公正であること、信じること — #ベンチャー採用 Advent Calendar 2018
はじめまして、こんにちは。石黒 卓弥 / いしぐろ@メルカリ/Takaya Ishiguro@Mercari です。
「ベンチャー採用 Advent Calendar 2018」の12月17日担当としてお送りします。
庄田さん、お誘いいただきありがとう。そんな季節ですね。
ベンチャー採用Advent Calendar 2018とは?
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で追うと、各エントリがどう読まれているのがわかって、より学びが深まりますね
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今回書くこと
今回の企画を庄田さんからいただいてから、「何を書こうかな〜」と頭の片隅で考えていました
スタートアップの採用
スタートアップの採用については、ぜひこちらのエントリをお読みください。採用の難しさ、楽しさはここに詰めました
ポジショントークは好きじゃない
私は、ポジショントーク!は好きじゃない。
フレームワークが得意な人ではないので、分析記事も書けません。
- 来年のトレンド!
みたいなものは書かないスタンスです。(→本エントリ: トレンドは「読む」ものじゃなくて「作る」もの!を参照ください)
なので、
シンプルに
テーマが「ベンチャー採用」ということもあり、私が思う # Be Professional な人事採用について、仕事に対する思いを書いてみようと思います。
私が人事/採用に関わる上で大切にしていること
この3つ です。
1. なんのための人事/採用か2. エグゼキューションが全て - 続けること、捨てること -3. 公正(=fair)であること
1. なんのための人事/採用か
ミッションの達成であり、プロダクトの成長とそれを支える組織/個人の成長のため。
人事/採用において、目的が曖昧だったり、「採用」という手段が目的化してしまうことがありますが、全てはミッション達成のためだと言い切れます。
2. エグゼキューションが全て- 続けること、捨てること-
採用の方法論や理想は語り尽くされています。まずはやってみること。そして続けること。「インパクトを出すため」であれば、出来ていないことに目を向けない。捨てることを恐れないことです。
入社時から変わらないメルカリのバリューに沿った採用に引続きコミットしていきます。
3. 公正(=fair)であること
「平等」と「公正」、の違いについて人に説明するときによくこのエントリを紹介します。教育に関することが書かれていますが、「図」がわかりやすいかなと思い引用させていただきます。
- Equity and Equality Are Not Equal
人事はですね、平等(=equal)よりも公正(=fair)であることが大切です
前職でお世話になった人事の大先輩からお話いただいたこの言葉を、今も常に意識しています。
言うまでもありませんが、人事や採用活動において公、正(fair)であることは非常に大切です。
例えば「面接」。
「面接の回数」は皆さんどのように設計していますか?
2回?3回?
「あのひとは2回だったのに私は4回だった…」
これは「平等」ではありません。が、「公正」な判断のために必要なのだとしたら私は回数で制限すべきではないと考えます。「公正」な判断をするために必要な回数、を実施すべきでしょう。
また、ですが、採用経路別でもバイアスがかからないように意識をしています。
人材紹介会社経由、リファラル採用、ダイレクトソーシング、それぞれ採用担当者やHiring Managerは知らないうちにバイアスがかかるでしょう。いかにアンバイアスに「公正」な判断ができる仕組みを作ることができるか、というところが人事採用を担う、私たちには求められています。
例えばメルカリの紹介プロセス。あるマネージャーの紹介の候補者は「当該マネージャー以外の複数人(マネージャー、メンバー)と面接をする」など、バイアスを排除していくような運用を実施しています。
(とはいえ、まだまだ課題が無いわけではありません。私が入社して4年たった今も日々改善です…。採用プロセス改善については力強いチームが立ち上がり、ワクワクしている分野でもあります)
また、「面接」というと、企業側が一方的に「意思決定」するように見えるかもしれません。私はそうではなく、「公正(fair)」な関係をつくることで、候補者の意思決定を支援したいと考えています。
入社意思の決定(内定承諾)のために必要であれば、「面談」や会社説明、会食の回数を重ねます。時にはご家族への説明や、進学や現職残留などの選択肢について同じ目線に立ち、一緒に悩み考えます。候補者や候補者の家族生活、人生の意思決定に関わっている自覚を持つことは当たり前にやっていくものです。
私たちのチームは「People Partners」と呼ばれています。Hiring Managerや、組織の「Partner」という意味なのですが、候補者にとっても「Partner」でありたいと思っています。
物事の判断に万人が納得する「正解」はありません。特に人事や採用の分野においては、データドリブンな意思決定や科学技術が発展してきてはいるものの、最終的に判断するのは「ひと」が介在するのが実態です。
だからこそ、データに基づいた上で、アンバイアスなフローの設計が必要であり、まずは仕組みを作ること、そしてそれを運用する人事採用担当者は「公正」な判断をする(ための努力をし続ける)ことが求められます。
One more thing…
「信じる」こと
今年、私にとって大きな出来事があり「信じる」ということを学びました。仕事とは関係のないことでしたが、この出来事がきっかけで「信じる」ということを学びました。気づかせ、学ばせてくれた彼女には心から感謝しています。
今回のテーマである「ベンチャー」が「採用」をするということは、チーム/組織を作るということです。組織の健全性や、発達性を考えていく中では、必ず「信じる」ということに向き合う時が来ます。
関連する、私の大好きな2冊の本を紹介して、本エントリを閉じようと思います。
メルカリの創業者である進太郎さんから紹介してもらったこの本は何度も読み返し、また今読み返しています。
スタートアップの代表や、人事の友人知人に「本を推薦してほしい」と言われたときには必ず最初に推薦するのが本書です。
もう1冊はこの本。
IBMさんのページで書かれているGoogleが提唱する「心理的安全性」との対比が興味深いです。
· Google流の弱さを見せあえる組織の手法 — さらけ出された弱さをチームのみんなで優しく包み、強い衝撃から守る· DDO(※)流の弱さを見せあえる組織の手法 — さらけ出された弱さを擦ったり叩いたり水をかけたりして、消し去ったり弱さではない別のモノに変えてしまおう
詳しくはこちらから
思いがけず長文になってしまいました。お付き合いいただきありがとうございました。
もしお時間がありましたら、裏企画のこちら<B面>も読んでみてください^ ^
最後に
明日は18日目、サイバーエージェントで活躍された後、今年独立し、ますますの発展を応援している大切な友人のひとり、 おざまさ です!
それでは皆さん良いお年をお迎えください