猫を拾う

gkmr
まとまらない話
2 min readSep 17, 2017

10日ほど前のこと。

夜ふけに家の近くで猫のような鳴き声が聞こえはじめ、その声は近づいたり遠ざかったりしながら動きまわって、やがてうちの庭に入ってきた。

翌朝になると、庭にある物置の床下の小さな空間から子猫の声がしていた。

近所の路上には空の段ボール箱も出現していた。

捨て猫である。

その日の夜、物置の下から出てきて鳴いていたところを捕まえた。小さなキジトラの雄だった。

ケージの代わりに、洗濯物を入れる籠を裏返してかぶせる。

猫缶を少し与えてみると、あっという間に食べた。

次の日、獣医に診せてみると、体重は440グラム、生後1ヶ月半らしい。ノミ取りの薬を背中に塗られた。

玄関では革のブーツに入って寝ていたが、

先週から部屋に上げてやると、駆け回るようになった。

里親を探すはずだったのだが、いつの間にか、うちで飼うことにきまった。

今のところ、元気いっぱいである。

名はタマ。まだ呼んでも来ない。

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