日本酒に純米酒というものがある。日本酒はお米から作るものなので全てが純米酒ではないのか、と思うかもしれない。
だが、実際には米と米麹だけを使って造った日本酒は少数派なのである。
ビールの本場、ドイツには、「ビール純粋令」という法律があり、ビールと認められるのは原材料に大麦の麦芽とホップだけを使用したもの。
日本で有名なものといえば「エビス」や「モルツ」がこれにあたる。
一般的なビールでは、副材料として「米·コーン·スターチ」の使用が認められている為、これらが含まれているものも日本ではビールなのである。
これと似たようなことが、日本酒の世界でもあるということだ。
ただし日本酒の世界では、仕込みの段階で麦やトウモロコシなどの穀類を副材料として使用するわけではない。
純米酒ではない日本酒に入っているのは「醸造アルコール」で「糖類」が添加されることもある。
米だけの酒を純米酒というのに対し、ある一定の量までのアルコールが加えられたものを「本醸造」という。
本醸造に規定される量より多いアルコールが加えられたり、アルコールと糖類が加えられたりした酒は「普通酒」と呼ばれる。
原材料から見た日本酒は「純米酒」「本醸造酒」「普通酒」の三種類なのだ。
では「本醸造」とはどんなお酒だろう。
実は酒税法で定められた明確な定義がある。
清酒のうち「本醸造」と名乗ることができるのは、「使用原料は米、米麹と醸造アルコールで、精米歩合70%以下、香味と色沢が良好なもの」となっている。
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