この「おべんとうばこのうた」。これは奥が深い。私が知っている(知っていた)歌詞は,「これっくらいの,おべんとばこに,おにぎりおにぎりちょいとつめて,きざーみしょうがにごましおふって,にんじんさん,さくらんぼさん,しいたけさん,ごぼうさん,あなーのあいたれんこんさん,すじーのとおったふーき」というものだ。使われている食材も不思議だが,この中で最も不思議なのが「さくらんぼさん。」これはいわゆるデザートに相当するものなのに,どうして人参と椎茸のあいだで弁当箱に詰めるのだろう。
と思って調べてみたところ,「さくらんぼさん」はもともと「さんしょう(山椒)さん」だったらしい。という驚愕の事実が発覚。
にんじん(2),さんしょう(3),しいたけ(4),ごぼう(5),と数字の順になっているらしいことも発覚。
人参・椎茸・牛蒡・蓮根・蕗,などという,いかにも和風な食材もともかく,この歌が幼児や子供向けだとすると,ごましおに加えて山椒などが入っていたら泣いちゃうのでは,ということで,おそらく「おかあさんといっしょ」あたりが山椒を「さくらんぼさん」に変えたらしい。
もっと細かく見ていくと,おにぎりに振るのは刻み生姜とゴマ塩である。ゴマ塩はともかく,いまどき刻み生姜などわざわざ振らないよなぁ。「のり玉」あたりが候補になりそうだけど字数が合わない。「のりたまたらこにごましおふって」だとちょっとかけ過ぎ。
人参などのおかずは,まず間違いなく煮物である。ということは,いわゆる筑前煮のようなものの中から,人参・山椒・椎茸・牛蒡・蓮根・蕗を取り出して弁当箱に詰めるという状況である。いまどきの子供達にそんなお弁当はちょっとあり得ない。
「すじのとおったふーき」というのも謎である。「筋を取って食べやすくした」ならまだ分かるが,「筋の通った」である。確かにフキには筋が通っているけど,それを歌詞の中で強調する必要があるのだろうか。
と,ツイートしている間に,自分の知っている歌詞は…というリプライをいくつか頂戴してますが,この歌は諸説ある伝承歌ではなくて,ちゃんと作詞家が付けた本来の歌詞があるので調べてみてください。
で,調べてみると,最高に驚愕する事実が判明。「すじのとおったふーき」でおしまいではなく,その後に「ぞうさんのせなかに,ありがおっこちた」なる歌詞が続くのである。
ちなみに,どうやらやはり「おかあさんといっしょ」で元祖の歌詞が改訂されて「さくらんぼさん」が広まったらしい。ついでに,「サンドイッチサンドイッチちょいとつめて~すじーのはいったベーコン」なる「改訂版の二番」も存在するらしい。
Email me when ♪ OKAWA Shigeki publishes or recommends stories