアのカントリーヘッドで、現在はsorotouchの社長をしている橋本さんが来ていたので、そのサービス。そろタッチはiPadアプリを使い、そろばんの仕組みを応用した暗算学習法で学んでいく。そろばんがアプリになった、と思うとわかりやすい。
以上、10個のサービスを紹介してみた。EdTechはこれからもっと盛り上がっていく市場。中国、アメリカ以外だってこれからどんどん出てくるだろう。