アイドルってUXデザイナーだと思う

ちゑ
6 min readFeb 29, 2016

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ゴミデザイナーことちゑです。嘘ですちゃんと仕事してます仕事ください。誰に向かって言ってるかは不明ですが、デザインのお仕事は大好きですよ。仕事と同じくらい(いや、それ以上?いやいや同じくらいかなどっちでもいいかな)アイドルが好きなんですが、ただ一方的に好きだ〜〜〜と思うだけでなくアイドルという仕事について考えることもあります。考えた結果、「アイドルってUXデザイナーじゃん?????」と思ったんです。

以下3セクションになってますが、アイドルとアイドルオタクのことを多少知っている方は最初の2つのセクションは飛ばしてもらっちゃってOKです。

#1 最近のアイドルとオタクの関係

今のアイドルって、オタクとの距離がかなり近いですよね。世間では国民的アイドルと呼ばれているAKB48みたいな売れっ子にも、地下アイドルと呼ばれるまだまだ日の目を見ないインディーズの子たちにも共通して言えることだと思います。私は売れっ子よりも地下アイドルのほうが好きなので地下アイドルのことしかわかりませんが、“地下”といえどもその世界の熱気は凄まじいです。可愛い笑顔をふりまくアイドルと群がるオタク(私もそのオタクの中の一人)、まあ容易に想像できる構図ですよね。そんな世界で【オタクがどんな体験をしているか】【アイドルがオタクに与えるUXとは?】、この2点について考えてみたいと思います。

#2 アイドルオタクの体験ってなーに?

アイドルオタクと一口に言っても、楽しみ方は十人十色。ここでは、ライブを観に行くオタクについて話しますね。

アイドルのライブって、アイドルオタクじゃない人でも知ってるあのオタ芸はもちろんのこと、MIXという独特の掛け声なんかもあってとにかくすごいんですよ。「全然アイドル見てないじゃん」ってくらい盛り上げる(もしくは自分が盛り上がる)ことに夢中なオタクたちがひしめき合っています。アイドルオタクには私のような20代女性は少なく、普段は真面目に働いているオジさまが圧倒的に多いです。日頃の色々を発散しているのか単に盛り上げたいだけなのかは知りませんが、老若男女関係なくでっかい声出して暴れるのはとても楽しいですよね。それも意味もなく騒ぐんじゃなくて、可愛い女の子たちが歌ったり踊ったりしている空間で騒ぐんだからそりゃもう天国のような楽しさなんですよ!!!!!

天国のように楽しいライブの後は、これまた天国のように楽しく幸せな物販のお時間です。好きなアイドルのグッズを買ったりチェキくじを引いたり、CDや特典券を買ってアイドルたちと握手しながらお喋りできちゃったり推しメンと2ショットチェキを撮れちゃったりするんです。普通に生活を送っていたら絶対に自分には見向きもしないような、むしろ冷たい視線を向けてきちゃうかもしれないような若くて可愛い女の子が対等に接してくれる時間と空間がそこにはあります。自分で書いていてなんか変態じみてきたなと思っているところですが、まじで天国的癒し空間ですよ!!

こんな感じで、アイドルのライブは日常生活ではできない体験で溢れてるんです。私はまだ20代だし女性なので、可愛い女の子と接するのはそれなりに簡単です。が、その辺にいる可愛い女の子とアイドルは全然違います。やはり、プロ。アイドルたちはオタクのUXを徹底的に考えていると感じます。

#3 アイドルがオタクに与える体験ってなーに?〜オタクUXのための自己プロデュース〜

アイドルのライブがどんなに楽しいかを熱く語ってしまいましたが、大事なのはここからですよ!

アイドルたちはライブや物販のようにオタクと直接触れ合うことができない時間も、オタクを惹きつけることを怠りません。その活動の場はTwitterとブログ、最近ではCHEERZというアイドル応援アプリなんかもあります。可愛い自撮り画像はもちろん、対バンイベントに出演したときは他のグループのメンバーと撮った写真も上げています。写真と一緒に「〇〇の▲▲ちゃんと!お話しできて嬉しかったです!」みたいなツイートをすると、〇〇の▲▲ちゃんを推しているオタクに自分のことを知ってもらえたりするわけです。一緒に写る相手が名の知れたアイドルであるほど、その効果は大きくなります。仲良しアピールと同時に超地道な認知度UPもしているとは、考えてますよね。他にも、ブログでファンレター一通一通に対して丁寧にお返事を返している子なんかもいたりします。

アイドルがオタクに会えない時間のことをお話ししましたが、もちろんライブ・物販でも彼女たちはオタクのUXを意識しています。私が好きな地下アイドルの場合は割と小さめの箱でライブをすることが多いので、ステージからオタクたちの様子がよく見えることでしょう。それを活かしてオタク一人一人と目が合うようにしたり、オタクの声に反応して見せたりします。しょっちゅうライブに通っていて顔見知りみたいになっているオタクを見つけたときに、「あっ!」って表情を見せてくれる子もいます。推しメンが数多のオタクの中の自分を認識してくれるのは、オタクにとって最上級の喜びです。

上記のようなことを実践しているアイドルは大勢います。というか、ほぼそういう子たちだと思います。みんな同じことを頑張ってやっているのに、何故人気に差が出るのでしょうか?個人的な意見ですが、それには自己プロデュース力が関係していると考えられます。後ろにいるプロデュサーがキャラ作りを指導しているなんてこともありますが、最近はアイドル自身が自分のキャラクターを作っていることも珍しくありません。自分の個性を活かしたキャラクターで攻める子もいれば、架空の人物を作るようにキャラ設定をする子もいます。そうして自分で作り出したキャラクター性を使いこなしている子が、人気を獲得してるんです。誰でもアイドルになれると言っても過言ではないこの時代、ビジュアル・歌唱力・ダンス・楽曲がどんなに良くてもキャラクターに魅力がなければアイドルとして成功するのは難しいでしょう。

こうして、アイドルはオタクUXに頑張ってプロデュースしたキャラクターを乗せ、その子にしかできないオリジナルのサービスをデザインしています。大げさに聞こえるかもしれませんが、考え方は間違っていないはず!アイドルってUXデザイナーだと思う

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ちゑ

武蔵美卒のデザイナーです。まだまだ見習い〜