【InsReTech】保険がスマートホーム化を促進する

Junichi Hashimoto
5 min readJul 7, 2018

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本記事は、IoT導入により高まるセキュリティリスクを補填するためのプラスαの保険のようですが、InsReTechのド真ん中は、IoTによって保険料を最適化するという、最近流行りのテレマティクスと同じ方向だと思っています。

では、そういう時代はいつくるのでしょうか。アタリマエですが、

現行保険料 >IoT機器費用 + 割引後保険料

となれば、一気に普及させることができるので、そのターニングポイントがどのあたりか?が気になります。

例えば、火災保険の保険料は※4,000円/年くらいなので、20%割り引かれても年間800円=月々33円程度の効果しか見込めません。

東京のマンションで60㎡、家財保証なし、地震保険なし、だと1年一括の標準プランで試算

そのため、スマートホーム機器をばら撒けるくらい保険料を下げるには、ビジネスモデルを工夫する必要がありそうです。例えば

①格安のセンサーを頑張って作る
②メチャクチャ格安もしくは無料でセンサーをばら撒いて、得られたデータを活用したビジネス展開で儲ける
③保険料を大きく割り引く分、他のサービスに誘引させてそっちで儲ける

せっかくなので、少し考えてみます。

①格安のセンサーを頑張って作る

火災保険の割引に寄与しそうなスマートホーム機器として『水漏れを知らせてくれるスマートセンサー「Wally」』とかはありそうですが、価格は3万円程度とのことなので、これではダメそうです。

https://www.amazon.co.jp/テクノテック-TECHNOTECH-水漏れセンサ/dp/B00IWE9AZC

では格安な漏水センサーはないか探してみると、こういうのを見つけました。

3,000円以下なので、水漏れに支払われている保険金額次第では普及可能性がありそうです。

ただし問題は
「それ本当に機能するの?」
「機能していることを把握できないのでは?」
という点。

でも上記の課題について、私は解決可能だと考えています。(ヒントはAmazon Echo)

なので、もし一緒にビジネスを考えてくれる人いたら、連絡お待ちしています。

②メチャクチャ格安もしくは無料でセンサーをばら撒いて、得られたデータを活用したビジネス展開で儲ける

火災警報器に関して最近の取り組みとしては、東芝とホーチキの協業などが挙げられます。

ホーチキ製防災システムとの自動連動型サイネージシステムを開発・販売(https://www.toshiba.co.jp/tvs/news/20160907.htm)

このように収集したデータを、リアルタイムに必要な人へ配信するというソリューションなどが考えられます。

なので、ソリューションベンダーが、センサーをばら撒くために保険会社を巻き込んでいくという構図になるかもしれません。

③保険料を大きく割り引く分、他のサービスに誘引させてそっちで儲ける

セコムのビジネスはうまく出来ています。

スマートホームとセキュリティサービスの連携に関する業務提携に向けて東京電力エナジーパートナーとセコムが基本合意

TEPCOスマートホームにご加入のお客さまが、不在時のご自宅で予期せぬ窓やドアの開閉等を確認した場合、お客さまのご要請に応じてセコムの対処員が駆け付けて安全確保に努める等、これまでのスマートホームに、さらなる「安全」を付加したサービスを検討してまいります。

セコムとスマートホームは、非常に相性がいいですね。

InsReTechは、いつ頃ターニングポイントを迎えるか、要注目です。

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Junichi Hashimoto

SIer、発明塾(TechnoProducer)を経た後、現在は某不動産IT企業にて新規事業開発に従事。特にスタートアップ企業とのアライアンスを推進。知財アナリスト