Spotifyの目指すHigh Alignment High Autonomy文化が面白い

Gaku Nakamura
4 min readSep 25, 2016

Spotifyのエンジニアカルチャーというビデオで、Spotifyではどういうエンジニアリングをしているのかが説明されている。その中で、面白い概念がある。Alignment と Autonomyに関してだ。

Alignmentとは、いろいろなものを一つの考えのもとに一致させていくことだと言える。Autonomyとは自律的に動いていくことだ。この両者、相反する考えのようにも思われるが、そうでもない。その二つを軸に4象限に分けることができる。以下がSpotifyの例で出てくる図だ。

Alignment and Autonomy (From Spotify)

Low Alignment Low Autonomy:
この状態は、マイクロマネジメント文化だ。大きなビジョン、目的は見えず、あれをやれ、これをやれ、と指示されるだけの状態。

High Alignment Low Autonomy:
この状態は、リーダーはどの課題を解けばいいのかきちんとコミュニケーションをとっている状態だ。それと同時に、その課題をどう解けばよいのかも教えている。

Low Alignment High Autonomy:
この状態は、明確な目的が見えない状態で、それぞれが好き勝手なことを行っている状態だ。

High Alignment High Autonomy:
リーダーはどの課題をなぜ解くのか、ということにフォーカスし、どうやって解くかはチームに任せている状態だ。

この4状態の中で、High Alignment High Autonomyを目指していく、というのがSpotifyだ。そのためには、リーダーは何を解決するべきなのか、それはなぜなのかを示し、共有していく必要がある。そしてチームは、最適解を探すためにそれぞれ協力していく必要がある。

Alignment enables Autonomy. The stronger alignment we have, the more autonomy we can afford to grant. Leader’s job is to communicate what problems need to be solved. And why.
Squad’s job: Collaborate with each other to find the best solution.

この考えをもとに、各チームはそれぞれ思い思いのツールを使ったりしながら開発される。その上で、いいと思われるものは共有され、それが自然にデファクトスタンダードになっていく。誰か一人の考え方に基づくというより、自然淘汰で出来上がっていく感じだ。

各チームはジャズバンドのように動く。各チームはそれぞれ別の楽器で自律的に演奏しているが、まわりの音はしっかりと聞いていて、一つの美しい音楽になる。
“Be autonomous, but don’t suboptimize.”
となっている。

このHigh Alignment High Autonomyという思想、すごく共感する。目指したい姿だ。実際には難しいところも多いし、ものによってそのAutonomy度合いは変わってくる。正解がわからないものを作っていくには、この考え方は非常に合うんだろう。

興味のある方はPart2もあるのでぜひ。

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Gaku Nakamura

株式会社レアジョブ代表取締役社長。日本とフィリピンを行き来しながら「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」を実現しようとしている。Founder, CEO of RareJob, Inc.