ビットコイナーのためのリバタリアン9つのタイプ分類
最近はビットコインの値段も上昇し、多くの投資家、詐欺師集団、NewsPicks周りのミーハー層がビットコイン界隈に見受けられる様になったが、ちょうど3年前のまだビットコインが社会的に怪しいイメージを持たれていた、ないしは、認知されていなかった頃、ビットコインに”ハマり”やすいのは以下の3タイプだと言われていた。
- リバタリアン
- 技術者
- 金融関係者
然しながら、業界内でリバタリアンの定義が曖昧かつあまり理解して使われていないケースが目立つ?ので、「自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (著者)森村 進 」の第一章リバタリアニズムとは何か、を引用して、リバタリアニズムの分類を紹介したいと思う。
一般的に、日本にはリバタリアンが少ないとされており、私自身も、リバタリアンではなく、強いて言うなればネオリベラリストの立場に近いと認識している。
リバタリアニズムとは

リバタリアニズムを簡易化した上図が一番概念としてリバタリアニズムを理解しやすい。
リバタリアニズムは、基本的には個人的自由・経済的自由のどちらも尊重する立場である。
リベラルは、個人的自由の尊重を説く一方、経済的活動の自由を重視せずに、財の再分配や市場への政府の介入を容認する。
保守派は、逆に個人的自由は認めないが、経済的自由を尊重する。
権威主義は、どちらも尊重しない。ファシズム・共産主義はこれに属する。
※リベラルは使う人や場面によって意味が異なるので非常にわかりにくい単語になってしまっているが、ここではアメリカの民主党の様な大きい政府を主張する概念
リバタリアンの分類
- 国家の適正な範囲・個人の自由を正当化する根拠、の2つの軸で3*3の凡そ9タイプが存在
- 著者も注意書きしてある通り、この分類法は万能ではない

国家の適正な範囲
①無政府資本主義(市場アナーキズム)
- 国家の廃止を唱えるラディカル(過激な)な立場
②最小国家論
- 国家の役割を国防・裁判・治安・その他の公共財の供給、あるいは其の一部に限定
③古典的自由主義
- ②に加えて、ある程度の福祉・サービス活動も行う小さな政府
- 現存する国家よりもはるかに控えめの活動範囲
個人の自由を正当化する根拠
Ⅰ自然権論
- 基本的な自由の権利、自己所有権に訴えかける
Ⅱ帰結主義
- 自由を尊重する社会の方がその結果として、人々が幸福になるとする
- ※帰結主義:行為を道徳的に判断する際に、その行為から生じる帰結(結果)を考慮に入れる立場
Ⅲ契約論
- 理性的な人々であれば、リバタリアンな社会原理に合意するはず
代表的思想家の分類
Ⅰ①:自然権論的無政府資本主義者
- オーストリア学派経済学と古典的な自然権思想とを結合させた
- アメリカのラディカルなリバタリアン思想の代表者として精力的に活動
- リバタリアンの多くにもついていけないと思われるもの
Ⅰ②:自然権論的最小国家論者
- 著書『アナーキー・国家・ユートピア』
Ⅰ③:自然権論的古典的自由主義者
- 統治論
- 近代民主主義政治理論の祖
- 社会契約や抵抗権についての考えはアメリカ独立宣言、フランス人権宣言に大きな影響を与えた
- アメリカ建国の父
Ⅱ①:帰結主義的無政府資本主義者
- シカゴ学派の経済学者であるミルトン・フリードマンの息子
Ⅱ②:帰結主義的最小国家論者
Ⅱ③:帰結主義的古典的自由主義者
- 我らがビットコイナーの精神的支柱
- オーストリア学派の代表的学者の1人
- ノーベル経済学賞の受賞者
- ハイエクの師匠
- オーストリア=ハンガリー帝国出身の経済学者であり、現代自由主義思想に大きな影響を及ぼした
- 国富論
- 経済学の父
- 新自由主義を代表する学者
Ⅲ①:契約論的無政府資本主義者
Ⅲ②:契約論的最小国家論者
- 現代カナダの倫理学者・政治哲学者
- 森村 進氏によるジャン・ナーヴソンに関する論文
Ⅲ②:契約論的古典的自由主義者
リバタリアニズムの分類には含まれないが、Ⅱの帰結主義に関連し、経済学的な自由擁護論の説明、また、新たに出現した左翼リバタリアニズムの説明を付け加える。
経済学的リバタリアニズム
各経済学が市場経済を支持する根拠
新古典派
- 長期的に見れば市場は均衡に達し、パレート最適の意味で効率的な資源配分をもたらすから社会的に望ましい
- 其のためには、完全雇用や有効需要促進を目標として、政府が市場に介入する必要がある(ケインズ的発想)
- 社会主義を原理的に批判出来ない
シカゴ学派
- 市場へのケインズ的介入の有効性を否定
- 市場が長期的には均衡して有効な資源配分を達成するという市場観を新古典派と共有
オーストリア学派
- 情報が分散して存在する動的な市場観が前提
- 市場の意義は一物一価の均衡状態をもたらすところにあるのではなく(その状態は現実には決して達成されない)、競争や起業家的行動という市場プロセスを経て、中央で集められない知識が局所的に発見・有効活用されていく
公共選択学派
- 政治過程にも経済学のアプローチを導入する点に特徴
- 政府の権限の制限を提唱
- 民主主義的な政治過程であっても、その結果、ケインズ的財政政策が財政赤字の膨張を生むといった形で国民に負担を負わせる傾向がある
左翼リバタリアニズム
- 平等主義的な所有形態を主張する立場
- 各人の身体は本人が排他的な支配権を持っているという意味で自己所有権を認めるが、外界の資源は本来各人が自由に私有して構わないものではない
論点
- もはやリバタリアニズムではない
- 左翼リバタリアニズムは経済的自由を尊重していない
- 身体所有権として理解された自己所有権のテーゼだけをリバタリアニズムの必要十分条件とみなす為
- 一種の福祉リベラリズム
ちなみに私は、「Ⅱ②:帰結主義的最小国家論者」だった。
皆の思想はどの分類に近いか、もしよければ教えてください。
