かな入力方式

2008年2月12日初出

ケータイでかな入力する方法で最も普及しているのが「キー連打方式」と呼ばれるやつである。(注・この文章の執筆当時は少なくともそうだったが,その後スマホの普及により,フリック入力が標準的になったのは周知の通り。)ちなみに各社ケータイのマニュアルを見ると,この方式のことを一般に「かな入力方式」と言うらしい。QWERTYキーボードから入力してもかな入力には違いないのに。

その「かな入力方式」あるいは「キー連打方式」とは,「1」のボタンを1回押すと「あ」,2回押すと「い」…,5回押すと「お」と出るアレである。ケータイ上には通常たくさんのボタンを配置できないので,少ないボタンで分かりやすく入力する方式としていつしか定着してしまっている。

ここで問題になるのが,「あ段」すなわち「あかさたな…」を入力する場合はボタンをそれぞれ1回だけ押せばよいが,「お段」すなわち「おこそとの…」を入れるにはボタンを5回も押さなければならない。すべての文字を均等に使うわけではないが,平均して1文字あたり3回ボタンを押す計算になる。

それに,たとえば「あいおい」と入力する場合には,「1」ボタンで「あ」を入れた後ですぐにもう一度「1」ボタンを押すと,いま入れた「あ」が「い」に変わってしまうので,矢印キーで右に移動するか「あ」を確定してからでないと次の「い」が入力できない。したがって「1,→,1,1,→,1,1,1,1,1,→,1,1」と13回ものボタン押下を要する。この方式は,入力の効率よりも初心者への分かりやすさを優先したと思われるので,効率が悪いのは仕方がない。

さて,これに代わる入力方式として,「2タッチ方式(ポケベル方式)」などがあるが,どうも最近のケータイは「キー連打方式」しか採用しない傾向にある…のかなと思っていた矢先,この度新調したNewケータイでは「2タッチ方式」が選択可能。(もちろんデフォルトは「キー連打」である。)

さっそく「2タッチ」を試してみる。「あいおい」と入力する場合,「1,1,1,2,1,5,1,2」の8回押下でOK。「あ段」を入れるときのみ「キー連打」では1回で済むところを2回押す必要があるが,「お段」でも2回である。1文字あたりの平均押下回数は確実に少なくなる。もっとも,「。」「、」や「?」などの記号は,覚えておかないとどうやって入れるか不明なのであるが,「キー連打」でもひたすら「*」キーを押していって見つからないこともあるから,覚えてさえしまえば「2タッチ」のほうが圧倒的に効率的?

実はこういう話,数年前に某情報系学会の会誌編集委員会の主査などという役職を務めていた折に,いつも隣席に座っていた,その方面では右に出る者のいない某氏からいろいろと教えていただいてはいた。携帯端末用に様々な入力方式が提案されており,中にはそれなりに秀逸かと思えるものもあったのだが,ケータイの場合,あらかじめ機能として備わっていないと使おうにも使えない。

ひょっとして,いまどきの若者たちなら「2タッチ方式」の愛用者がいるかも,と思い,仕事場の愛弟子たちに聞いてみるも,皆「キー連打」を使っていると答える。某P社の「ニコタッチ」のほうが「2タッチ(ポケベル)」よりも優秀,という話も聞くが,そちらは選択できないので,しばらく「2タッチ」を使ってみよっと。


Originally published at blog.gecky.net.

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