間取り図は数値化される
前回の記事「間取り図データで住まい設計が変わる?」の続編です。
これまでの流れを要約すると、
1.楽天研究所がなぜか間取り図を簡素化するという研究していた
2.間取り図を元に、動線評価の自動化を目論んでるのでは?と仮説立てた
3.同じようなことをどこの誰が考えてるのかググってみた
4.ついでに、特許も調べてみた
5.そしたら、積水ハウスの特許が面白そうだった「コンピュータを用いた建築物の動線計画方法」
では、今回はそこからもう少し突っ込んで、
楽天研究所が生成している簡略化された間取り図データを使って、
動線評価を自動的にできないか?
を考えてみます。
先の積水ハウスの特許において、移動経路(動線)入力は、人が図面CG画像を見ながら「前進」「後退」「左右回転」などの操作をして、擬似的に移動させて決定している。(明細書の【0029】あたり参照)
つまり、移動経路の入力が人手を想定している。
これでは自動的な動線入力ができないので、なんとかする必要がある。
なので、もういっちょ特許を調べてみましょう。
今回の検索KWは「間取り 平面 動線 住居」としてみました。
すると発見!
「経路生成プログラム、経路生成方法及び経路生成装置」
出願人:株式会社サイバーウォーカー
図24をみると、この発明がなにをやりたいかがなんとなくわかります。
そして、この動線を生成するための処理として、図6・図7が必要なようです。
図6は、図4に示した間取図の一部を10cm×10cmのセルに分割した状態を示す画像の一例である。また、図7は、セルに分割した間取図の、各々のセルに保持される属性情報の一例を示す図である。本実施形態では、属性情報として、構成要素の種別を示す情報を保持させるものとする。なお、本実施形態におけるセルの属性情報は、例えば、各セルをラスタデータの1画素に対応付け、各画素の色の成分を示す24ビットのカラー値(RGB(Red, Green, Blue)成分)として保持させるものとする。また、間取図の構成要素の種別に応じた値は数値で表すものとし、当該値をセルに保持させる処理は、1画素が10cm×10cmとなる縮尺で間取図の構成要素をラスタデータとして描画する際に、当該値を例えばR成分に割り当てることで行うことができる。
図7の例では、間取図における壁に「0」、家具等の障害物に「2」、扉等の建具に「5」、壁の開口部に「6」、階段に「7」、部屋の内部に「8」、家の外の空間に「9」を割り当てている。なお、0及び2は人が通行できない部分を示し、5、6、7、8及び9は、人が通行できる部分を示すことが予め定められているものとする。
このように、間取り図を数字だけで表現することができるので、移動距離などの演算も自動的にできて住みやすさの評価ができそうです。
なお、この株式会社サイバーウォーカーのOEM製品メガソフト社「3Dマイホームデザイナー」は、建築プランニングソフトです。