自壊したセリーナ・ウィリアムズ、勝って浮かない顔の大坂なおみ(テニス全米オープン決勝) [#YouTube]

おそらく既報の通り、大坂なおみ(米国人流の発音では「ネイオミ・オーサカ」)が憧れのセリーナ・ウィリアムズに勝って、全米オープンを制した。テニスのことはよくわからないが、セリーナはレブロン・ジェームズ(NBA)と同等もしくはそれ以上のプレゼンス(実績、実力、社会的影響力等々)を持つアスリートのはずで、それを弱冠20歳の若手選手が破ったというだけでもニュースに値する出来事(実際WSJやBloombergのアプリでもアラートが出ていたほど)・・・といった余計な前置きは抜きにして、さっそくこの決勝戦に関する3つの動画を紹介する。ひとつはWOWOWのもの、そして残りふたつはESPNのものである。

WOWOWのものは(たぶん日本人向けの「ハイライト集」であるせいか)大坂の良かったところだけしかわからない。けれどもこの試合の肝は、主審の不手際から精神的に崩れていった(墓穴を掘った)セリーナのほうで、その経緯がよくわかるのがESPNの次の(ひとつめの)動画。

もの凄い剣幕で主審に噛みつくシーン、激怒してラケットをコートにたたきつける(ひしゃげたラケットが映し出される)シーン、涙ながらに大会関係者に訴えるシーン、そして涙をこらえながらも明らかに嗚咽しているシーンなど、セリーナのいろんなシーンが満載で、15分近くもあるのに途中で見飽きるということがない。それから、勝利が決まった後の大坂の涙も実に複雑な感じがして興味深い。複雑というのは「嬉し涙」とか「悔し涙」とかいったひとことでは片付けられないといった意味。椅子に座り、大きなタオルを顔に掛けて待っている最中に、大坂はたぶん号泣していたのではないか、といった想像がつい浮かんできてしまう(誰かとスマホでメッセージをやりとりしていただけかもしれないが)。

いずれにしても、大坂はこの試合、この勝利で新しい世代を代表する選手になった(下掲The Ringer記事の見出しにその点が凝縮されている)。いっぽう、セリーナもこの大会(と今年のウィンブルドン)を通じてまだ十分にやれる、もっと伸びしろがあることをはっきりさせた。「新旧の世代交代」といった流れを背景にして、ふたりの(良い意味での)「因縁の対決」がこれからしばらく話題を集めることになるだろう。

[参考]

Naomi Osaka captures US Open; Serena Williams penalized a game for calling chair umpire ‘a thief’ — ESPN

Naomi Osaka’s big moment will be remembered for chaos, confusion and tears — ESPN

Naomi Osaka Is the Future of Tennis — The Ringer

    小人閑居して・・・

    Written by

    坂和 敏(hsakawa)